この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

個人再生(個人民事再生)の手続は、再生計画認可または不認可決定の確定もしくは再生手続廃止決定の確定により終了します。
個人再生の終了事由
個人再生の手続は、裁判所による再生手続開始決定によって開始されます。
この個人再生の目的は、裁判所に再生計画を認可してもらうことにあります。借金の減額や分割払いへの変更を定めた再生計画が認可されれば、その計画どおりに返済をしていけばよいことになります。
裁判所によって再生計画認可が決定されて確定すれば、小規模個人再生であっても給与所得者等再生であっても、個人再生手続は当然に終了します(民事再生法233条、244条)。
もっとも、個人再生が認可されることなく終了することもあります。具体的にいえば、再生計画不認可決定が確定した場合や再生手続廃止決定が確定したときにも、個人再生手続は終了します。
再生計画の認可または不認可決定の確定による終了
民事再生法 第233条
- 小規模個人再生においては、再生手続は、再生計画認可の決定の確定によって当然に終結する。
民事再生法 第244条
- 第221条第3項から第5項まで、第222条から第229条まで、第232条から第235条まで及び第237条第2項の規定は、給与所得者等再生について準用する。
個人再生の手続の目的は、裁判所によって再生計画を認可してもらうことにあります。
したがって、再生計画認可決定がなされれば、(その後に再生計画に従った弁済をしていかなければならないとはいえ、一応の)目的は達したことになります。
そのため、裁判所によって再生計画認可が決定され、その決定が確定した場合には、小規模個人再生であっても給与所得者等再生であっても、個人再生手続は当然に終結します(民事再生法233条、244条)。
通常の民事再生(通常再生)の場合には、再生計画認可決定が確定しても再生手続は終結しませんが、個人再生の場合は、簡易型手続として設計されているので、認可確定によって終結するとされています。
他方、再生計画が不認可となった場合も、個人再生できないことがはっきりするので、目的は達せられなかったものの、それ以上手続を継続する必要が無くなります。
そのため、裁判所によって再生計画不認可が決定され、その決定が確定した場合にも、個人再生手続は終結します。
再生計画認可または不認可決定が決定がされ、その旨が官報公告された日の翌日から2週間以内に債権者または債務者による即時抗告(不服申立て)がされなかった場合、官報公告された日の翌日から2週間の経過によって確定します。
再生手続廃止決定の確定による終了
前記裁判所による再生計画の認可または不認可決定の確定のほか、裁判所による再生手続廃止決定の確定によっても、個人再生手続は終了します。
再生手続の廃止とは、再生計画の認可または不認可の判断をしないまま、再生手続を終結させることです。要は、手続の打ち切りです。
例えば、再生計画案の提出期限内に再生計画案を提出しなかった場合や、小規模個人再生における再生計画案の決議において否決された場合などに、再生手続は廃止されます。
この再生手続廃止決定も、その決定がなされ、その旨が官報公告された日の翌日から2週間以内に再生債務者からの即時抗告がされなければ、官報公告された日の翌日から2週間の経過によって確定します。
再生手続開始申立ての棄却、再生手続の取下げによる終了
再生手続開始申立ての棄却決定の確定や再生手続開始申立ての取下げによって、再生手続が終了することもあります。
もっとも、再生手続開始申立ての棄却や取下げは、個人再生手続が開始される前になされるものですので、厳密にいえば、棄却や取下げの時点ではまだ再生手続は開始されていません。
したがって、再生手続開始申立ての棄却や取下げによって、個人再生をすること自体は終了しますが、前記の再生計画の認可または不認可決定の確定や再生手続廃止決定の確定のような再生手続の終了とは少し意味合いが違います。


