相続の記事一覧
民法第五編には「相続」が規定されています。相続とは、被相続人が死亡した場合に,その被相続人の権利義務を相続人に包括的に承継させる法制度です。
相続の記事一覧は、以下のとおりです。
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- 遺産分割の対象となる財産の価額はどのように評価するのか?
- 金銭その他の可分債権は遺産分割の対象になるのか?
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- 相続財産の果実は遺産分割の対象となるか?
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- 社債は遺産分割の対象となるのか?
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- 遺産分割の効力(記事一覧)
- 遺産分割の方法(記事一覧)
- 遺産分割の手続(記事一覧)
なお、その他民法に関する記事は、以下のページをご覧ください.
相続の概要
前記のとおり、民法第五編は「相続」です。相続とは、被相続人が死亡した場合に,その被相続人の権利義務を相続人に包括的に承継させる法制度です。
相続は、被相続人が死亡した時から開始されます。相続が開始されると、被相続人が有していた一切の権利義務が相続人に包括的に承継されます。
被相続人とは、遺産を遺して亡くなった人のことです。他方、相続を受ける側の人は、相続人(法定相続人)と言います。
誰が法定相続人となるかは、民法によって決められています。法定相続人となるのは、配偶者・子・直系尊属・兄弟姉妹です。配偶者は常に相続人となり、子・直系尊属・兄弟姉妹は優先順位が定められています。
この法定相続人に承継される被相続人の遺した一切の権利義務のことを相続財産といいます。一切の権利義務ですから、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。ただし、被相続人の一身に専属する権利義務は承継されません。
法定相続人が複数人いる場合に、それぞれの法定相続人が相続財産を受け取れる割合のことを相続分といいます。相続分は遺言で指定できます(指定相続分)。また、民法では、基本的な相続分の割合を定めています(法定相続分)。
法定相続人が複数人いる場合、相続が開始されると、相続財産は、原則として共同相続人間で共有となります。この共有状態を解消して、それぞれの相続財産の帰属を確定させるためには、遺産分割をする必要があります。
相続人は、相続をするかしないかの選択権を有しています。相続する場合を相続の承認と言い、相続しない場合を相続放棄と言います。
相続の承認には、留保なしで受け入れる単純承認と、「相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して」する限定承認があります。また、法律で定められた事由が発生した場合、当然に単純承認したものとみなす制度(法定単純承認)があります。
相続財産を残す側の人(被相続人となる人)は、遺言をすることができます。法定の方式に従って遺言を作成すると法的な効力を生じます。遺言を残しておけば、自分の意思を相続に反映させることができるということです。
ただし、兄弟姉妹を除く法定相続人には、遺言によっても奪うことができない最低限度の取分である遺留分が保障されています。遺留分を侵害された場合、その相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。