この記事にはPR広告が含まれています。

債務整理

個人の借金問題解決の法的手段のことをまとめて「債務整理(さいむせいり)」と呼んでいます。

債務整理の記事一覧

債務整理の記事一覧は、以下のとおりです。

債務整理(共通)の記事一覧

債務整理共通の手続

任意整理の記事一覧

自己破産の記事一覧

自己破産における財産の処分
自己破産における免責

個人再生の記事一覧

個人再生の手続
住宅資金特別条項(住宅ローン特則)

過払い金の記事一覧

過払金の利息

消滅時効の援用の記事一覧

相続放棄の記事一覧

特定調停の記事一覧

債務整理の概要

債務整理2の画像

前記のとおり、個人の借金問題解決の法的手段のことをまとめて「債務整理(さいむせいり)」と呼んでいます。

多重債務とは、複数の債権者から借入れをしている状態のことです。かつては、サラ金やクレジットカード会社からの借入れが多重債務を生み出し、クレサラ問題またはサラクレ問題と呼ばれて、社会問題にまでなっていることもありました。

現在でも、借金返済の問題は、非常に多くの人に関わっています。というのも、自己破産申立ての件数は年間で約7万件、任意整理に至っては推定年間100万件以上と言われているからです。この借金問題を解決するための法的手段が債務整理なのです。

債務整理には、主に、任意整理、自己破産、個人再生(個人民事再生)という3つの方法があります。また、払い過ぎた利息を取り戻す過払い金返還請求も、債務整理の一種と言えるでしょう。

また、事情によっては、消滅時効の援用、相続放棄、限定承認、特定調停などが債務整理の方法として用いられることもあります。

それぞれの手続によってメリットは異なりますが、共通するメリットとしては、借金の負担を軽減できることです。弁護士等が受任通知を送ることによって、貸金業者からの直接の取立てが停止されることもメリットと言えるでしょう。

ただし、債務整理をすると、信用情報機関にブラックリスト登録がされます。ブラックリストに登録されると、5年~7年(手続によっては10年ほど)は新たな借入れやローンを組むことなどが難しくなります。

債務整理をするにあたって、不動産の任意売却をすることもあります。任意売却は競売よりも高額で売却できる可能性が高いのでメリットがあります。ただし、安易に任意売却してしまうと、その後の債務整理に悪影響を及ぼすこともあるので、慎重に判断する必要があります。

の債務整理をするに際して、知っておかなければならない法律として、貸金三法と呼ばれる3つの法律があります。貸金三法とは、利息制限法、貸金業法、出資法のことです。また、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)などもあります。

任意整理

任意整理は、弁護士等が債務者に代わって債権者と交渉し、生活を維持しながら可能な程度の返済条件に変更してもらう裁判外の手続です。

任意整理は、あくまで裁判外の交渉であるため、法的な制限が少なく、柔軟な対応が可能です。ただし、法的制限が少ない反面、法的な強制力も弱いため、強硬な債権者がいる場合などには、任意整理が難しいこともあります。

自己破産

自己破産は、裁判所によって免責を許可してもらうことによって、借金など債務の支払義務を免責してもらう裁判手続です。

自己破産は、裁判手続であるため、要件を満たせば、債務を免責してもらえる、つまり、借金を支払わなくてもよいことにしてもらえるという強力な効果があります。

しかし、その反面、生活に必要最低限度のものを除く財産を処分しなければならない、免責が許可されるまで公的資格の利用が制限される、手続が終了するまで居住の制限や郵便物の転送がされる、官報に氏名や住所が公告されるなどの制限もあります。

この自己破産手続には、破産管財人が選任されて財産の調査や換価処分などを行う管財手続と、破産管財人が選任されずに簡易迅速に手続が終結する同時廃止手続があります。管財手続には、引継予納金の額を抑えた少額管財という運用が行われている裁判所もあります。

個人再生

個人再生は、裁判所に再生計画を認可してもらうことによって、借金などの債務の減額や分割払いへの条件変更などをしてもらう裁判手続です。

個人再生も裁判手続であるため、要件を満たせば、借金の減額(最大で10分の1まで減額)や3年から5年の分割払いへの変更が可能です。また、財産の処分は必須ではなく、資格制限や居住制限などもありません。

この個人再生手続には、小規模個人再生と給与所得者等再生という2つの手続があります。小規模個人再生が個人再生の基本類型であり、給与所得者等再生はその特則という位置づけです。

また、個人再生には、住宅資金特別条項という特殊な制度があり、この要件を満たしていれば、住宅ローンの残っている自宅を処分せずに、借金を整理することが可能です。

ただし、効果が大きい反面、利用のための要件は厳格です。また、手続が複雑な上、再生債務者自身が手続を進めていかなければならないというデメリットもあります。

過払金(過払い金)

過払金とは、利息制限法所定の制限利率を超える利率の利息を支払い続け、その制限超過利息を借入金元本に充当した結果、計算上、借入金元本が完済となった後に、さらに支払った金銭のことをいいます。

この過払い金が発生している場合、債務者は、貸金業者等の債権者に対して、過払い金の返還を請求することができます。

消滅時効の援用

借金などの貸金債権も、債権である以上、時効によって消滅することがあります。債務者は、この消滅時効を援用することによって、借金を免れることができる場合があります。

貸金業者からの借金の場合、消滅時効期間は、取引の終了時から5年間です。その期間内に時効更新の手続がとられていなければ、5年の経過後に消滅時効を援用することができます。

相続放棄

相続は、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続人に引き継がれます。そのため、被相続人に借金があった場合、相続によって、その借金も相続人に引き継がれてしまいます。

もっとも、相続人は、相続放棄をすることができます。相続放棄をすれば、プラスの財産も引き継がれませんが、マイナスの財産を引き継ぐこともありません。この相続放棄を利用することによって、相続債務を免れることができます。

特定調停

特定調停とは、支払不能に陥るおそれのある金銭債務者の経済的再生のために,債務者と債権者その他の利害関係人の間における金銭債務の内容の変更,担保関係の変更その他の金銭債務に関する利害関係の調整をする民事調停のことです。

特定調停は、債務整理に特化した民事調停と言えます。調停が開始されると、取立てが停止し、また、強制執行を停止させることも可能です。

ただし、債務者本人が裁判所に出頭する必要があること、取立ての停止までに時間がかかること、過払金返還請求は調停内では行えないことなど、任意整理とは異なる点もあります。

弁護士の探し方

「債務整理をしたいけれど、どの弁護士を選べばいいのか分からない」
という方は少なくないでしょう。

現在では、多くの法律事務所が債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、債務整理を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。

しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。

債務整理の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。

そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。

ちなみに、個人の債務整理の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。

弁護士法人東京ロータス法律事務所
・相談無料(無料回数制限なし)
・全国対応・休日対応・メール相談可
・所在地:東京都台東区
弁護士法人ひばり法律事務所
・相談無料(無料回数制限なし)
・全国対応・依頼後の出張可
・所在地:東京都墨田区
レ・ナシオン法律事務所
・相談無料
・全国対応・メール相談可・LINE相談可
・所在地:東京都渋谷区

参考書籍

債務整理を深く知りたい方のために、債務整理の参考書籍を紹介します。

クレジット・サラ金処理の手引き(6訂版)
編著・出版:東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会
東京の3弁護士会による債務整理・クレサラ事件処理全般についての実務書。債務整理全般を1冊でまとめている実務書は意外と少ないので、債務整理を知るにはちょうど良い本です。
クレジット・サラ金の任意整理実務Q&A
著者:柄澤昌樹 出版:青林書院
任意整理に関する実務書。Q&A形式なので問題点を理解しやすい。任意整理をメインとする実務書は多くないのでおすすめできる書籍ですが、古い本なのでアップデートが必要です。
破産実務Q&A220問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
破産実務を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、破産実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。
個人再生の実務Q&A120問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
個人再生を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、個人再生実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。
Q&A過払金返還請求の手引: サラ金からの簡易・迅速な回収をめざして
編集:名古屋消費者信用問題研究会 出版:民事法研究会
過払金返還請求の教科書のような本。やや古いので判例や論点のアップデートは必要ですが、過払金返還請求を知るためには、よい本です。

債務整理に関する最新の記事

スポンサーリンク
特定調停

特定調停にはどのようなメリット・デメリットがあるのか?

多重債務を解決するための法的手続に特定調停があります。特定調停を選択する場合には、そのメリット・デメリットをよく確認しておく必要があります。このページでは、特定調停にはどのようなメリット・デメリットがあるのかについて説明します。
消滅時効の援用

借金は何年で時効によって消滅するのか?

貸金業者や銀行からの借金の場合、時効が更新されていない限り、「返済期限の日から5年間」返済をしなかったときには、時効により消滅すると考えておけば足りるでしょう。このページでは、借金は何年で時効によって消滅するのかについて説明します。
個人再生(個人民事再生)

個人再生を選択するのはどのような場合か?

債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生があります。これらの手続にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどれが良いとは言えません。このページでは、個人再生を選択するのはどのような場合なのかについて説明します。
個人事業者(自営業者)の個人再生

個人事業者・自営業者の個人再生でも継続的・反復した収入見込みは認められるか?

個人事業主・自営業者の個人再生の場合、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があるかが問題となることがあります。このページでは、個人事業者・自営業者の個人再生でも継続的・反復した収入見込みは認められるのかについて説明します。
個人事業者(自営業者)の個人再生

個人事業・自営業の買掛金なども個人再生の5000万円要件にカウントされるか?

個人再生を利用するためには、再生債権の総額が5000万円を超えていないことが必要です。この5000万円には買掛金も含まれます。このページでは、個人事業・自営業の買掛金なども個人再生の5000万円要件にカウントされるのかについて説明します。
個人事業者(自営業者)の個人再生

個人事業主・自営業者の個人再生で注意すべき要件とは?

個人事業者・自営業者の個人再生(個人民事再生)においては、その要件について、事業者でない人の個人再生の場合とは異なる考慮・検討が必要となります。このページでは、個人事業主・自営業者の個人再生で注意すべき要件について説明します。
個人事業者(自営業者)の個人再生

個人事業者・自営業者が個人再生を選ぶメリットとは?

個人事業主・自営業者の方が個人再生を利用する場合には、個人事業・自営業を継続したまま、借金・債務の整理をすることができるというメリットがあります。このページでは、個人事業者・自営業者が個人再生を選ぶメリットについて説明します。
個人事業者(自営業者)の個人再生

個人事業主・自営業者でも個人再生を利用できるか?

個人事業主・自営業者も、小規模個人再生を利用することは可能です。小規模個人再生を利用することにより、個人事業・自営業を続けながら、債務を整理できる場合もあります。個人事業主・自営業者でも個人再生を利用できるのかについて説明します。
個人再生における自動車の取扱い

個人再生すると自動車は処分されるのか?

個人再生においては、自己破産と異なり、自動車を強制的に換価処分されることはありません。ただし、清算価値保障原則により、自動車の価値は清算価値に計上されます。このページでは、個人再生すると自動車は処分されるのかについて説明します。
個人再生における財産の取扱い

個人再生すると財産・資産は処分されるのか?

個人再生の場合、自己破産と異なり、財産・資産を強制処分されることはありません。ただし、清算価値保障原則により、返済総額は保有財産・資産の価額以上の金額になります。このページでは、個人再生すると財産・資産は処分されるのかについて説明します。
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました