自己破産には,借金の返済義務を免責してもらえるという大きなメリットがある反面,いくつかのデメリットが存在します。
自己破産のデメリットに関する記事一覧
自己破産のデメリットに関する記事一覧は、以下のとおりです。
なお、その他債務整理に関する記事は、以下のページをご覧ください。
自己破産のデメリットの概要
前記のとおり、自己破産には,借金の返済義務を免責してもらえるという大きなメリットがある反面、いくつかのデメリットが存在します。具体的には、以下のようなデメリットがあります。
- ブラックリストに登録される(破産手続の開始から10年間)
- 生活必需品等を除く一定の財産を処分しなければならない
- 自己破産をしたことが官報公告される
- 一定の公的資格の使用が制限される
- 破産手続中は自由に住居を移転できなくなる
- 破産手続中は郵便物が破産管財人に転送されて内容をチェックされる
- 免責不許可となった場合には自己破産したことが市町村役場に通知されて破産者名簿に掲載される
他の債務整理と同様、自己破産の場合もブラックリストに登録されます。ブラックリストに登録されると、クレジットカードが解約され、登録期間中は、新たにクレジットカードを作ることも難しくなります。
自己破産の手続においては、官報に氏名や住所などが公告されることになります。手続によって異なりますが、2~3回は官報公告されます。したがって、完全に秘密にすることはできませんが、官報を頻繁に確認している人はあまりいないでしょう。
自己破産の手続が開始されると、破産者には資格制限が課されます。資格制限とは、免責許可を受けるなど復権されるまで、一定の資格を利用できなくなるという制限です。例えば、警備員や保険外交員などの資格が制限されます。
自己破産をしたからと言って、住んでいるアパートやマンションの賃貸借契約を解約されることはありません。ただし、すでに数か月家賃を滞納しているなどの場合には、賃貸人(大家)によって契約を解除されることはあります。
自己破産すると、破産者本人は免責されて借金の支払義務を免れますが、保証人や連帯保証人には免責の効力は及びません。したがって、保証人や連帯保証人が、破産者に代わって支払いをしなければならないことになります。
他方、自己破産にはいくつかのデメリットがありますが、これらは破産者本人だけに効果を及ぼすものですので、家族や同居人には直接的な影響ありません。
ただし、家族や同居人が保証人等になっている場合や財産を移転してしまっているような場合には、保証債務を請求されたり、破産管財人から否認権行使を受けたりする場合もあり得ます。
弁護士の探し方
「自己破産をしたいけれど、どの弁護士を選べばいいのか分からない」
という方は少なくないでしょう。
現在では、多くの法律事務所が自己破産を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、自己破産を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。
しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。
債務整理・自己破産の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。
そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。
ちなみに、個人の自己破産の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。
参考書籍
本サイトでも個人の自己破産について解説していますが、自己破産をより深く知りたい方のために、債務整理の参考書籍を紹介します。
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
破産実務を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、破産実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。
編集:永谷典雄ほか 出版:きんざい
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官・裁判所書記官による実務書。東京地裁の運用を中心に、破産事件の実務全般について解説されています。
編集:川畑正文ほか 出版:大阪弁護士協同組合
6民とは、大阪地裁第6民事部(倒産部)のことです。大阪地裁の破産・再生手続の運用について、Q&A形式でまとめられています。
著者:野村剛司ほか 出版:青林書院
やや古くなってきましたが、破産管財人必携の実務書。東京地裁と大阪地裁の運用を中心に、破産管財人が行う業務全般について解説されています。