この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
- Q債務整理の方法にはどのような手続がある?
- A
債務整理には、主として任意整理・自己破産・個人再生の3つの手続があります。また、状況によっては、過払い金返還請求・消滅時効の援用・相続放棄・限定承認・特定調停の手続を利用して債務整理する場合もあります。
この記事では、債務整理の8種類の方法について詳しく説明します。
- 任意整理のメリット・デメリットや条件・向いている人
- 自己破産のメリット・デメリットや条件・向いている人
- 個人再生のメリット・デメリットや条件・向いている人
- 任意整理・自己破産・個人再生の比較(一覧表)
- 過払い金返還請求・消滅時効の援用・相続放棄・限定承認を使えるケース

債務整理とは
借金の返済で困っている場合、借り換えやおまとめローンでとりあえず対処できることもありますが、根本的に解決したいならば「債務整理」をするのが一番効果的でしょう。
債務整理とは、借金返済の問題を法的に解決することを意味します。
この債務整理には、さまざまな方法があります。代表的な方法は、任意整理・自己破産・個人再生の3つです。
また、この主要3手続以外にも、債務整理に利用できる法的手段として、過払い金返還請求、消滅時効の援用、相続放棄・限定承認、特定調停もあります。
以下では、それぞれの方法を詳しく説明します。
任意整理
任意整理とは、弁護士が借金を負担している人(債務者)に代わって、消費者金融やクレジットカード会社などの貸主(債権者)と交渉して、負担の小さい返済条件に変更してもらう手続です。
債務整理の中で最も多くの人が利用している手続です。
任意整理による借金返済の軽減効果
任意整理では、以下の返済条件の変更を求めて債権者と交渉することになります。
- 長期の分割払い
- 利息のカット
長期分割払いに成功すれば、毎月の返済額を減らせます。利息のカットもできれば、返済総額の軽減も可能です。
例えば、
A社・B社・C社から借金しており、毎月の返済額合計は20万円
生活費を除くと月々5万円返済するのがやっとの状態の場合
任意整理で、A・B・Cと交渉し、
A社を月2万円、B社を月2万円、C社を月1万円の返済・将来の利息はなし
月々5万円の範囲内での支払いに収まるように調整
ただし、利息の全面的カットに応じる債権者は少ないです。また、借金の元本を減額できるケースはほとんどありません。
そのため、任意整理の効果は、毎月の返済額を減額できる程度にとどまることが多いでしょう。


任意整理のメリット・デメリット
任意整理は、裁判所を介しない方法であるため、自己破産や個人再生よりも制限やデメリットが少ないのが特徴です。
- 毎月の借金返済額を減らせる
- 複雑な利用条件がない
- 弁護士に依頼すると返済がいったんストップになり、貸金業者や債権回収会社などから直接取り立てされることもなくなる
- 保証人の付いている借金や自動車ローンだけ外すなど、対象とする債権者を選べる
- 裁判所の手続ではないので、多くの書類を作成・収集したり、裁判所に出頭する必要がない
- 財産を処分しなくてよい
- 公的資格を使った仕事を中断しなくてよい
- 転居や長期の海外旅行なども制限されない
- 自己破産や個人再生と違って、官報に名前が載ることもない
- 信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載され、完済から5年間は、借金・ローン・クレジットカードの利用が非常に難しくなる
- 借金総額を減らすのは難しい
- 返済額が高額になることがある
- 強制力がないため、話に応じない債権者は任意整理できない


最初に検討するのは任意整理
債務整理する場合、どの方法を選択するかは難しい問題ですが、特別な場合を除いてまず最初に検討すべきは任意整理でしょう。
任意整理は、借金返済可能な収入があれば利用でき、自己破産や個人再生に比べて制限やデメリットが少ないからです。
任意整理できる人・向いている人
任意整理には法定の決まった利用条件(要件)があるわけではないですが、少なくとも、借金を3年間36回~5年間60回払いで返済していけるだけの余剰収入がないと利用できません。
任意整理に向いている人は、以下のような人です。
- 借金総額を36~60で割った金額を毎月返済しても、生活を圧迫しない収入・経済的状況にある
- 処分できない財産がある
- 公的資格を使って仕事をしているので、資格を制限されると困る
- 重大な免責不許可事由があるなど、自己破産しても免責が認められない可能性が高い
- 家族や周囲に知られる可能性を少しでも減らしたい
ただし、あまりギリギリの収入だと、任意整理してもいずれ返済できなくなってしまうケースが多いので、慎重に判断しましょう。
自己破産
自己破産とは、裁判所から免責許可決定を受けることにより、借金全額の返済を免除(免責)してもらう裁判手続です。
毎年7万人近くが申立てをしています。決して特別な手続ではありません。
自己破産のメリット・デメリット
自己破産は、制限やデメリットも多いものの、借金全額を帳消しにできる強力なメリットがあります。
- 借金がすべてなくなる
- 弁護士に依頼すると返済がいったんストップになり、貸金業者や債権回収会社などから直接取り立てされることもなくなる
- 裁判所の手続(破産手続)が開始されると、取立てだけでなく、訴訟や強制執行をされることもなくなる
- 信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載され、免責許可から5年間(または、破産手続開始から7年間)は、借金・ローン・クレジットカードの利用が非常に難しくなる
- 一定の財産の処分が必要(ただし、生活に最低限必要となる財産は残せる)
- 免責が許可されるまで、一定の公的資格が利用できなくなる(選挙権は制限されない)
- 破産手続が終わるまで、転居や長期海外旅行などに裁判所の許可が必要となる
- 破産手続が終わるまで、郵便物が裁判所の選任した破産管財人に転送され、中をチェックされる
- ギャンブルや浪費で借金を増やしたり、家族にだけ返済したなど、破産法で定める免責不許可事由がある場合、免責が許可されないケースがある(ただし、裁判所の裁量により免責が許可されることはかなり多い)
- 自己破産したことが氏名・住所などとともに官報に掲載される
これらのデメリットを被ってもさほど不利益は生じない場合、例えば、処分すべき財産がないとか、資格を使った仕事はしていないとかなどの場合には、自己破産は最も強力な債務整理手続になるでしょう。


自己破産に対する誤解
上記のとおり、自己破産には制限やデメリットがあります。ただし、誤った情報がインターネットなどで広まっていることもあるので、正しい情報の確認が必要です。
- すべての財産を処分しなければならないわけではありません。
- 居住制限・郵便物の転送も破産手続の期間中だけです。
- 免責が許可されれば、資格制限は解除されます。
- 免責が許可されれば、市町村役場への通知もなされません。
- 選挙権が制限されることもありません。
- ギャンブルなどで借金を増やしてしまった場合、たしかに免責不許可事由には当たりますが、絶対に免責されないわけでもありません。
デメリットを考慮するとしても,間違ったデメリットまで鵜呑みにしてしまうことはよくありません。正確な知識に基づいて検討すべきです。
自己破産の手続の種類
自己破産には、裁判所によって破産管財人が選任される場合(管財手続)と選任されない場合(同時廃止手続)があります。管財手続が原則、同時廃止が例外です。
管財手続と同時廃止手続には、以下のような違いがあります。
| 比較項目 | 管財手続 | 同時廃止手続 |
|---|---|---|
| 破産管財人の選任 | あり | なし |
| 財産の調査や換価処分 | あり | なし |
| 公的資格の利用の制限 | あり | あり |
| 居住制限 | あり | なし |
| 郵便物の転送 | あり | なし |
| 手続の期間 | 3~4か月 | 2~3か月 |
| 手続の費用 | 22万円以上 | 2万円前後 |
同時廃止の場合、破産管財人が選任されず、開始と同時に打ち切りになるため、手続の手間も費用の負担もかなり小さいです。
ただし、どちらになるかは裁判所が決めるので、自分で選べるわけではありません。
自己破産を検討する順序
任意整理・自己破産・個人再生のうち、まず最初に検討するのは任意整理ですが、その次に検討するのは自己破産です。
自己破産はデメリットが多いものの、借金全額を帳消しにできる強力なメリットがあります。
処分すべき財産や公的資格の利用がないなど、自己破産しても大きなデメリットがない場合は、個人再生よりも自己破産の方がメリットが大きいです。
そのため、任意整理が難しいケースでは、個人再生の前に自己破産を検討した方がよいでしょう。
自己破産できる人・向いている人
自己破産で裁判所に免責を許可してもらうには、以下の条件(要件)が必要です。
自己破産に向いているのは、以下のような人です。
- すでに借金で借金を返す自転車操業のような状態になっている
- 借金総額が大きく、任意整理では返済していけない
- 条件を満たしていないので、個人再生を利用できない
- 処分されるほどの財産を持っていない
- 公的資格を使った仕事をしていない
- 裁判所に免責を許可してもらえないほどの重大な免責不許可事由がない
個人再生(個人民事再生)
個人再生とは、裁判所から再生計画認可決定を受けることにより、財産を処分せずに、借金の大幅な減額や分割払いへの変更ができる裁判手続です。個人民事再生とも呼ばれます。
任意整理や自己破産よりも条件が厳しいため利用者は少ないですが、債務整理の方法として非常に有効な手続です。
個人再生のメリット・デメリット
個人再生には、財産を処分せずに借金の大幅な減額が可能であるため、債務整理の方法として非常に有効です。
しかし、利用条件が厳格で、手続も複雑なため、利用できる人が限られます。
- 借金を大幅に減額(一般的には5分の1、最大で10分の1)できる可能性がある
- 弁護士に依頼すると返済がいったんストップになり、貸金業者や債権回収会社などから直接取り立てされることもなくなる
- 裁判所の手続(再生手続)が開始されると、給料差押えなどの強制執行や住宅の競売を停止または取り消してもらえる
- 財産を処分せずに済む
- 住宅資金特別条項の利用が認められると、住宅ローンの残っている自宅を維持したまま、他の借金を整理できる
- 公的資格を使った仕事を中断しなくて済む
- 転居・長期海外旅行も制限されない
- 郵便物の転送も行われない
- ギャンブルや浪費による借金などの事由(自己破産の免責不許可事由)があっても利用できる
- 信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載され、完済から5年間(または、再生手続開始から7年間)は、借金・ローン・クレジットカードの利用が非常に難しくなる
- 利用条件(要件)が複雑かつ厳格(例えば、一定の継続的な収入が必要など)
- 手続が複雑な上、申し立てた人が自分で進める必要がある(弁護士に依頼している場合は、弁護士が行ってもらえる)
- 小規模個人再生の場合、債権者の意向によって手続が上手くいかないケースがある
- 自己破産したことが氏名・住所などとともに官報に掲載される


個人再生の手続の種類
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類の手続があります。小規模個人再生が原則的手続で、給与所得者等再生が特別手続になります。
この小規模個人再生と給与所得者等再生には、以下のような違いがあります。
小規模個人再生の方が条件が緩和されており、しかも大きく減額できる可能性があるため、先に検討するのが通常です。
ただし、小規模個人再生では、債権者の一定数以上が反対(不同意)すると、手続が打ち切られてしまいます。
そのため、債権者の一定数以上の不同意が見込まれる場合は、給与所得者等再生を検討することになります(これ以外の理由で給与所得者等再生を選択するメリットはありません。)。
個人再生を検討する順序
任意整理・自己破産と検討したら、最後に個人再生を検討します。
この順番はあくまで一般論です。住宅ローンの残っている自宅を処分したい場合などは、最初から個人再生を検討するケースもあります。
個人再生を検討する場合、まずは小規模個人再生から検討します。債権者から一定数以上の不同意が見込まれる場合に給与所得者等再生を検討しましょう。
なお、個人再生も難しい場合は、ある程度のデメリットも覚悟の上で、自己破産(免責不許可の可能性が高い場合は任意整理)を選ばなければならないでしょう。
個人再生できる人・向いている人
前記のとおり、個人再生は、任意整理や自己破産よりも要件が厳しいです。利用できる人が限られてきます。
そのため、個人再生に向いている人は、限定されてきます。
- 借金総額が利息や遅延損害金(延滞金)を含めても5000万円を超えていない
- 客観的に判断して、返済できるだけの十分な継続的・反復した収入がある(給与所得者等再生の場合は、さらに定期的な収入であることも必要)
- その他個人再生の要件をクリアしている
- 借金総額が大きく、任意整理では返済していけない
- 重大な免責不許可事由があるため、自己破産しても免責が許可されない可能性が高い
- 処分できない財産がある
- 住宅ローンの残っている自宅を維持したい
- 公的資格を使った仕事をしている
個人再生をする場合は、要件を満たしているかどうかの確認が必要です。弁護士に相談することをお勧めします。
任意整理・自己破産・個人再生の比較
債務整理の主要3手続(任意整理・自己破産・個人再生)の主な違いをまとめると、以下のとおりです。
| 比較項目 | 任意整理 | 自己破産 | 個人再生 |
|---|---|---|---|
| 根拠法 | 民法 | 破産法 | 民事再生法 |
| 裁判所の関与 | なし | あり | あり |
| 強制力の有無 | なし | あり | あり |
| 借金の減免 | 毎月の返済額の減額 | 借金総額の大幅な減額が可能 | 借金全額の帳消し(免責) |
| 利用条件 | 緩やか | やや厳格 | 複雑・厳格 |
| 対象の選択 | 可能 | 不可 | 不可 |
| 手続の手間 | ほとんどなし | やや手間がかかる | かなり複雑 |
| ブラックリスト期間 | 完済から5年 | 免責許可から5年または破産手続開始から7年 | 完済から5年または再生手続開始から7年 |
| 財産の処分 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 公的資格の制限 | なし | あり | なし |
| 居住制限 | なし | あり | なし |
| 郵便物の転送 | なし | あり | なし |
| 借金の原因による影響 | なし | あり(免責不許可事由になる) | なし |
| 官報公告 | なし | あり | あり |
過払金返還請求
債務整理に利用できる方法として、過払い金返還請求があります。
過払い金を返してもらえれば、対象の借金はなくなる上、他の返済や生活費に充てるなどして、債務整理の大きな助けになります。
過払い金返還請求できるケース
過払い金とは、利息制限法に違反する利息を借金の元本に充てることにより借金が完済になった場合に、その完済以降も知らずに支払い続けていたお金です。
現在では、利息制限法に違反する貸金業者はほとんど存在しないため、過払い金が発生するのは、20年以上前から貸し借りの取引を繰り返していたケースに限られます。
また、20年以上前から取引をしていたとしても、最後に返済した時から10年以上経過している場合、消滅時効によって過払い金の返還を請求できません。
そのため、過払い金返還請求できるケースはかなり少ないでしょう。
過払い金返還請求のメリット・デメリット
過払い金返還請求できる場合、対象となる借金は完済扱いです。
この過払い金返還請求にはメリットしかないと言ってよいでしょう。ブラックリストに登録されるなどのデメリットもありません。
ただし、自己破産や個人再生をする予定であるにもかかわらず、先に過払金返還請求だけしてしまうと、後に本当に自己破産や個人再生をしたときに、否認権や不利益な財産処分などの問題が生じてしまう可能性がある点には注意が必要です。
消滅時効の援用
消滅時効とは、一定期間の経過により、権利を消滅させる制度です。この消滅時効を主張することを「消滅時効の援用」といいます。
お金を貸して返済をしてもらう権利(貸金請求権)も、時効で消滅します。貸金請求権が消滅すれば、借りた人は借金を返さなくてよくなるため、債務整理の方法のひとつとしてよく利用されます。
消滅時効の援用ができるケース
借金がすでに消滅時効期間を過ぎていれば、時効の援用が可能です。貸金業者やクレジットカード会社などからの借金は、「最終の取引の時から5年」が過ぎれば消滅時効を援用できます。
ただし、以下のような事情がある場合、時効期間が延長される(時効の更新)ので、注意が必要です。
- 借金返済を求める訴訟を起こされ、判決が確定している場合
- 債権者に返済の猶予を求めた場合
- 一部だけでも返済してしまった場合
時効期間が経過していないのに援用の通知をしてしまうと、藪蛇になって取立てが再会することもあるので、確認は必須です。
時効の期間や更新に不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談してから進めましょう。
消滅時効の援用のメリット・デメリット
消滅時効を援用できれば、借金は完全になくなります。
援用の手続も、援用する旨の通知(配達証明を付けた内容証明郵便で通知書を郵送して通知することをお勧めします。)をするだけなので、手間もかかりません。
消滅時効の援用も完済扱いになるので、ブラックリストに登録される心配もありません。消滅時効の援用も、メリットしかないと言ってよいでしょう。
相続放棄
相続放棄とは、相続しない旨の意思表示です。家庭裁判所に相続放棄を申述することによって、遺産(相続財産)を一切受け継がないことにできます。
亡くなった人(被相続人)が借金を負っていると、その借金は相続財産として相続人に引き継がれてしまいます。
相続放棄すれば、借金を引き継ぐことを防げるため、債務整理の方法のひとつに数えられています。
相続放棄を利用できるケース
相続放棄を債務整理に利用できるのは、借金を相続してしまった場合です。あくまで、相続で引き継いだ借金を整理する場合に利用できる手続です。
なお、相続放棄できるのは、相続の開始を知った時から3か月以内です。
この期間は家庭裁判所に申請すれば延長できますが、相続放棄する場合は、早めに行動することが大切です。
相続放棄のメリット・デメリット
相続放棄を家庭裁判所に受理してもらえれば、借金を相続しないで済みます。
相続放棄には家庭裁判所の手続が必要ですが、手続自体は難しくないため、デメリットと言えるほどのものではありません。
ただし、相続放棄をすると、借金や負債だけでなく、プラスの財産(資産)も受け継ぐことができなくなる点には注意が必要です。
なお、相続放棄によってそもそも借金を引き継がないので、ブラックリストに登録されることもありません。
限定承認
借金を相続した場合に使える手段として、相続放棄の他に限定承認もあります。
限定承認とは、「相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して」相続の承認をすることをいいます
限定承認の利用件数はかなり少ないため、債務整理として利用されることはほとんどないと思われますが、利用可能な方法であることは確かです。
限定承認は、相続放棄に比べてかなり手続が複雑であるため、もし利用する場合は、弁護士に相談した方がよいでしょう。
なお、限定承認も、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
特定調停
特定調停とは、裁判所が選任した調停委員に間に入ってもらって債権者と返済条件について交渉する裁判手続です。
話し合いで解決する手続であるため、任意整理に似た債務整理方法です。
特定調停できるケース
特定調停も返済していく方法であるため、返済可能な収入のあることが必要です。
特定調停も3年の返済計画が基本となるので、任意整理と同様、借金総額を36で割った金額を毎月返済していけるかどうかが選択基準になります。
特定調停のメリット・デメリット
特定調停のメリット・デメリットは、任意整理とほとんど同じです。
特定調停は、弁護士や司法書士に依頼せずに自分で行うことが多いと思われます。自分で行う場合は、弁護士や司法書士費用もかからないので、費用面でのメリットもあります。
ただし、特定調停の申立てのための書類作成・収集や、平日の日中に裁判所へ出頭することなどが必要です。
特定調停の実際
特定調停の利用件数は、年間2,000件ほどです。任意整理に比べると利用件数はかなり低いです。
その上、調停が成立に至ったケースは2,000件中300件~400件程度と、かなり低い成立率になっています。
主要な3つの債務整理に共通する手続
任意整理・自己破産・個人再生の主要な債務整理手続を行うには、借金を調べて、金額を確定させなければなりません。
また、特に自己破産や個人再生では、財産の調査その他利用条件(要件)を満たしているのかどうかの詳細な調査や申立書など各種書類の作成・準備も必要です。
以下では、任意整理・自己破産・個人再生を弁護士に依頼した場合に共通して行われる手続について説明します。
弁護士への相談・依頼
借金返済で困った場合は、弁護士に相談しましょう。どの手続をがベストなのかを選択できるでしょう。弁護士に債務整理を依頼する場合、弁護士との間で委任契約を締結します。
返済の停止
弁護士に債務整理を依頼したら、返済はストップします。依頼後も貸し借りをすると、借金額が定まりません。借金額を確定させるため返済は一時停止させるのです。
受任通知の送付と取立ての停止
弁護士が債権者に債務整理を開始する旨の通知書(受任通知)を送ります。受任通知には、貸金業者や債権回らの直接取立てを禁じる効果があるので、返済を止めても取立てを受けずに済みます。
弁護士費用の分割払いや手続準備の開始
返済・取立てが止まっている間に、弁護士費用の分割払いをするのが一般的でしょう。また、生活に落ち着きが戻るので、債務整理の準備も安心して進められます。
取引履歴の開示と引き直し計算
受任通知の送付とともに、契約から現在までの全取引を記録した取引履歴を債権者から開示してもらいます。これをもとに全取引を利息制限法に従った利息に直して、正確な借金額を計算(引き直し計算)します。
過払い金返還請求
引き直し計算によって過払い金が判明した場合は、貸金業者に過払い金の返還を請求します。返還されたお金は、弁護士費用に充てることができます。
各債務整理手続ごとの準備
借金や過払い金の調査と並行して、それぞれの債務整理のために必要な準備を進めていきます。
どの債務整理手続を選べばよいか
債務整理の方法を選ぶ場合、消滅時効の援用や相続放棄・限定承認だけで借金返済の問題を解決できるのであれば、それらを選ぶべきです。デメリットがないからです。
もっとも、消滅時効の援用や相続放棄などは、使えるケースが限られます。一般的な債務整理の場合には、任意整理→自己破産→個人再生(小規模個人再生→給与所得者等再生)の順で検討していくことになります。
とはいえ、それぞれの債務整理方法の特徴・条件・メリット・デメリットまで考えて選ぶには、かなりの専門的な知識が必要です。自分ひとりで調べながら選んだ場合、間違った選択をしてしまう可能性もあります。
最適な債務整理方法を選ぶには、やはり弁護士に相談した方がよいでしょう。
債務整理と借り換え・おまとめローンはどちらが良い?
借金返済の負担を軽減するために、借り換えやおまとめローンが利用されることもあります。
借り換えとは、今借りている業者とは別の金融機関から借入れをして、その借金で今の借金を返済する方法です。複数の借金をひとつの金融機関で借り入れて、返済先を一本化するのがおまとめローンです。
借り換え・おまとめローンは、信用情報に傷をつけない(ブラックリストに登録されない)メリットはあります。しかし、返済額が大きく変わることはなく、借金の総額が増えてしまうこともあります。
そのため、借り換えやおまとめローンは、一時的な対処としては意味があるかもしれませんが、抜本的に借金返済の問題を解決できる方法ではありません。
抜本的に借金返済の問題を解決するためには、債務整理をすることをお勧めします。
この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
この記事が参考になれば幸いです。
弁護士の探し方
「個人再生をしたいけど、どの弁護士に頼めばいいのか分からない」
という人は多いのではないでしょうか。
現在では、多くの法律事務所が個人再生を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、個人再生を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。
しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。
債務整理の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。
そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。
ちなみに、個人再生の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。
- 相談無料(無料回数制限なし)
- 全国対応・休日対応・メール相談可
- 所在地:東京都台東区
- 相談無料(無料回数制限なし)
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- 所在地:東京都墨田区
- 相談無料
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- 所在地:東京都千代田区
参考書籍
本サイトでも債務整理について解説していますが、より深く知りたい方のために、参考書籍を紹介します。
クレジット・サラ金の任意整理実務Q&A
編著:柄澤昌樹ほか 出版:青林書院
任意整理の実務書。任意整理だけでなく、債務整理全般について解説されています。若干古いため、アップデートは必要ですが、細かいところも拾えます。
破産実務Q&A220問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
破産実務を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。一般の方でも、本書があれば、破産実務のだいたいの問題や自分の場合どうなるのかを知ることができます。
個人再生の実務Q&A120問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
個人再生を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、個人再生実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。



