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破産手続における賃貸借契約の処理

破産手続開始時において賃貸借契約が存続している場合、破産管財人は、当該賃貸借契約を解除するか、または、破産者の債務を履行して契約の相手方に対して履行を請求するかを選択することができます。

破産手続における賃貸借契約の処理に関する記事一覧

破産手続における賃貸借契約の処理に関する記事一覧は、以下のとおりです。

なお、その他破産法に関する記事は、以下のページをご覧ください。

破産手続における賃貸借契約の処理に関する概要

破産法の画像

前記のとおり、破産手続開始時において賃貸借契約が存続している場合、破産管財人は、当該賃貸借契約を解除するか、または、破産者の債務を履行して契約の相手方に対して履行を請求するかを選択することができます。

賃貸借契約の処理については、賃借人(借主)が破産した場合と賃貸人(貸主)が破産した場合とでは、当然ですが、処理の仕方が大きく異なります。

賃借人が破産した場合、破産管財人が解除を選択したときは、賃貸借契約の目的物を賃貸人に返還しなければいけません。目的物が不動産であれば、賃借不動産の原状回復や動産などの残置物の撤去などが問題となります。

破産管財人が履行請求を選択した場合、破産管財人は破産者の債務を履行するとともに、賃貸人に目的物を使用収益させるよう請求することになります。ただし、最終的には、賃貸借契約を解約するか賃借物を換価処分して清算する必要があります。

他方、賃貸人が破産した場合、賃借人が賃借権について第三者対抗要件を備えているときは、破産法53条1項に基づく契約解除が制限されます。そのため、この場合、破産管財人は履行請求しか選択できません。ただし、民法に基づく解除や合意解除は可能です。

参考書籍

破産法を深く知りたい方やもっと詳しく勉強したい方のために、参考書籍を紹介します。

破産法・民事再生法(第5版)
著者:伊藤 眞 出版:有斐閣
倒産法研究の第一人者による定番の体系書。民事再生法と一体になっているので分量は多めですが、読みやすいです。難易度は高めですが、第一人者の著書であるため、信頼性は保証されています。
条解破産法(第3版)
著者:伊藤 眞ほか 出版:弘文堂
条文ごとに詳細な解説を掲載する逐条の注釈書。破産法の辞書と言ってよいでしょう。破産法の条文解釈に関して知りたいことは、ほとんどカバーできます。持っていて損はありません。金額面を除けば、誰にでもおすすめです。
破産・民事再生の実務(第4版)破産編
編集:永谷典雄ほか 出版:きんざい
東京地裁民事20部(倒産部)の現役裁判官による破産実務の解説書。東京地裁の破産事件を扱う実務家必携の本。実務家でなくても、実際の手続運用を知っておくと、破産法をイメージしやすくなるでしょう。

司法試験・予備試験など資格試験向けの参考書籍としては、以下のものがあります。

倒産法講義
著者:野村剛司ほか 出版:日本加除出版
こちらも法学大学院生や司法試験・予備試験受験生向けに書かれた教科書。著者が実務家であるため、実務的な観点が多く含まれていて、手続をイメージしやすいメリットがあります。
倒産法 (LEGAL QUEST)
著者:杉本和士ほか 出版:有斐閣
法科大学院生や司法試験・予備試験受験生向けに書かれた基本書・概説書。破産法だけでなく、倒産法全般について分かりやすくまとめられています。
倒産法(第3版)伊藤真試験対策講座15
著者:伊藤塾 出版:弘文堂
いわゆる予備校本。予備校本だけあって、実際の出題傾向に沿って内容が絞られており、分かりやすくまとまっています。学習のスタートは、予備校本から始めてもよいのではないでしょうか。

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