
「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)」とは、出資金の受け入れの規制、浮貸しの規制、金銭消費貸借における金利の規制などの違反を取り締まる法律です。
出資法とは
「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律」と呼ばれる法律があります。略して「出資法」と呼ばれています。
出資法とは、元本保証をうたう出資の受入れの規制、法律で定められた業者以外の者が金銭の預りを業務として行うことの規制、金銭消費貸借における金利の規制などの違反を取り締まる法律です。違反者を刑罰によって取り締まる特別刑法に該当する法律です。
この出資法は、「利息制限法」「貸金業法」とともに「貸金三法」と呼ばれています。借金の債務整理をする際にも、重要な意味を持つ法律です。
金銭消費貸借における上限金利の規制
出資法によって規制されている金利(利率)のことを「上限金利」と呼んでいます。この上限金利を超えると,刑罰を科されることになります。
かつては、この上限金利と利息制限法における制限利率とが一致していなかったがために,グレーゾーン金利という歪みが生じていました。
かつて出資法の上限金利は,貸金業者ですら年利109.5パーセントという時代すらありました。年利109.5パーセントというと,1年間で元本の倍額以上を返済しなければならないということです。
例えば,100万円を借り,それを1年後に返済することになったとすると,上記年利109.5パーセントであれば,元本100万円に利息109万5000円を足した209万5000円を返さなければならなくなるということです。
月でみると,10万円近く金額が増えているということになります。尋常な金利ではありません。しかし,それほどの異常な金利の場合でなければ罰則が科されることがなかったのです。そのため,ほとんどの貸金業者が高金利での貸付を行っていました。
その後,サラ金問題が大きな社会問題となっていき,上限金利を是正すべきとの世論が高まり,上限金利は次々と引き下げられ、平成22年になってグレーゾーンが解消されるに至りました。
現在の出資法によれば,金融業者は年20パーセントを超える利率で,非金融業者は年109.5パーセント(閏年は109.8パーセント)を超える利率で,それぞれ利息の契約をしたり,利息を請求したり,または利息を収受したりすることを禁止しています。
これに違反した場合には,罰則が科されます。このように罰則があるという点が,利息制限法と異なるところです。具体的には、以下の刑罰が科されることになります(出資法5条)。
- 貸金業者が年利109.5パーセントを超える利息契約をした場合
→10年以下の懲役,3000万円以下の罰金,又はその両方 - 貸金業者が年利20パーセントを超える利息契約をした場合
→5年以下の懲役,1000万円以下の罰金,又はその両方 - 非貸金業者が年利109.5パーセントを超える利息契約をした場合
→5年以下の懲役,1000万円以下の罰金,又はその両方