親等（しんとう）とは？数え方（計算方法）もわかりやすく解説

この記事は、法トリ（元弁護士）が書いています。

親等（しんとう）とは？

民法 第725条

• 次に掲げる者は、親族とする。
• 第1号　6親等内の血族
• 第2号　配偶者
• 第3号　3親等内の姻族

親族間の関係を表す用語として「親等（しんとう）」があります。親等とは、親族関係の遠近を表す単位です。ある人とある人との間の，親族としての関係の距離を測る意味を持っています。

数字が小さいほど関係性が近く、数字が大きいほど関係性が遠くなります。最も近い関係にある親族の場合は1親等，その次が2親等，以下3親等，4親等，5親等・・・と続いていきます。

民法上，親族とは6親等内の血族・配偶者・３親等内の姻族のことをいいます。親等は、この法律上の親族といえるかどうかを図る基準となります。

また，相続人が直系尊属である場合には，親等が近い順に相続人となる順位が決まりますから，親等は相続においても問題となってきます。

その他、法制度を利用できる人が一定の親等内の親族に限られている場合もあります。例えば、成年後見開始審判の申立ては、本人や配偶者のほか、親族がする場合には4親等内の親族に限られています（民法7条）。

親等の数え方（親等の計算）

民法 第726条

• 第1項　親等は、親族間の世代数を数えて、これを定める。
• 第2項　傍系親族の親等を定めるには、その一人又はその配偶者から同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数による。

親等は，上記のとおり，関係性の近い順に数えていくことになります。もっとも，一般的な感覚とは少し違う部分もあります。

例えば，兄弟姉妹は，一般的な感覚からすると一番近いので1親等と考えてしまいがちですが，実際には2親等です。

親等の数え方は、世代で数えます。傍系の場合は、いったん同一の始祖までさかのぼってから数えていきます。考え方としては，「横」に数えるのではなく「縦」に数えるというイメージ，と言った方が分かりやすいかもしれません。

血族の親等

血族は，血縁関係のある人のことです。

前記のとおり，親等は世代を「縦」に数えるイメージですから，1親等は，自分の1つ上の世代＝父母と，自分の1つ下の世代＝子ということになります。

2親等は，直系親族の場合、自分の2つ上の世代＝祖父母，自分の２つ下の世代＝孫です。

傍系親族の場合は、いったん同一の始祖までさかのぼって数えます。例えば、兄弟姉妹は2親等です。これは、同一の始祖である父母の子と考えます。つまり、1回上にあがって、1回下にさがるイメージです。2段階を経るので2親等ということになります。

3親等は、3つ上の世代＝曾祖父母，3つ下の世代＝曾孫のほか、同一の始祖である祖父母の1つ下の人＝おじ・おばも3親等になります。また、2親等である兄弟姉妹の子＝甥姪も3親等ということになります。

さらに，4親等の場合は、4つ上の世代＝高祖父母，4つ下の世代＝玄孫，同一の始祖である曾祖父母の1つ下の人＝祖父母の兄弟姉妹、3親等であるおじ・おばの子＝いとこ、兄弟姉妹の孫などです。

同じように，5親等，6親等と数えていくことになります。

姻族の親等

姻族は，配偶者の血族です。姻族の親等は，自分ではなく，配偶者を基準として親等を数えます。数え方は，親族の場合と同様です。

例えば，配偶者の父母は1親等、配偶者の祖父母は2親等、配偶者の兄弟姉妹も2親等です。

また、血族の配偶者は、その血族と同じ親等の姻族となります。例えば，2親等である自分の兄弟姉妹の配偶者は2親等の姻族となりますし，3親等である自分のいとこの配偶者は４親等の姻族となるということです。

配偶者の親等

自分の配偶者には親等はありません。いってみれば，0（ゼロ）親等です。また、配偶者は、血族でも姻族でもありません。親族のうちでも特別な身分なのです。

民法と資格試験

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参考書籍

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