
クレサラ問題・債務整理において必ず知っておかなければならない「利息制限法」「貸金業法」「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)」の3つの法律のことを「貸金三法」と呼んでいます。
貸金三法とは
クレサラ問題解決・債務整理をするために、是非知っておかなければならない3つの法律があります。3つの法律とは、利息制限法・貸金業法・出資法の3つの法律です。この3つの法律を「貸金三法」と呼ぶことがあります。
これらの法律は、消費者と貸金業者との間の金銭消費貸借契約について、経済的な弱者である消費者を保護するために、利息や遅延損害金の利率の制限や取立ての方法の規制など貸金業者に対する各種の規制を定めています。
利息制限法
利息制限法とは,暴利から消費者を保護するために,貸金についての利息の利率を一定限度にまで制限するという法律です。
利息制限法の制限利率を超える利率の利息は無効です。仮に,これを超える利息の約定をしても,その制限超過部分は無効となり,支払ってしまった場合には,元本に充当されると解されています(最大判昭和39年11月18日)。
さらに,元本充当後も制限超過利息を支払い続けた場合,それは過払い金として返還を請求できます。
つまり,クレサラ業者からの借入れについての債務整理において必ず行われる引き直し計算(元本充当計算)や過払い金の根拠となるのが,この利息制限法なのです。
貸金業法
貸金業法とは,貸金業者の適正な運営を確保して国民経済の適切な運営を確保するために,貸金業者の組織運営や営業行為等を規制する法律です。
平成18年改正前の貸金業法(貸金業規制法)には,かつて,「みなし弁済」など問題のある規定があり,また,多くの不十分な点がありました。特にこのみなし弁済は,グレーゾーン金利を助長するという弊害を生じていました。
しかし,世論の批判を受け,平成18年改正によって,大幅に改善されました。現在では,規制も強化され,グレーゾーン金利も撤廃されています。
クレサラ問題の相手方は,貸金業者です。したがって,貸金業者が債権者となることが大半である個人の債務整理において非常に重要な法律であるといえます。
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)
「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律」という名称の法律があります。略して「出資法」と呼ばれます。
出資法は,さまざまな事項を規制していますが,借金についても重要な定めをしています。すなわち,借金につき,出資法で定める上限金利を超える利率の利息を請求したり,収受したりすると,この出資法によって刑罰を科されることになります。
利息制限法には罰則がないため,刑罰を定める出資法は,暴利を抑制するために非常に重要な意味を持っています。
この出資法も,かつては利息制限法の制限利率と上限金利が異なるためにグレーゾーン金利を生じさせるという重大な欠点を持っていましたが,大幅に改正され,現在では,グレーゾーン金利はほぼ撤廃されています。