個人再生における再生計画を認可してもらうためには、再生手続開始の要件とは別に、民事再生法で定める再生計画認可の要件を満たしていなければなりません。
個人再生の再生計画認可要件に関する記事一覧
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個人再生の再生計画認可要件の概要
前記のとおり、個人再生における再生計画を認可してもらうためには、再生手続開始の要件とは別に、民事再生法で定める再生計画認可の要件を満たしていなければなりません。
再生計画認可の要件とは、再生計画不認可事由がないことです。再生計画不認可事由は、民事再生全般に共通するものだけでなく、個人再生に固有のものもあります。
さらに、個人再生に固有の再生計画不認可事由にも、小規模個人再生と給与所得者等再生に共通するもの、小規模個人再生に固有のもの、給与所得者等再生に固有のものがあります。
小規模個人再生と給与所得者等再生に共通する再生計画不認可事由には、再生債権総額が5000万円を超えることおよび計画弁済総額が最低弁済額を下回っていることがあります。
再生計画に定められた計画弁済総額が最低弁済額を下回っていると、再生計画は不認可となります。最低弁済額の基準は以下のとおりです。
- 無異議債権額および評価済債権額の総額が3000万円以下の場合は、基準債権額による。
- 基準債権額が100万円未満の場合、最低弁済額は「その基準債権額」
- 基準債権額が100万円以上500万円未満の場合、最低弁済額は「100万円」
- 基準債権額が500万円以上1500万円未満の場合、最低弁済額は「基準債権の5分の1」
- 基準債権額が1500万円以上を超える場合、最低弁済額は「300万円」
- 無異議債権額および評価済債権額の総額が3000万円を超え、5000万円以下の場合、最低弁済額は「無異議債権額および評価済債権額の総額の10分の1」
また、計画弁済総額は、清算価値の額も上回っていなければなりません。これを清算価値保障原則と呼んでいます。清算価値とは、破産したと仮定した場合の配当予想額のことです。
弁護士の探し方
「個人再生をしたいけれど、どの弁護士を選べばいいのか分からない」
という方は少なくないでしょう。
現在では、多くの法律事務所が個人再生を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、個人再生を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。
しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。
債務整理・個人再生の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。
そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。
ちなみに、個人再生の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。
参考書籍
本サイトでも個人再生について解説していますが、個人再生をより深く知りたい方のために、参考書籍を紹介します。
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
個人再生を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、個人再生実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。
編著:鹿子木康 出版:判例タイムズ社
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官および裁判所書記官・弁護士らによる実務書。東京地裁の運用が中心ですが、地域にかかわらず参考になります。東京地裁における個人再生の申立書の書式についても説明があります。
編集:永谷典雄ほか 出版:きんざい
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官・裁判所書記官による実務書。東京地裁の運用を中心に、民事再生(通常再生)・個人再生の実務全般について解説されています。東京地裁における個人再生の申立書の書式についても説明があります。
編集:川畑正文ほか 出版:大阪弁護士協同組合
6民とは、大阪地裁第6民事部(倒産部)のことです。大阪地裁の破産・再生手続の運用について、Q&A形式でまとめられています。大阪地裁における個人再生の申立書の書式についても説明があります。
編集:個人再生実務研究会 出版:民事法研究会
東京地裁・大阪地裁の運用を中心に、個人再生の手続に必要となる各種書式を掲載しています。書式を通じて個人再生手続をイメージしやすくなります。個人再生の申立書などの書式についても説明があります。