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個人再生を弁護士に依頼してから再生計画が認可されるまでの期間はどのくらいか?

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

個人再生の画像
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個人再生を弁護士に依頼してから再生計画認可までの期間は、弁護士費用の支払い方法、履行テストの有無や期間など各裁判所の運用によって異なります概ね「1年~1年半」ほどはかかるのが通常でしょう。

弁護士に依頼してから個人再生を申し立てるまでの準備期間は、弁護士費用を一括払いするか分割払いにするかによって異なります。一括払いの場合は「2か月」ほどですが、分割払いの場合は分割の回数によって異なります。

個人再生を申し立てた後の再生計画認可までの期間は、履行テストを行うか、行うとしてどのくらいの期間に設定されているのかによって異なります。

東京地方裁判所の場合、履行可能性テストは6か月とされているため、個人再生申立てから再生計画認可決定までの期間は「7か月」ほどです。他の裁判所では異なることもあります。再生計画認可決定から確定までの期間は「1か月」ほどです。

再生計画認可決定確定後は、返済が始まります。返済の期間は、原則3年間ですが、特別の事情がある場合は5年間まで伸長できます。

個人再生の弁護士依頼から再生計画認可までの流れ

個人再生をする場合、弁護士に依頼して行うのが一般的でしょう。裁判所でも、個人再生は弁護士を代理人として申し立てることを原則または推奨としています。

弁護士に依頼した場合、そこから個人再生の申立て、裁判所による再生計画認可決定までの大まかな流れは、以下のとおりです。

弁護士依頼から再生計画認可決定までの流れ
  1. 弁護士への依頼
  2. 個人再生申立ての準備・弁護士費用などの支払い
  3. 個人再生の申立て
  4. 個人再生手続の開始
  5. 履行テスト債権認否再生計画案の提出などの手続
  6. 裁判所による再生計画認可決定
  7. 再生計画認可決定の確定・実際の返済の開始

小規模個人再生給与所得者等再生のいずれでも、また、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用してもしなくても、手続の流れ自体は同じですので、かかる期間も同じです。

弁護士依頼から再生計画認可決定までどのくらいの期間がかかるかは、弁護士費用の支払方法が一括か分割払いか、履行テストがどのくらいの期間に設定されているか等によって異なります。

例えば、東京地方裁判所に個人再生の申立てをする場合、最短で終われば概ね9か月ほどですが、通常、1年間近くはかかります。

弁護士依頼から個人再生申立てまでの期間

弁護士に依頼してから個人再生を申し立てるまでの期間は、弁護士費用を一括払いとするか分割払いにするかによって異なります。

弁護士に依頼すると、弁護士が各債権者受任通知(介入通知)を通知して返済・取立てを停止させ、その間に債権の調査や個人再生申立てのための準備を行います。

弁護士に依頼する場合には、この準備期間中に、弁護士費用(着手金)を支払うことになるのが一般的でしょう。分割払いの場合は、その分時間がかかることになります。

準備が整い、費用の支払が完了した段階で、裁判所に個人再生を申し立てます。

準備には、裁判所に提出しなければならない2か月分(裁判所によっては1か月分)の家計簿の作成や、債権者からの取引履歴や債権調査票の開示を待つ必要があるため、2か月ほどの期間は早くてもかかります。

そのため、費用一括払いの場合でも、弁護士に依頼してから個人再生申立てまでは、2か月ほどの期間がかかります。

分割払いの場合には、分割の期間によって異なります。分割の回数が6回であれば、6か月ほどの期間がかかるということです。

なお、過払金の返還請求をしなければならない場合やその他の問題がある場合には、上記以上の期間がかかる場合はあり得ます。

個人再生申立てから再生計画認可決定までの期間

個人再生の申立てから再生計画認可決定までの期間は、履行テスト(積立テスト)がどのくらいの期間に設定されているかによって異なります。

個人再生においては、再生計画認可後にちゃんと返済していけるのかどうかを審査するため、履行テストが行われることがあります(裁判所によっては履行テストを行わないこともあります。)。

具体的には、再生計画に基づく返済見込額と同額を、一定の方法で毎月積み立てていくというテストです。

例えば、東京地方裁判所の場合には、全件につき個人再生委員が選任されますので、この個人再生委員に対して毎月支払いをしていく形で履行テストが行われます。

他の裁判所では、個人再生委員に支払うのではなく、代理人弁護士に支払うか、または、自身で新しい預金口座等を開設してそこに積み立てていくなどの方法によって行われることもあります。

東京地裁の場合、履行テストは月1回ずつで計6回、つまり6か月間行われることが予定されています(毎月の積立額が少額の場合には、6回以上になることもあります。)。

他の裁判所の場合、3か月ほどのところもあります。

この履行可能性テストが終わった後で、裁判所により再生計画認可決定がされます。

そのため、個人再生申立てから再生計画認可決定まで、東京地裁であれば、少なくとも7か月ほどはかかることになります。

再生計画認可決定から決定確定までの期間

裁判所によって再生計画認可決定をしてもらえばすぐに認可の効力が発生するわけではありません。認可決定の効力が発生するのは、認可決定が「確定」したときです(民事再生法176条)。

再生計画認可決定の日から概ね2週間後くらいに、再生計画認可決定がされたことが官報公告されます。債権者などからの不服申し立てがされないまま公告日の翌日から2週間を経過すると、再生計画認可決定が確定します。

したがって、再生計画認可決定からその確定までの期間は、概ね1か月ほどということになります。

再生計画認可決定確定後の返済の期間

再生計画認可決定が確定すると、その後は、再生計画に基づいて返済をしていけばよいことになります。

個人再生の場合、返済の期間は原則3年間ですが、特別な事情がある場合には、返済期間を5年間まで延長することが可能です。

まとめ:期間は概ね1年~1年半

以上のとおり、弁護士に依頼してから再生計画認可までの期間は、弁護士費用の支払方法や各裁判所の運用(特に履行テストの期間)によって異なります。

弁護士費用は分割払いにすることが多いでしょう。そうすると、弁護士依頼から再生計画認可までの期間は、概ね1年~1年半ほどとなることが多いのではないでしょうか。

弁護士の探し方

上記のとおり、個人再生は長丁場です。弁護士に依頼するのであれば、長く付き合える弁護士・法律事務所を選択するのが望ましいことは間違いないでしょう。

とは言え、「個人再生をしたいけどどの弁護士に頼めばいいのか分からない」という人は多いのではないでしょうか。

現在では、多くの法律事務所が個人再生を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、個人再生を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。

しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。

債務整理の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。

そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。

ちなみに、個人再生の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。

他方、通常再生の場合は、対応できる事務所が限られてきます。小規模の事務所の場合には、対応が難しいこともあり得ます。その点からも、個人の債務整理では、通常再生ではなく、個人再生を選択した方がよいのです。

弁護士法人東京ロータス法律事務所
・相談無料(無料回数制限なし)
・全国対応・休日対応・メール相談可
・所在地:東京都台東区

弁護士法人ひばり法律事務所
・相談無料(無料回数制限なし)
・全国対応・依頼後の出張可
・所在地:東京都墨田区

レ・ナシオン法律事務所
・相談無料
・全国対応・メール相談可・LINE相談可
・所在地:東京都渋谷区

参考書籍

本サイトでも個人再生について解説していますが、より深く知りたい方のために、個人再生の参考書籍を紹介します。

個人再生の実務Q&A120問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
個人再生を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、個人再生実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。

個人再生の手引(第2版)
編著:鹿子木康 出版:判例タイムズ社
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官および裁判所書記官・弁護士らによる実務書。東京地裁の運用が中心ですが、地域にかかわらず参考になります。

破産・民事再生の実務(第4版)民事再生・個人再生編
編集:永谷典雄ほか 出版:きんざい
東京地裁民事20部(倒産部)の裁判官・裁判所書記官による実務書。東京地裁の運用を中心に、民事再生(通常再生)・個人再生の実務全般について解説されています。

はい6民です お答えします 倒産実務Q&A
編集:川畑正文ほか 出版:大阪弁護士協同組合
6民とは、大阪地裁第6民事部(倒産部)のことです。大阪地裁の破産・再生手続の運用について、Q&A形式でまとめられています。

書式 個人再生の実務(全訂6版)申立てから手続終了までの書式と理論
編集:個人再生実務研究会 出版:民事法研究会
東京地裁・大阪地裁の運用を中心に、個人再生の手続に必要となる各種書式を掲載しています。書式を通じて個人再生手続をイメージしやすくなります。

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