自己破産における破産管財人の否認権の類型の1つに偏頗行為否認があります。
偏頗行為否認の記事一覧
偏頗行為否認の記事一覧は、以下のとおりです。
なお、その他債務整理に関する記事は、以下のページをご覧ください。
偏頗行為否認の概要
前記のとおり、自己破産における破産管財人の否認権の類型の1つに偏頗行為否認があります。
偏頗行為とは、既存の特定の債権者のみに対して担保の供与や債務の消滅行為をすることです。典型的なものは、抵当権を設定したり、借金の返済をしてしまうことです。
偏頗行為否認には、2つの類型があります。
- 破産者が支払不能になった後または破産手続開始の申立てがあった後にした偏頗行為の否認(破産法162条1項1号)
- 破産者が支払不能になる前30日以内にした非義務的偏頗行為の否認(破産法162条1項2号)
支払不能または破産手続開始の申立ての後にした偏頗行為は、否認の対象となります。ただし、偏頗行為を受けた債権者が、偏頗行為の当時、破産者が支払不能であったこと(または支払停止していたこと)や破産手続開始の申立てをしていことを知らない場合には、否認権行使できません。
支払不能30日前にした場合の否認の対象は、非義務的偏頗行為に限られます。非義務的偏頗行為とは、破産者の義務に属せずまたはその時期が破産者の義務に属しない偏頗行為のことです。例えば、返済期限が到来していないのに返済してしまうような場合です。
弁護士の探し方
「自己破産をしたいけれど、どの弁護士を選べばいいのか分からない」
という方は少なくないでしょう。
現在では、多くの法律事務所が自己破産を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、自己破産を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。
しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。
債務整理・自己破産の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。
そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。
ちなみに、個人の自己破産の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。
参考書籍
本サイトでも個人の自己破産について解説していますが、より深く知りたい方のために、債務整理・自己破産の参考書籍を紹介します。
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
破産実務を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、破産実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。
編集:永谷典雄ほか 出版:きんざい
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官・裁判所書記官による実務書。東京地裁の運用を中心に、破産事件の実務全般について解説されています。
編集:川畑正文ほか 出版:大阪弁護士協同組合
6民とは、大阪地裁第6民事部(倒産部)のことです。大阪地裁の破産・再生手続の運用について、Q&A形式でまとめられています。
編集:東京弁護士会倒産法部 出版:商事法務
東京弁護士会による破産実務書。申立てをする側からの解説がされています。代理人弁護士向けの本ですが、自己破産申立てをする人の参考にもなります。