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小規模個人再生の再生計画に反対(不同意)する債権者はいるのか?

個人再生の画像
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小規模個人再生においては、再生債権者による決議が行われます。この決議において、再生債権者の頭数の半数以上が不同意とした場合、または、不同意とした再生債権者が有する債権額の合計額が総債権額の2分の1を超える場合には、再生手続は廃止により打ち切られてしまいます。

金融機関や貸金業者の場合、反対(不同意)する業者は多くありません。一部の業者に限られるでしょう。公的金融機関や信用保証協会なども、反対することは多くありませんが、審査の結果によっては不同意回答をすることもあるようです。

他方、金融機関等でない一般の債権者は、不同意回答をすることも珍しくありません

小規模個人再生における再生債権者による決議

個人再生は、裁判所に債務の減額等を定めた再生計画を認可してもらうことによって、その債務の減額等を法的に実現する裁判手続です。

この個人再生には、小規模個人再生給与所得者等再生の2種類の手続が設けられています。

小規模個人再生は、給与所得者等再生よりも返済総額を大きく減額できる場合が多いため、通常は小規模個人再生を選択することが大半です。

ただし、小規模個人再生には、その手続において、再生債権者が再生計画案について同意するか反対(不同意)するかを確認する決議が行われます。

この再生計画案の決議において、再生債権者の頭数の半数以上が不同意とした場合、または、不同意とした再生債権者が有する債権額の合計額が総債権額の2分の1を超える場合には、再生手続は廃止により打ち切られてしまいます。

したがって、小規模個人再生においては、債権者が同意してくれるか、反対(不同意)するのかどうかが、成否に直接に関わってくるのです。

小規模個人再生の決議に反対(不同意)する債権者

前記のとおり、小規模個人再生においては、どの債権者が反対(不同意)するのかどうかが、決定的に重要な問題となってきます。

金融機関債権者の場合

ただし、債権者が金融機関や貸金業者の場合、不同意回答が出されることはほとんどありません。不同意回答をすることが多い業者は、ごく一部の業者に限られます。

実際に不同意回答をした貸金業者としては、フクホー、アイフル、楽天カード、東京スター銀行などがあります(ただし、これらの貸金業者であっても、常に不同意回答をするとは限りません。また、方針転換によって不同意回答をしなくなることもあります。)。

もっとも、通常は不同意にしない業者であっても、借金の内容や債務額などによっては、不同意回答をすることがあります。例えば、以下のような場合です。

金融機関債権者が不同意回答をする可能性があるケース
  • 自社のみで否決できるだけの債権を有している場合(議決権総額の2分の1以上の額の債権を有している場合)
  • 1度も返済していない場合
  • 直近で高額の借入れをしている場合
  • 虚偽の収入・資産や借入総額を申告して借入れをした場合

また、公的金融機関や信用保証協会などは、常に不同意というわけではありませんが、常に同意するというわけでもなく、個別の審査結果によっては不同意回答をすることもあるようです。

金融機関ではない一般債権者の場合

金融系の業者に対して、金融系でない一般の債権者は、不同意回答をすることが珍しくありません。例えば、親族、知人、取引先などの債権者です。

したがって、これら一般債権者が含まれている場合には、注意が必要です。

反対(不同意)する債権者がいる場合の方策

前記のとおり、再生計画案の決議に対して不同意回答をする債権者は存在します。

したがって、そのような債権者が、頭数の半数以上、債権額合計額が総債権額の2分の1を超える場合には、小規模個人再生を選択すべきかどうかをよく考えなければなりません。

また、債権者の反対(不同意)により、小規模個人再生が失敗する見込みである場合または実際に失敗に終わってしまった場合には、他の債務整理手続を検討しなければなりません。

個人再生で進めていくのであれば、給与所得者等再生を使えないかどうかを検討することになります。

給与所得者等再生では、再生計画の決議は行われず、債権者の反対があっても、要件さえ満たしていれば認可を受けることができます。

ただし、給与所得者等再生の場合、前記のとおり、小規模個人再生よりも返済額が大きくなることがあります。

また、「給与所得者等」というくらいですから、小規模個人再生の場合よりも、より定期的で安定した収入が求められてきます。

給与所得者等再生の利用が難しい場合には、個人再生以外の債務整理である任意整理自己破産を検討することになるでしょう。

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