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個人再生における再生債権の評価手続とは?

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

個人再生の画像
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個人再生の債権調査手続では、届出再生債権について、再生債務者等により異議申述された場合、異議申述期間の末日から3週間以内であれば、当該再生債権者は、裁判所に対して再生債権の評価を申し立てることができます

この評価手続において、裁判所または個人再生委員による債権の調査が行われ、その調査結果に基づいて、裁判所が再生債権額を確定させることになります。

届出再生債権に対する異議申述

個人再生においては、再生計画認可決定が確定した後、再生債権について弁済を継続していかなければなりません。

そのため、再生計画に基づいて弁済すべき再生債権の金額はいくらなのかということを正確に確定させておく必要があります。

そのための手続が債権調査手続です。

債権調査においては、まず再生債権者から再生債権の届出がされ、再生債務者はこの届け出られた再生債権について、定められた異議申述期間内に、再生債権の認否をしなければなりません。

認める場合、その債権は無異議債権として再生計画による弁済を受けることができます。他方、認めない場合には、再生債務者は異議の申述をし、その債権者に対して異議申述したことを通知する必要があります。

この異議を述べられた債権については、再生債権の評価手続において、その債権が再生債権として認められるのか、認められるとしてその内容や金額はどうなるのか等が評価され、手続内確定されることになります。

再生債権評価の申立て

前記のとおり、異議が述べられた債権については、裁判所による再生債権の評価手続において手続内確定されることになります。この評価手続は、再生債権評価の申立てによって開始されます。

異議を述べられた債権の債権者は、異議申述期間の末日から3週間以内であれば、再生債権評価の申立てをすることができます(民事再生法227条1項、244条)。

ただし、その異議を述べられた債権が、執行力のある債務名義または終局判決のあるものである場合には、その債権の債権者ではなく、異議を述べた者が再生債権評価申立てをしなければならず、異議申述期間の末日から3週間以内に申立てをしなかった場合には、異議はなかったものとみなされるとされています(民事再生法227条2項、244条)。

再生債権評価の申立ては、通常民事再生の債権査定申立てに準じ、裁判所に対して、申立人の氏名等、申立ての趣旨・理由を記載し、証拠書類を添付した申立書を提出する方式で行います。

また、再生債権評価申立てには、個人再生自体の予納金とは別に、評価申立ての予納金を追納しなければならない場合があります。

個人再生委員による調査

再生債権評価の申立てがされた場合、追納予納金の不納付などによって申立てが却下される場合以外は、裁判所の調査等を補助するために個人再生委員が選任されます。

そして、基本的には、この個人再生委員が、債権の調査を行っていくことになります。

東京地方裁判所本庁立川支部では、そもそも、全件について、個人再生の再生手続開始の申立て時点から個人再生委員が選任される運用になっていますから、評価手続のために改めて個人再生委員が選任されるということはありません。

また、はじめから個人再生委員が選任されており、しかも、はじめから評価手続における調査も職務内容に含まれた上で予納金が設定されているため、東京地裁本庁・立川支部では、原則として、評価手続のための予納金追納はありません。

他方、東京地裁以外の裁判所では、個人再生手続開始の時点では個人再生委員が選任されないこともあります。

個人再生委員が選任されていなかった場合、再生債権評価申立てによって個人再生委員が選任されるので、予納金の追納が必要となります。なお、再生債権評価申立てがされた場合、個人再生委員が必ず選任しなければいけないことになっています。

再生債権の評価決定

個人再生委員の調査が完了すると、裁判所は、個人再生委員の意見を聞いて、再生債権の評価を決定します。

再生債権として評価された債権は、評価済債権と呼ばれ、無異議債権と同様、基準債権となるとともに、再生計画に基づく弁済を受けることができます。

再生債権として評価されなかった部分については、再生計画に基づく弁済は受けられず、再生計画で定められた期間が満了するまで弁済を受けることができなくなります。

この再生債権評価決定に対しては、不服を申し立てることができません。

ただし、評価決定はあくまで手続内確定をさせるものにすぎないので、その対象となった債権について実体的な権利確定が生じるわけではありません。

弁護士の探し方

「個人再生をしたいけどどの弁護士に頼めばいいのか分からない」
という人は多いのではないでしょうか。

現在では、多くの法律事務所が個人再生を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、個人再生を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。

しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。

債務整理の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。

そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。

ちなみに、個人再生の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。

他方、通常再生の場合は、対応できる事務所が限られてきます。小規模の事務所の場合には、対応が難しいこともあり得ます。その点からも、個人の債務整理では、通常再生ではなく、個人再生を選択した方がよいのです。

弁護士法人東京ロータス法律事務所
・相談無料(無料回数制限なし)
・全国対応・休日対応・メール相談可
・所在地:東京都台東区

弁護士法人ひばり法律事務所
・相談無料(無料回数制限なし)
・全国対応・依頼後の出張可
・所在地:東京都墨田区

レ・ナシオン法律事務所
・相談無料
・全国対応・メール相談可・LINE相談可
・所在地:東京都渋谷区

参考書籍

本サイトでも個人再生について解説していますが、より深く知りたい方のために、個人再生の参考書籍を紹介します。

個人再生の実務Q&A120問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
個人再生を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、個人再生実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。

個人再生の手引(第2版)
編著:鹿子木康 出版:判例タイムズ社
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官および裁判所書記官・弁護士らによる実務書。東京地裁の運用が中心ですが、地域にかかわらず参考になります。

破産・民事再生の実務(第4版)民事再生・個人再生編
編集:永谷典雄ほか 出版:きんざい
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官・裁判所書記官による実務書。東京地裁の運用を中心に、民事再生(通常再生)・個人再生の実務全般について解説されています。

はい6民です お答えします 倒産実務Q&A
編集:川畑正文ほか 出版:大阪弁護士協同組合
6民とは、大阪地裁第6民事部(倒産部)のことです。大阪地裁の破産・再生手続の運用について、Q&A形式でまとめられています。

書式 個人再生の実務(全訂6版)申立てから手続終了までの書式と理論
編集:個人再生実務研究会 出版:民事法研究会
東京地裁・大阪地裁の運用を中心に、個人再生の手続に必要となる各種書式を掲載しています。書式を通じて個人再生手続をイメージしやすくなります。

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