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個人再生における再生計画認可決定後の手続とは?

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

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裁判所により再生計画認可が決定され、その決定が確定した後、再生計画に基づく弁済が開始されます。再生計画に基づく弁済の期間、弁済の金額や方法は、再生計画における弁済開始の時点の定め方によります。

仮に再生計画の途中で弁済が困難になった場合には、再生計画の変更申立てハードシップ免責の申立てなどの手続があります。ただし、それらの要件はかなり厳格です。

場合によっては、再度個人再生を申し立てるか、または、別の債務整理手続きを行わなければならないこともあるでしょう。

再生計画認可決定確定の効力

個人再生の手続において、民事再生法に定める再生計画認可の要件を満たしている場合、裁判所は、再生計画認可決定をします。

この再生計画認可決定が確定すると、再生債務者は、その再生計画に定められた返済計画どおりに返済をしていけば足りることになり、その他の債務の支払を免れることになります。

再生計画においては、債務の減額長期の分割払い化が定めることができます。

その再生計画に基づいて返済をすればよいだけになるので、債務者は、再生計画認可決定確定により、債務の減額や分割払い化といった恩恵を受けることができるのです。

再生計画に基づく弁済の遂行

前記のとおり、裁判所による再生計画認可決定の確定により、債務者は、その計画に従って弁済を遂行していくことになります。

再生計画に基づく弁済を、どのくらいのスパンで弁済していくのか、いつの時点から開始していくことになるのかは、再生計画における弁済開始の時点の定め方によります

毎月弁済ということであれば、再生計画認可決定日の属する月の翌月から弁済を開始する計画になるでしょう。

3か月に1回の弁済方式もとれます。この場合には、再生計画認可決定日の属する月の翌月から数えて3か月後から弁済を開始するとするのが一般的です。

再生計画認可決定日の属する月の翌月から数えて3か月後とは、例えば、令和6年7月30日に再生計画認可決定が確定したのであれば、同年10月から弁済を開始するということです。

この再生計画に基づく弁済を遂行し、それを完了することによって、個人再生の手続を選択した目的を達したといえるのです。

再生計画の途中で弁済ができなくなった場合

再生計画に基づく弁済をすべて完了すれば、個人再生の手続は完全に完了します。

しかし、再生計画に基づく返済期間は3年~5年もあります。この間に事情が変わり、再生計画に基づく弁済を遂行していけなくなる事態が生じることは十分にあり得ます。

再生計画に基づく返済がされなかった場合、再生債権者による再生計画取消しの申立てによって、再生計画が取り消されます(民事再生法189条1項2号)。

再生計画が取り消されれば、再生計画認可決定による減額・分割払いも取消しになり、個人再生をする前の状態に戻ってしまいます。

そこで、再生計画に基づく弁済ができなくなった場合には、再生計画が取り消されてしまう前に、別の新たな手段をとる必要があります。

再生計画の変更の申立て

再生計画の途中で返済ができなくなった場合には、再生計画が取り消される前に、再生計画の変更を申し立てることができます(民事再生法234条1項、244条)。

再生計画の変更が認められると、再生計画で定められた債務の支払いの期限を、再生計画で定められている債務の最終期限から2年を超えない範囲で延長してもらえます。

ただし、再生計画の変更は、「やむを得ない事情によって再生計画の遂行が著しく困難であること」が必要とされています。

ハードシップ免責の申立て

再生計画の途中で返済ができなくなった場合でも、再生計画に基づく基準債権等に対する弁済のうち4分の3以上をすでに支払い終わっているときには、再生計画が取り消される前に、「ハードシップ免責」を申し立てることができます(民事再生法235条、244条)。

ハードシップ免責が許可されると、返済ができなくなった部分についての支払いを免責(免除)してもらえます。

ただし、単に4分の3以上を返済し終わっているだけではなく、「再生債務者の責めに帰すことができないやむを得ない事情によって返済が極めて困難になったこと」が必要とされています。

なお、このハードシップ免責の効果は住宅資金特別条項にも及ぶため、住宅ローンの残額も免除されてしまいます。

そのため、ハードシップ免責が認められると、住宅ローン全額の支払いを受けられなくなった住宅資金貸付債権者(住宅ローン会社など)から別除権を行使(抵当権を実行)され、住宅を失うおそれがある点にも注意が必要です。

再度の個人再生申立て

再生計画が取り消されてしまった場合、再生計画の変更やハードシップ免責を申し立てることはできなくなります。また、要件を満たさないため、これらを利用できない場合もあるでしょう。

このような場合には、再度、個人再生を申し立てる方法も考えられます。

再度の個人再生手続が開始されると、従前の再生計画認可決定による減額や分割払いの効力は失われ、もとの再生債権に復活された上で、再度の手続における認可決定によって新たに減額等がなされることになります。

ただし、2回目の個人再生であるため、返済能力が足りないと認定されたり、債権者の同意を得られないなど、手続が厳しくなることは間違いないでしょう。

他の債務整理方法の選択

再生計画に基づく返済ができなくなった場合、再度の個人再生申立てではなく、任意整理自己破産といった別の債務整理手続を選択することも考えられます。

ただし、個人再生によって減額された借金の返済さえ厳しい状態である以上、減額をほとんど期待できない任意整理はかなり困難を伴うでしょう。

そのため、自己破産を選択することになる場合が多いと思われます。

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