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債務整理によるブラックリスト登録の期間はどのくらいか?

ブラックリストの画像
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債務整理をすると,自己破産・個人再生・任意整理いずれであっても,「ブラックリスト」に登録されます。

一生ブラックリストに登録されたままではありませんが,任意整理の場合は任意整理による返済の完了から5年間ほど,自己破産の場合は裁判所による破産手続開始決定日から7年間ほど,個人再生の場合は再生手続開始決定日から7年間(または返済完了から5年間)ほど,ブラックリストを削除できないと考えておいた方がよいでしょう。

債務整理によるブラックリストへの登録

債務整理自己破産個人再生任意整理)に共通するデメリットとして,信用情報の事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されることが挙げられます。

このブラックリストに登録されると,新たに金融機関や貸金業者から借入れをしたり,クレジットカードを利用したり,ローンを組むことが非常に難しくなります。

ただし,債務整理をしたことによりブラックリストに登録されたとしても,一生登録されたままというわけではありません。一定期間が経過すると削除が可能です。

どのくらいで削除可能になるかは、どの債務整理手続きを行ったのかによって異なります。また、信用情報機関には3つの信用情報機関がありますが、それぞれに違いがあります。

なお,過払金返還請求を行っただけでは,ブラックリストに登録されません。

任意整理の場合の登録期間

任意整理は,弁護士等が代理人として債権者と交渉し,返済条件を変更してもらう裁判外での手続です。そのため,官報に公告されることはありません。

任意整理のブラックリスト登録期間は、以下のとおりです。

信用情報機関ブラックリスト登録期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC)契約終了から5年間」
したがって、任意整理による返済の完了から最長5年間はブラックリスト登録される。
株式会社日本信用情報機構(JICC)「2019年9月30日以前の契約については、当該事実の発生日から5年を超えない期間
2019年10月1日以降の契約については、契約終了後5年以内」
したがって、任意整理による返済の完了から最長5年間はブラックリスト登録される。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)「完済日から5年を超えない期間」
したがって、任意整理による返済の完了から最長5年間はブラックリスト登録される。

信用情報機関各社ごとに表現の仕方は異なっていますが、基本的にどの機関も、任意整理の場合には、返済の完了から最長5年間はブラックリストに登録されると考えておいてよいでしょう。

自己破産の場合の登録期間

自己破産は,裁判所から免責を許可してもらうことにより,借金・債務の支払義務を免除してもらえる裁判手続です。自己破産をしたことは,官報に公告されます。

信用情報機関ブラックリスト登録期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC)「契約終了から5年間。破産の場合は免責許可決定が確認できた会員会社によるコメントが登録された報告日が起算点」
したがって、免責許可決定日から概ね5年間はブラックリスト登録される。
株式会社日本信用情報機構(JICC)「2019年9月30日以前の契約については、完済日から5年を超えない期間
2019年10月1日以降の契約については、契約終了後5年以内
破産の場合、免責確定の日付で完済の登録。」
したがって、免責許可決定確定日から最長5年間はブラックリスト登録が残る。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)「官報に公告された破産手続開始決定日から7年を超えない期間」
したがって、破産手続開始決定日から最長7年間はブラックリスト登録される。

上記のとおり,信用情報機関によって自己破産の場合のブラックリスト登録期間が異なります。CICやJICCは、免責許可決定日から5年間ほどですが、KSCは、破産手続開始決定日から7年間です。

ただし、各信用情報機関では情報交流が行われているため、登録期間は最長のものを基準として考えておいた方がよいでしょう。

したがって,自己破産の場合は,裁判所による破産手続開始決定日から7年間は,信用情報を削除できないと考えておくべきでしょう。

個人再生の場合の登録期間

個人再生は,裁判所から再生計画を認可してもらうことにより,借金・債務の減額等を実現できる裁判手続です。個人再生をしたことは,官報に公告されます。

信用情報機関ブラックリスト登録期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC)「契約終了から5年間」
したがって、個人再生による返済の完了から最長5年間はブラックリスト登録される。
株式会社日本信用情報機構(JICC)「2019年9月30日以前の契約については、当該事実の発生日から5年を超えない期間
2019年10月1日以降の契約については、契約終了後5年以内」
2019年9月30日以前の契約の場合は、個人再生の申立日から最長5年間、2019年10月1日以降の契約の場合は、個人再生による返済の完了から最長5年間はブラックリスト登録される。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)「官報に公告された再生手続開始決定日から7年を超えない期間」
したがって、再生手続開始決定日から最長7年間はブラックリスト登録される。

上記のとおり,信用情報機関によって自己破産の場合のブラックリスト登録期間が異なります。

JICCの場合、2019年9月30日以前の契約の場合は、個人再生の申立日から最長5年間で個人再生申立てをした取引事実は消去されますが、返済が完了していなければ、その他の情報(延滞の事故情報)などは残るでしょうから、結局は、返済完了から5年間ということになるかと思います。

そうすると、CICやJICCは個人再生に基づく返済の完了から5年間ほどですが、KSCは、再生手続開始決定日から7年間(または返済完了から5年間)ということになります。

前記のとおり,登録期間は最長のものを基準として考えておいた方がよいため,個人再生の場合は,裁判所による個人再生手続開始決定日から7年間または返済完了から5年間ほどは,事故情報を削除できないと考えておくべきでしょう。

ブラックリスト登録期間のまとめ

前記の各信用情報機関ごとのブラックリスト登録期間をまとめると、債務整理をすることによって、いずれかの信用情報機関にブラックリスト登録されている期間は、以下のとおりとなります。

債務整理によるブラックリスト登録期間
  • 自己破産の場合は、破産手続開始決定から7年間または免責許可決定から5年間
  • 個人再生の場合は、再生計画に基づく返済の完了から5年間または再生手続開始決定から7年間
  • 任意整理の場合は、完済から5年間

2つ以上の期間設定がある場合は、いずれか長い方ということになります。

自己破産の場合は、破産手続開始決定から7年間または免責許可決定から5年間という2つの期間があり得ますが、通常は、破産手続開始決定から7年間の方が長いので、こちらがブラックリスト登録期間となるでしょう。

ただし、破産手続開始から免責許可まで2年以上かかったような場合(ほとんど考えられませんが)には、免責許可決定から5年間の方が長くなるので、こちらがブラックリスト登録期間になります。

個人再生の場合は、再生計画に基づく返済の完了から5年間または再生手続開始決定から7年間という2つの期間がありますが、通常は、再生計画に基づく返済の完了から5年間の方が長いので、こちらがブラックリスト登録期間となるでしょう。

ただし、例外的に、何らかの事情で再生計画に基づく返済が1年かからずに終了した場合(なお、個人再生の場合、3年よりも短い返済期間は認められていません。したがって、1年以内の完済は、本来はあり得ないはずということになります。)には、再生手続開始から7年間の方が長くなるので、こちらがブラックリスト登録期間になります。

ブラックリスト削除後の新たな借入れ等の可否

前記のとおり,債務整理によってブラックリストに登録されたとしても,5年間~10年間ほどで登録を削除できます。

ただし,ブラックリストを削除したからと言って,必ず新たな借入れ等ができるようになるわけではありません。ブラックリストに載っている情報が理由で審査に通らないということがなくなっただけです。

新たな借入れ等ができるかどうかは,実際に借入れ等をする時の収入状況や業者側が個別に情報を保有しているかどうかによります。

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