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過払い金返還請求にデメリットはない?信用情報への影響や注意点を解説

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

Q
過払い金返還請求にデメリットはあるのか?
A

過払い金返還請求をしても、ほとんどデメリットはありません。

このページでは、過払い金返還請求のデメリットについて詳しく説明します。

このページで説明していること
  • 過払い金返還請求にはほとんどデメリットがないこと
  • 過払い金返還請求をする際に注意しておくべきこと
  • 過払い金返還請求のデメリットに関するよくある質問

過払い金返還請求とは

貸金業者との間で利息制限法に違反する利息で貸し借りの取引を続けていた場合、利息制限法どおりの利率(金利)で計算し直すと、実はすでに完済していたのに返済を続けている状態になっていることがあります。

この利息制限法に基づく計算によって計算上完済になった後に支払ったお金が「過払い金」です。

過払い金が発生している場合、貸金業者に返還を請求できます

過払い金返還請求にはほとんどデメリットがない

過払い金返還請求は、利息制限法どおりに計算した結果、払い過ぎになっているお金を返してもらうだけです。借金自体は法律に基づいてすでに完済している以上、何の契約違反もありません。

そのため、過払い金返還請求をしても、特別なデメリットやリスクは発生しません

強いて言えば、過払い金返還請求するための手間や時間がかかること、請求した相手から借入れできなくなる可能性があることくらいでしょう。大きなデメリットではありません。

ブラックリストに登録されることもない

過払い金返還請求をしても、信用情報に事故情報(異動情報。いわゆる「ブラックリスト」)が掲載されることはありません。

かつては、過払い金返還を請求すると、「弁護士介入」や「契約見直し」などの項目で信用情報に掲載されることがありました。

事故情報そのものではないものの、金融機関に問題ありと判断され、貸付・融資を受けにくくなるデメリット・リスクがあったのです。

しかし、金融庁により、過払い金返還請求をしても信用情報に特別な情報を掲載してはならず、すでに登録されている場合には当該情報を抹消しなければならないとする方針が定められました。

そのため、現在では、過払金返還請求をしても、ブラックリストはもちろん、信用情報には一切の特別な情報が掲載されません。単に「完済」扱いになります。

貸金業者から嫌がらせを受けることもない

「過払い金返還請求をすると、後で貸金業者から脅しや嫌がらせをうけるのでは?」と不安を感じている人もいるかもしれません。

しかし、過払い金返還請求しても、貸金業者から嫌がらせを受けることは皆無でしょう

ただし、過払い金返還請求をした業者から借入れすることは難しくなるかもしれません。借入れする際は、他の業者を利用しましょう。

過払い金返還請求の注意点

前記のとおり、過払い金返還請求自体にはこれといったデメリットはありません。ただし、手続上または他の債務整理との関係で注意しておくことはあります

過払い金(過払金)の使い方には注意が必要

前記のとおり、過払金返還を請求すること自体にはデメリットはありません。しかし、自己破産や個人再生をする場合は、返還を受けた過払い金の使い方には注意を要します。

自己破産や個人再生では、過払い金も財産です。本来であれば、債権者に支払わなければいけません。 

そのため、過払い金を生活費以外に浪費などで使ってしまうと、以下のような不利益を被るおそれがあります

自己破産・個人再生における不利益
  • 自己破産の場合
    債権者に不利益な財産処分をしたことになり、否認権の対象になったり、免責不許可事由に該当することになってしまうことがあります。
  • 個人再生の場合
    否認権対象や不利益処分となる結果、清算価値として計上されて、返済総額が高額になり、手続が上手くいかなくなるようなおそれもあります。

自己破産や個人再生を行おうとしている場合には、過払金の使い方には注意をしましょう。

債務整理と並行して過払い金返還請求するとブラックリストに載る

債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)をすると、信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載されます。

金融機関は信用情報をチェックしてお金を貸すか否かを判断しているため、事故情報が掲載されていると審査を通しません。

過払い金返還請求をしただけではブラックリストに載りませんが、並行して債務整理も行っている場合はブラックリストに載ります

引き直し計算しても過払いにならない場合は債務整理が必要になる

貸金業者との全取引を利息制限法で定める利率で計算し直すことを「引き直し計算」といいます。過払い金が発生しているかどうかは、引き直し計算をして調べます。

とは言え、引き直し計算の結果、過払いになっておらず、債務残高が残ることもあります。残債務がある場合は、過払い金返還請求ではなく、債務整理(任意整理)になります。

そのため、過払いになると思って弁護士に依頼したが、結果は任意整理になった場合、信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載されてしまいます

どうしてもブラックリストに載りたくない場合は、弁護士に依頼する前に自分で貸金業者から取引履歴を取り寄せて引き直し計算してみるのもひとつの方法です。

実際に過払い金返還請求できるケースは限られている

前記のとおり、過払い金は利息制限法に違反する取引をしていた場合にだけ発生します。しかし、現在では、利息制限法に違反する取引をしている貸金業者はほとんど存在しません。

また、仮に過払いになっていても、最後の返済から10年経過している場合、消滅時効により過払い金返還請求はできなくなります

そのため、過払い金返還請求できる可能性があるケースは、以下のような場合に限られるでしょう

過払い金が発生するケース
  • 2010年頃より前から取引している
  • 最後の返済日から10年経過していない

過払い金返還請求のデメリットに関するよくある質問

以下では、過払い金返還請求のデメリットに関するよくある質問をQ&A形式で説明します。

過払い金返還請求すると家族に知られる?

Q
過払い金返還請求すると家族に知られる?
A

知られる可能性はゼロではありませんが、弁護士に依頼している場合は知られずに済む方が多いでしょう。

過払い金返還請求を自分だけで行う場合、相手方貸金業者から自宅に書類が郵送されることがあります。また、訴訟で過払い金返還請求している場合は、裁判所からも書類が届きます。

そこから、家族に知られる可能性はあるでしょう。

一方、弁護士に依頼している場合、相手方や裁判所からの連絡は弁護士に届くので、家族に知られる可能性はより小さくなります

借入れやローンが利用できなくなる?

Q
過払い金返還請求すると、新規の借り入れやローンを利用できなくなる?
A

いいえ。過払い金返還請求しただけで、新規の借り入れやローンを利用できなくなることはありません。ただし、過払い金返還を請求した相手方の貸金業者から借り入れをするのは難しいでしょう。

前記のとおり、過払い金返還を請求しただけでは、信用情報機関が保有する信用情報に事故情報(異動情報。いわゆる「ブラックリスト」)は掲載されません。

そのため、過払い金返還を請求しただけで、借り入れや、住宅ローン・自動車ローンなどの各種ローンを利用できなくなることはありません

ただし、実際に過払い金返還を請求した相手方の貸金業者からは、再度借り入れをしたり、ローンを利用したりすることは難しいでしょう(なお、グループ企業からの借り入れやローン利用が難しくなるケースもあります。)。

また、過払い金返還請求と並行して任意整理・自己破産・個人再生の手続を行っている場合は、事故情報が掲載されるため、新規の借り入れやローンの利用は難しくなります。

クレジットカードが使えなくなる?

Q
過払い金返還請求すると、クレジットカードが使えなくなる?
A

いいえ。過払い金返還請求しただけでは、クレジットカードが使えなくなることはありません。

前記のとおり、過払い金返還を請求しただけでは、信用情報機関が保有する信用情報に事故情報(異動情報。いわゆる「ブラックリスト」)は掲載されません。

そのため、過払い金返還を請求しただけで、クレジットカードを利用できなくなることはありません

ただし、実際に過払い金返還を請求した相手方のカード会社のクレジットカードは利用できなくなり、新規の作成も難しくなる可能性はあります(なお、グループ企業のクレジットカードも作成できないケースがあります。)。

また、過払い金返還請求と並行して任意整理・自己破産・個人再生の手続を行っている場合は、事故情報が掲載されるため、クレジットカードの利用も新規作成も難しくなります。

過払い金にも税金が発生する?

Q
過払い金の返還を受けたら、税金がかかる?
A

いいえ。過払い金の元本には課税されません。ただし、過払い金の利息も回収した場合は、利息を雑所得として課税収入に加算しなければいけません。

過払い金は、自分で支払ったお金を返してもらうだけの話です。所得が増えているわけではないので、課税対象になりません

ただし、過払い金に利息を付けて返還を受けた場合、その利息部分は「雑所得」の扱いになります。そのため、収入に過払い金の利息を加算して税額を計算しなければいけません

弁護士と司法書士のどちらに依頼した方がよい?

Q
過払い金返還請求は、弁護士と司法書士のどちらに依頼した方がよい?
A

過払い金返還請求や債務整理は弁護士に依頼した方がよいでしょう。

司法書士の場合、140万円を超える過払い金返還請求は取り扱えません。140万円を超える過払い金が発生していると、別途弁護士を探さなければならなくなり、時間も手間も無駄になります。

また、司法書士は簡易裁判所の裁判しか代理人になれません。簡易裁判所で訴訟しても、相手方貸金業者が控訴して訴訟が地方裁判所に移ると、また弁護士を探さなければならなくなります。

複数の業者に過払い金返還請求の訴訟を起こす場合も、140万円以下の簡易裁判所の裁判しか取り扱えないので、まとめて裁判にできずに、裁判費用や司法書士費用がかさむだけです。

そのため、司法書士に依頼する意味はほとんどないでしょう過払い金返還請求は弁護士に依頼することをお勧めします

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
この記事が参考になれば幸いです。

弁護士の探し方

「過払い金返還請求をしたいけど、どの弁護士に頼めばいいのか分からない」
という人は多いのではないでしょうか。

現在では、多くの法律事務所が債務整理や過払い金返還請求を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、過払い金返還請求を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。

しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。

債務整理や過払い金の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。

そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。

ちなみに、過払い金返還請求の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。

弁護士法人東京ロータス法律事務所

  • 相談無料(無料回数制限なし)
  • 全国対応・休日対応・メール相談可
  • 所在地:東京都台東区

弁護士法人ひばり法律事務所

  • 相談無料(無料回数制限なし)
  • 全国対応・依頼後の出張可
  • 所在地:東京都墨田区

弁護士法人ちらいふく

  • 相談無料
  • 24時間対応・秘密厳守・匿名相談可能・メールフォーム・LINE相談可能
  • 所在地:東京都千代田区

参考書籍

本サイトでも過払い金返還請求について解説していますが、より深く知りたい方のために参考書籍を紹介します。

Q&A過払金返還請求の手引 サラ金からの簡易・迅速な回収をめざして(第5版)
編集:名古屋消費者信用問題研究会 出版:民事法研究会
過払金返還請求の教科書のような本。やや古いので判例や論点のアップデートは必要ですが、過払金返還請求を知るためには、よい本です。

過払金返還請求・全論点網羅(2017)
監修:名古屋消費者信用問題研究会 出版:民事法研究会
タイトルどおり、過払金返還請求に関するほとんどの論点を網羅している実務の解説書。ただし、最新の判例などのアップデートは必要です。

実務裁判例 過払金返還請求訴訟
著者:輿石武裕 出版:日本加除出版
簡易裁判所裁判官による過払金返還請求の裁判例解説書。最高裁判例だけでなく下級審裁判例も多く掲載。ただし、こちらも古い本なのでアップデートが必要です。

要件事実マニュアル第4巻(第7版) 消費者保護・過払金・行政・労働
編集:岡口基一 出版:ぎょうせい
岡口元裁判官による実務家に人気の要件事実の解説書。第4巻には、過払金返還請求の要件事実についても解説されています。

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