この記事にはPR広告が含まれています。

債務整理に共通して行う債権調査とは?

債務整理2の画像
point

債務整理を行う場合には,自己破産・個人再生・任意整理のいずれでも,まずは債権調査を行います。債権調査とは,債権者は誰であるのか,債務額はいくらであるのか,債務の内容や担保・保証人の有無等を調査する手続のことです。

クレサラ業者からの借入れの場合には,取引履歴をもとに引き直し計算をして,利息制限法に則った正確な債務額を算出しなければならないこともあります。

債権調査とは

自己破産個人再生任意整理といった債務整理を行う場合、どの手続であっても、まずは「債権調査」の手続を行います。

この債権調査とはどのような手続かというと,誰が債権者であるのか,その債権者に対する債権が正確にはどのくらいあるのかなどを調べる手続のことをいいます。

自己破産や個人再生などの裁判手続の場合にも,裁判所・破産管財人などによって債権調査手続が行われますが,ここでは,それら裁判手続とは別個に,債務者の方からの依頼を受けた弁護士や司法書士が行う債権調査について説明します。

債権者の調査

まずは,誰が債権者なのかを調べます。どのように調査するのかというと,やはり第一には債務者からの聴き取りによって調査するということになるでしょう。

その聴き取りで発覚した債権者には,すぐに受任通知を送付します。場合によっては,債権者からの方から債権はもうないという回答が来る場合もありますし,すでに消滅時効にかかっているということもあります。

さらに,発覚している以外にも債権者がいないかどうかを調べます。クレジットカードや,送られてきた請求書,あるいは銀行口座等の履歴から判明することもあります。

しかし,詳細に聴き取りを行ってもなお,記憶がはっきりしないということは当然あります。そういう場合には,信用情報機関から信用情報を取り寄せてもらうことになります。

信用情報機関には,ある人が,どこから,いくらぐらい借入れをしているのかという信用情報が集積されています。

この信用情報は,本人であればすぐに取り寄せることができます。これによって,自分が誰から借入れをしているのかが,ある程度分かります。

そして,これらの調査の結果,債務者の方が把握している他にも債権者がいることが発覚した場合には,その債権者にも受任通知を送付します。

その他にも,借金を相続していないかとか,誰かの保証人になっていないかとかの調査も必要となります。売買代金や税金の未払がないかなども調べる必要があるでしょう。

取引履歴の開示と引き直し計算

通常は,受任通知と同時に取引履歴の開示を求めます。そして,債権者が貸金業者等であれば,その開示された取引履歴に基づいて「引き直し計算」を行います。

引き直し計算とは,今までの取引のすべてについて,利息制限法に従った利率に直して債務残高を計算し直すことをいいます。

利息制限法で定められた利率を超える利息は違法です。したがって,違法な利息をもとにした債権額は,正確な金額ではありません。

そこで,引き直し計算によって,正確な金額を調べる必要があるのです。この段階で過払い金があるのか否かも発覚することになります。

債権調査の必要性

債権調査は,債務整理に必須の作業です。正確な債権額がわからなければ,正確な債務整理はできないからです。

債務整理が終了した後になって,実は調査しきれていなかった借金があることが判明してしまうと,それまでの債務整理計画がまったく無になってしまうおそれがあります。

任意整理であれば,毎月支払えるぎりぎりの金額で交渉をして分割払いを始めたところ,他にも債権者がいるということになれば,もう一度交渉をやり直さなければなりません。

自己破産や個人再生であれば,せっかく借金の全部または一部を支払わなくてよいことにしてもらったのに,後から判明した債権者には支払いを続けなくてはならないことにもなってしまいます。

さらに,自己破産や個人再生では,すべての債権者を申告することが手続の前提となります。

しかも,これらの手続においては,債権者漏れは免責不許可事由となったり,再生計画が認可されないことになるなど,手続上大きな不利益を被る危険性があるのです。

一部の借金だけ整理しても,他に借金があるのでは意味がありません。正確な金額が分かってこそ,生活を立て直すのに万全な債務整理の計画を立てることが可能になるのです。

どうせ債務整理するならば,すべての債務を整理してしまったほうが良いに決まっています。正確な債権額を調査することは,生活を立て直すことにつながるのです。

タイトルとURLをコピーしました