この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

ある債権(被担保債権)の履行を確実にしておくために,債務者等の財産に担保を設定しておく場合があります。この物に対して担保を有しているという権利のことを担保物権といいます。
担保物権については,民法において,留置権・抵当権・質権・先取特権が規定されていますが,その他にも,特別法において認められている担保物権もあります。
担保物権とは
物に対する排他的支配権を物権といいます。この物権には、所有権、占有権や地上権など用益物権のほかに担保物権があります。
担保物権とは、債権の弁済を確保するために物に担保を設定できる権利です。
担保物権には、さまざまな種類があります。民法に明文がある担保物権を典型担保といい、明文のない担保物権を非典型担保といいます。
また、当事者間での約定によって発生する担保物権を約定担保物権といい、当事者間の約定がなくても、法律の要件を満たせば当然に発生する担保物権を法定担保物権といいます。
以下では、典型担保と非典型担保に分けて、担保物権の種類を説明します。
民法上明文のある担保物権(典型担保)
前記のとおり、担保物権にはさまざまなものがありますが、基本的な担保物権は,民法に定められています。この民法上明文規定のある担保物権のことを「典型担保」といいます。
典型担保には、留置権・抵当権・質権・先取特権があります。
留置権
民法 第295条
- 第1項 人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
- 第2項 前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。
留置権とは、他人の物を占有している者が、その物に関して生じた債権が弁済されるまで、その物を留置(返還せずに占有したままに)しておける担保物権です(民法295条1項)。
留置権は、民法に規定される典型担保です。また、当事者間の約定がなくても発生するため、法定担保物権です。
この留置権には、物を留置することによって、債務の履行を促す効力(留置的効力)があります。
例えば、ある物の修理を請け負って修理を完成させたものの、注文者が修理代金を支払わない場合、請負人は、修理代金が支払われるまで、その物を返さないでおけます。
民法上の留置権(民事留置権)
民法295条以下に定められている留置権は、民事留置権と呼ばれることがあります。
前記のとおり、この民事留置権には留置的効力があります。もっとも、留置する物に関して生じた債権でなければ、留置権は生じません。どのような債権であっても、占有している物を留置できるわけではありません。
また、民事留置権には、物を競売にかけるなどして優先的に弁済を受ける効力(優先弁済効)や担保物の変形物といえる財産から優先弁済を受ける効力(物上代位効)はありません。
したがって、留置権者は、物を返還しないことはできるものの、債務の履行がないからと言って、その物を自分のものにしたり、勝手に売却して債務に充てたりすることはできません。
商法上の留置権(商事留置権)
商法 第521条
- 商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物又は有価証券を留置することができる。ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、この限りでない。
留置権は、商法においても規定されています。商法上の留置権を、民事留置権と区別して、商事留置権と呼ぶことがあります(商法521条など)。
商事留置権は、目的物が商行為によって占有に属した物であり、担保される債権(被担保債権)が商行為となる行為によって生じた債権(商事債権)でなければなりません。
ただし、商事債権であれば、商行為によって占有に属した目的物に関して生じた債権でなくても、留置権の効力を生じます。
この商事留置権にも、もちろん留置的効力があります。また、民事留置権と異なり優先弁済効があり、留置物を競売にかけて、売却代金を優先的に弁済に充てることができます。
なお、商事留置権には、商法521条のほか、以下のものもあります。
- 代理商の留置権(商法31条、会社法20条)
- 問屋の留置権(商法557条)
- 運送取扱人の留置権(商法562条)
- 運送人の留置権(商法574条)
- 船舶所有者の留置権(商法756条、741条第2項)
先取特権
民法 第303条
- 先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
先取特権とは、債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる担保物権です(民法303条)。
この先取特権は民法に定めのある典型担保です。また、当事者間の約定がなくても、一定の要件を満たす限り法律上当然に発生する法定担保物権です。
先取特権には,債務者の総財産に対して担保権を行使できる「一般の先取特権」と,特定の財産に対してだけ担保権を行使できる「特別の先取特権」があります。
一般の先取特権
民法 第306条
- 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
- 第1号 共益の費用
- 第2号 雇用関係
- 第3号 葬式の費用
- 第4号 日用品の供給
一般の先取特権とは、債務者の総財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる先取特権です(民法306条)。
一般の先取特権は、以下のの4つの原因によって生じた債権を有する場合に発生します。
- 共益の費用(民法306条1号、307条1項)
各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、清算または配当に関する費用の債権。ただし、この費用のうちすべての債権者に有益でなかったものについては、その費用によって利益を受けた債権者に対してのみ先取特権が存在します(307条2項)。 - 雇用関係(民法306条2号、308条)
給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権 - 葬式の費用(民法306条3号、309条)
債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額または債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額の債権 - 日用品の供給(民法306条4号、310条)
債務者またはその扶養すべき同居の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の6か月間の飲食料品、燃料及び電気の供給についての債権
これらの債権相互間の優先順位は、条文の番号どおりです。①共益の費用、②雇用関係、③葬式の費用、④日用品の供給の順で優先されます。例えば、共益費用と葬式費用がある場合、共益費用の先取特権が優先されるということです(民法329条1項)。
この一般の先取特権は、特定の物に対する担保物権ではないので、債務者の総財産に対する優先弁済効はありますが、物上代位効はありません。また、物の占有を伴わないので留置的効力もありません。
特別の先取特権
先取特権には、債務者の総財産に対する優先権である一般の先取特権のほか、特定の物に対する優先権である特別の先取特権もあります。一般の先取特権と特別の先取特権が競合する場合、特別の先取特権が優先されます(民法329条2項)
特別の先取特権には、動産の先取特権と不動産の先取特権があります。
動産の先取特権は、以下の原因によって生じた債権について生じます(民法311条)。
- 不動産の賃貸借(民法311条1号、312条)
不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について先取特権が生じる - 旅館の宿泊(民法311条2号、317条)
宿泊客が負担すべき宿泊料および飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について先取特権が生じる - 旅客または荷物の運輸(民法311条3号、318条)
旅客または荷物の運送賃および付随の費用に関し、運送人の占有する荷物について先取特権が生じる - 動産の保存(民法311条4号、320条)
動産の保存のために要した費用または動産に関する権利の保存、承認もしくは実行のために要した費用に関し、その動産について先取特権が生じる - 動産の売買(民法311条5号、321条)
動産の代価およびその利息に関し、その動産について先取特権が生じる - 種苗または肥料(蚕種または蚕の飼養に供した桑葉を含む)の供給(民法311条6号、322条)
種苗または肥料の代価およびその利息に関し、その種苗または肥料を用いた後1年以内にこれを用いた土地から生じた果実(蚕種または蚕の飼養に供した桑葉の使用によって生じた物を含む。)について先取特権が生じる - 農業の労務(民法311条7号、323条)
労務に従事する者の最後の1年間の賃金に関し、その労務によって生じた果実について先取特権が生じる - 工業の労務(民法311条8号、324条)
労務に従事する者の最後の3か月間の賃金に関し、その労務によって生じた製作物について先取特権が生じる
また、不動産の先取特権は、以下の原因によって生じた債権を有する場合に発生します(民法325条)。
- 不動産の保存(民法325条1号、326条)
不動産の保存のために要した費用または不動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その不動産について先取特権が生じる。 - 不動産の工事(民法325条2号、327条)
工事の設計、施工または監理をする者が債務者の不動産に関してした工事の費用に関し、工事によって生じた不動産の価格の増加が現存する場合に限り、その不動産についてその増価額についてのみ先取特権が生じる。 - 不動産の売買(民法325条3号、328条)
不動産の代価およびその利息に関し、その不動産について先取特権が生じる。
特別の先取特権は物の占有を伴わないので留置的効力はありません。もっとも、一般の先取特権と異なり、物に対する優先弁済効や物上代位効があります。
質権
民法 第342条
- 質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
質権とは、債務者または第三者の物の占有を権利者に移転し、権利者はその物から他の債権者に先立って優先的に弁済を受けることができる担保物権です(民法342条)。
一般に「質に入れる」という言葉がありますが,これは法的にいえば,ある物に質権を設定するということです。
質権は、民法に規定のある典型担保です。また、当事者間の約定によって発生するため、約定担保物権です。
質権を設定するためには,目的物を質権者に引き渡すことが必要となります。これにより、担保目的物の占有は、権利者(質権者)に移転します。債務が弁済されると,この物は債務者または第三者に返還されます。
つまり、質権には、債務の弁済まで物を返還しない留置的効力があるということです。また、物に対する優先弁済効や物上代位効も認められます。
この質権には、動産質、不動産質、権利質があります。
動産質
動産質は、動産に設定される質権です。
占有の継続が動産質の第三者対抗要件とされます(民法352条)。占有を奪われた場合は、占有回収の訴えによって占有を回復します(353条)
債務の履行がない場合、動産質権者は、債務者に通知して、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができます。ただし、この質権実行方法は、正当な理由がある場合に限られます(民法354条)。
不動産質
不動産質は、不動産に設定される質権です。
抵当権と異なり、質権者が不動産を占有し、その用法に従って使用・収益できます(民法356条)。ただし、管理費用は質権者が負担します(民法357条)。また、使用収益できる代わりに、債権の利息を請求できません(民法358条)。
もっとも、設定行為(質権設定契約)で、使用収益などに関し別段の定めをすることはできます。また、担保不動産収益執行が開始されている場合は、使用収益などはできません(民法359条)。
不動産質権の存続期間は10年間です。これより長い期間を設定しても、10年間に短縮されます(民法360条1項)。更新も可能ですが、更新期間も10年間が限度です(同条2項)。
この不動産質権の対抗要件は、占有ではなく、登記です。
権利質
権利質とは、物ではなく、財産権に設定される質権です(民法362条)。権利それ自体を質権の対象とするのが、権利質です。代表的なものは、債権質です。
債権質の場合、質権者は、その債権を直接取り立てることができます(民法366条1項)。債権の目的が金銭の場合は、自己の債権額に対応する部分に限り取り立てられます(同条2項)。金銭でない場合、取り立てた物について質権を有することになります(同条4項)。
債権質の対抗要件は、債権譲渡の対抗要件と同じく、第三債務者に対する質権設定通知または第三債務者の承諾です(民法364条)。
抵当権
抵当権とは、債務者または第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した財産権について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる担保物権です。
担保物権のうちでも代表的なものは、この抵当権でしょう。
抵当権は、物の占有を伴わないので留置的効力はありません。もっとも、優先弁済効および物上代位効はあります。
基本的な抵当権は民法に規定されているので、典型担保です。また、民法だけなく、特別法にも特殊な抵当権が定められています。
民法上の抵当権
民法 第369条
- 第1項 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- 第2項 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。
民法上の抵当権とは、債務者または第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産・地上権・永小作権について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる担保物権です(民法369条1項、2項)。
つまり、ある債権の履行を確保するために、債務者(または第三者)の不動産などを債務者(または第三者)の下にとどめ置いておきながら、その物を担保にとるというものです。
そのため、担保目的物である不動産は、その所有者である債務者や第三者が利用を継続できます。債権者は,不動産など自体ではなく、その不動産などの交換価値を把握してそれを担保とするということです。
典型的なものは住宅ローンの場合です。住宅ローンとして銀行等から住宅資金を借りる場合,その購入する住宅不動産に抵当権が設定されるのが通常です。
抵当権は、民法に規定のある典型担保です。また、法律上当然に生じるものではなく,抵当権者と抵当権設定者との間で抵当権を設定する約定(抵当権設定契約)によって生じるため、約定担保物権です。
この抵当権の対象となる物は、原則として、不動産です(民法369条1項)。ただし、地上権および永小作権も抵当権の対象にすることができます(同条2項)。
抵当権者は、債務の履行がない場合、競売を申し立てて売却代金から優先的に弁済を受けることができます。ただし、競売ではなく、任意売却(裁判外での売却)してその売却代金から優先弁済を受けることも可能です。
特別法上の抵当権
特別法上の抵当権としては、例えば、以下のものがあります。
- 自動車等の動産抵当権(自動車抵当法)
- 工業等の財団抵当権(工場抵当法など)
- 立木抵当権(立木ニ関スル法律)
民法に規定のない担保物権(非典型担保)
前記のとおり,基本的な担保物権は民法に定められていますが,民法上の明文規定がないものであっても,別の法律または解釈によって,担保物権として認められているものがあります。
典型担保以外の担保物権のことを「非典型担保」といいます。非典型担保としては,以下のようなものがあります。
譲渡担保
譲渡担保とは、債権担保のために、債務者または第三者が所有する財産の所有権または債権などを設定者から譲渡担保権者に移転させ、被担保債権が弁済された場合にはその財産の所有権などを設定者に復帰させ、債務不履行があった場合には、その財産の所有権などを譲渡担保権者に帰属させ、その価額と債務残高の清算を行うか、または、譲渡担保権者がその財産などを処分して清算を行うという形式の担保物権(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律2条1項など)。
取引実務上用いられていた手法が,非典型担保として承認されたものです。非典型担保のうちで最も代表的なものといえるでしょう。
譲渡担保の対象は、主に動産と債権です。一定の範囲を定めて、将来においてその範囲内に属することになる動産や債権も含めて一体として譲渡担保の目的とする、集合動産譲渡担保や集合債権譲渡担保も可能です。
この譲渡担保には、以下の種類があります。
- 帰属清算型:債務不履行があった場合に、目的物の所有権を譲渡担保権者に帰属させ、その価額から債務残高を差し引いた金額を設定者に支払って清算するタイプ
- 処分清算型:債務不履行があった場合に、譲渡担保権者が目的物を処分し、自己の債権に宛て、残額を設定者に返還して清算するタイプ
譲渡担保は占有を伴わないので留置的効力はありません。もっとも、優先弁済効や物上代位効があります。
動産譲渡担保の対抗要件は、原則として、占有改定による引渡しまたは動産譲渡登記です。なお、譲渡担保目的物動産の代金債権などが被担保債権である場合には、引渡しがなくても第三者に対抗できるとされています(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律31条1項)。
また、債権譲渡担保の場合は、設定者から第三債務者に対する確定日付のある証書による通知または確定日付のある詔書による第三債務者の承諾もしくは債権譲渡登記です。
所有権留保
所有権留保とは、売買契約など動産の所有権移転を内容とする契約において、動産の売買代金などの債務を担保するため、売主が買主に目的物を引き渡しつつも、その所有権は売買代金完済まで売主に留保し、この留保所有権をもって、売買代金の担保とするという担保物権です(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律2条16項イ)。
自動車売買などでよく用いられている手法です。
譲渡担保は占有を伴わないので留置的効力はありません。もっとも、優先弁済効や物上代位効があります。
所有権留保の対抗要件は、登記・登録です。登記・登録制度がない場合には、引渡しが対抗要件です(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律109条1項)。
ただし、登記・登録を対抗要件とするものを除いて、目的物動産の代金債権などが被担保債権である場合には、引渡しがなくても第三者に対抗できるとされています(譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律109条2項)。
仮登記担保
仮登記担保とは、債務の担保のために、債務者または第三者の所有する不動産などについて、債務不履行を停止条件とする代物弁済予約または停止条件付代物弁済契約を締結して、その契約による権利につき仮登記または仮登録を行う担保物権です(仮登記担保契約に関する法律1条)。
譲渡担保は占有を伴わないので留置的効力はありません。もっとも、優先弁済効や物上代位効があります。
仮登記担保の対抗要件は、当然、仮登記・仮登録です。債務不履行があった場合、仮登記担保権者は、仮登記・仮登録を本登記・本登録に移すことができます。
この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
この記事が参考になれば幸いです。
民法と資格試験
民法は、私法の基本法です。我々の生活に最も身近な法律です。
そのため、例えば、司法試験(本試験)、司法試験予備試験、司法書士試験、行政書士試験、宅建試験、マンション管理士試験・・・など、実に多くの資格試験の試験科目になっています。
これら法律系資格の合格を目指すなら、民法を攻略することは必須条件です。
とは言え、民法は範囲も膨大です。メリハリを付けないと、いくら時間があっても合格にはたどり着けません。効率的に試験対策をするには、予備校や通信講座などを利用するのもひとつの方法でしょう。
STUDYing(スタディング)
・司法試験・予備試験も対応
・スマホ・PC・タブレットで学べるオンライン講座
・有料受講者数20万人以上・低価格を実現
参考書籍
本サイトでも民法について解説していますが、より深く知りたい方や資格試験勉強中の方のために、民法の参考書籍を紹介します。
新訂担保物権法(民法講義Ⅲ)
著者:我妻榮 出版:岩波書店
民法の神様が書いた古典的名著。古い本なので、実務や受験にすぐ使えるわけではありませんが、民法を勉強するのであれば、いつかは必ず読んでおいた方がよい本です。ちなみに、我妻先生の著書として、入門書である「民法案内5 担保物権法(上)」「民法案内6 担保物権(下)」や「ダットサン民法総則・物権法(第4版)」などもありますが、いずれも良著です。
我妻・有泉コンメンタール民法(第8版)
著書:我妻榮ほか 出版:日本評論社
財産法についての逐条解説書。現在も改訂されています。家族法がないのが残念ですが、1冊で財産法全体についてかなりカバーできます。辞書代わりに持っていると便利です。
司法試験・予備試験など資格試験向けの参考書籍としては、以下のものがあります。
民法(全)(第3版補訂版)
著者:潮見佳男 出版:有斐閣
1冊で民法総則から家族法まで収録されています。基本書というより入門書に近いでしょう。民法全体を把握するのにはちょうど良い本です。
担保物権法(現代民法3)第4版
著者:道垣内弘人 出版:有斐閣
担保物権法の概説書。情報量は十分なので、資格試験の基本書としても使えます。ただし、内容は初学者向けではありません。それなりに学習が進んでから利用する本です。
物権法(伊藤真試験対策講座2)第4版
著者:伊藤塾 出版:弘文堂
いわゆる予備校本。予備校本だけあって、実際の出題傾向に沿って内容が絞られており、分かりやすくまとまっています。民法は範囲が膨大なので、学習のスタートは、予備校本から始めてもよいのではないでしょうか。


