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個人再生の申立て(申請)とはどのような手続なのか?

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

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個人再生の手続を開始してもらうためには、(個人)再生手続開始の申立て(申請)を行う必要があります。この個人再生の申立ては、管轄の地方裁判所に対し、再生手続開始の申立書を提出する方式によって行います。

個人再生の申立て(申請)とは

個人再生によって債務の減額などをしてもらうためには、裁判所に個人再生手続を開始してもらわなければなりません。

個人再生の手続は、借金などの債務について支払不能になるおそれのある場合などでなければすることができませんが、そのような状態になれば、自動的に個人再生手続が開始されるものでもありません。

個人再生手続を開始してもらうためには、個人再生手続を開始してもよいかどうかの裁判(再生手続開始決定)をしてもらうための手続をとる必要があります。それが、個人再生の申立ての手続です。

個人再生の申立ては、個人再生の申請と言われることもあります。正確に言うと「再生手続開始の申立て」と呼ばれる手続です。

個人再生の申立て(申請)の方式

前記のとおり、個人再生手続を開始してもらうためには、個人再生の申立てをする必要があります。

個人再生には、小規模個人再生給与所得者等再生の2種類の手続がありますが、いずれであっても、再生手続開始の申立てをする必要があります。

個人再生の申立て(再生手続開始の申立て)は、民事再生法で定められた管轄の地方裁判所に対してすることになります。

個人再生事件の管轄は、申立人債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。

例えば、神奈川県横浜市在住の方が個人再生を申し立てるとすれば、横浜地方裁判所に申立てをすることになります。

この個人再生の申立ては、書面を提出する方法によって行います。この書面のことを「再生手続開始の申立書」といいます。申立書の書式は、各裁判所・弁護士会のサイトや書籍などからも入手することが可能です。

どの再生手続を選択するかの特定

前記のとおり、個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生があります。

また、そもそも、個人再生は、民事再生手続を個人が利用しやすいように手続を簡素化した特別類型です。個人債務者は、この個人再生ではない民事再生手続(通常再生)を利用することも可能です。

つまり、個人債務者は、通常再生、小規模個人再生、給与所得者等再生という3つの再生手続を選択することができるわけです。

これらのいずれを選択するかは、個人再生申立ての際に決めておく必要があります。そして、そのうちのどれかを選んで個人再生の申立てをする必要があります。

小規模個人再生を選択する場合の申立て

小規模個人再生を利用する場合には、再生手続開始の申立てにおいて、小規模個人再生の手続開始決定を求める旨を申述しなければいけません。

また、小規模個人再生の申立てにおいては、小規模個人再生の開始要件を満たさないと判断された場合に個人再生ではない通常の民事再生の開始を求めるかどうかの意思を明らかにしなければならないとされています(民事再生法221条6項)。

申立てにおいて通常再生を求めない旨を明らかにしないまま、再生手続開始要件を満たしていないとして個人再生の申立てが却下または棄却された場合、そのまま手続は終了です。

他方、申立てにおいて通常再生を求める旨を明らかにしていた場合に、個人再生の開始要件は満たしていないものの通常再生の開始要件を満たしているときは、小規模個人再生ではなく、通常再生の手続が開始されます。

給与所得者等再生を選択する場合の申立て

給与所得者等再生の場合には、給与所得者等再生の手続開始決定を求める旨を申述することになります。

また、給与所得者等再生の申立てにおいても、給与所得者等再生の開始要件を満たさない場合に、通常再生手続の開始または小規模個人再生の開始を求めるかどうかについて明らかにしなければならないとされています(民事再生法239条3項)。

申立てにおいて通常再生および小規模個人再生を求めない旨を明らかにしないまま、再生手続開始要件を満たしていないとして給与所得者等再生の申立てが却下または棄却されたときは、そのまま手続は終了です。

他方、申立てにおいて通常再生または小規模個人再生を求める旨を明らかにしていた場合、給与所得者等再生の開始要件は満たしていないものの通常再生の開始要件または小規模個人再生の開始要件を満たしているときは、給与所得者等再生ではなく、通常再生または小規模個人再生の手続が開始されます。

実際の運用

前記のとおり、個人再生の申立てにおいては、再生手続開始要件を満たしていなかった場合に備えて、他の再生手続の開始を求める意思を申述できます。

もっとも、個人再生を申し立てる場合には、通常再生を望んいでいないのが通常ですし、給与所得者等再生を申し立てる場合には、事前に検討した上であえて給与所得者等再生を選択しており、小規模個人再生開始を望んでいないのが通常です。

万が一、申立てが却下または棄却されても、あらためて検討して別の再生手続または別の債務整理手続を行えばよいだけです。

そこで、東京地方裁判所などの申立書書式では、小規模個人再生の申立書にも、給与所得者等再生の申立書にも、別の再生手続開始を求めない旨があらかじめ印字されています。

個人再生の申立てから再生手続開始決定までの手続

個人再生の申立てをすれば、個人再生の手続を必ず開始してもらえるわけではありません。再生手続開始の要件を満たしている必要があります。この要件を充たしていなければ、申立ては却下または棄却されます。

個人再生の申立てを受理した裁判所は、申立書の記載や添付書類などから個人再生の開始要件を満たしているかどうかを審査します。

個人再生委員が選任されている場合は、個人再生委員が再生債務者と面談を行うなどして再生手続開始要件を満たしているかどうかを調査し、その結果と意見を裁判所に報告します。

裁判所が再生手続開始の要件を満たしていると判断した場合、再生手続開始決定がされ、個人再生手続が開始されます。他方、要件を満たしていないと判断した場合には、再生手続開始の申立ては却下または棄却されます。

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