過払金返還請求にかかる費用の相場はいくらくらいか？

過払金（過払い金）返還請求とは

平成２０年（２００８年）頃より以前にサラ金など貸金業者と取引をしていた場合、過払金（過払い金）が発生している可能性があります。

過払金が発生していた場合、貸金業者に対して返還を請求することができます。これを過払金返還請求と呼んでいます。ＴＶＣＭなどで広告されていますので、知っている人も多いでしょう。

この過払金返還請求を弁護士や司法書士に依頼する場合手続の実費以外に、弁護士や司法書士に対する報酬も費用として必要となってきます。

弁護士や司法書士の報酬は、それぞれの事務所によって異なります。もっとも、おおまかな費用の相場はあります。以下では，過払金返還請求についての費用の相場について説明します。

過払金返還請求の法律相談料の相場

弁護士や司法書士に過払金返還請求を依頼する場合には、まず依頼の前に法律相談を行うのが通常です。現在では、債務整理や過払金返還請求の法律相談は、大半の事務所で無料相談となっています。むしろ、有料相談を探す方が難しいくらいです。

したがって、過払金返還請求の法律相談料の相場は「無料」です。

過払金返還請求の弁護士報酬・司法書士報酬の相場

弁護士や司法書士に依頼をする場合は、着手金と成功報酬金が必要です。着手金とは、依頼をした時に発生する報酬です。成功報酬金は、文字どおり、依頼した事件が成功した場合に支払う報酬です。

この過払金返還請求の着手金や成功報酬は、債務残高がある場合とすでに完済している場合とで異なってきます。

なお、過払金返還請求の場合、弁護士と司法書士とで、費用の額に大きな違いは見られませんでした。

債務残高がある場合

債務残高がある場合は、任意整理として依頼をすることになります。したがって、着手金や成功報酬も任意整理のものとなり、それに、過払金を回収した場合の成功報酬や実費が加えられることになります。

成功報酬は、貸金業者との間で和解が成立または勝訴判決を獲得した場合の成功報酬、当初の債務残高からいくら減額したかによって発生する減額報酬および過払金を実際に回収した場合の成功報酬とに分けられているのが一般的です。

過払金返還請求するということは債務残高が全額減額されたということですから、減額報酬は、債務残高全額を基準に計算されることになります。

また、過払金を回収した場合の成功報酬は、交渉によって回収した場合と訴訟によって回収した場合とで異なるのが一般的でしょう。

債務残高がある場合（任意整理として依頼する場合）における過払金返還請求費用の相場は、以下のとおりです（なお、以下の金額は消費税分を含んでいません。）。

着手金	債権者１社につき、15,000円～40,000円
和解または勝訴判決獲得時の成功報酬	債権者１社につき、15,000円～40,000円
減額報酬金	減額報酬なし～減額した金額の10％相当額
過払い金を交渉で回収した場合の成功報酬	回収額の15～20パーセント
過払い金を訴訟で回収した場合の成功報酬	回収額の20～25パーセント
その他実費	1,000円～5,000円 裁判で過払金を回収する場合は、裁判費用がかかります。裁判費用は請求金額によって異なります。

完済した貸金業者に対する過払金返還請求の場合

すでに完済している場合は、任意整理ではなく、純粋に過払金返還請求のみを依頼することになります。

すでに完済している場合における過払金返還請求費用の相場は、以下のとおりです（なお、以下の金額は消費税分を含んでいません。）。

着手金	0円（無料）
和解または勝訴判決獲得時の成功報酬	債権者１社につき、20,000～40,000円
過払い金を交渉で回収した場合の成功報酬	回収額の15～20パーセント
過払い金を訴訟で回収した場合の成功報酬	回収額の20～25パーセント
その他実費	1,000円～5,000円 裁判で過払金を回収する場合は、裁判費用がかかります。裁判費用は請求金額によって異なります。

その他の費用

過払金返還請求の場合、交渉だけで満足のいく金額を回収できることが少ないため、訴訟になることが多いでしょう。

その場合、弁護士や司法書士が裁判対応するための手数料や裁判の実費が必要となることがあります。手数料は、概ね10,000～30,000円ほどです。

過払金返還請求の費用の相場（まとめ）

債務残高がある場合（任意整理）は、着手金・和解勝訴判決獲得時の報酬金あわせて、概ね１社４万円～７万円です。これに減額報酬、過払金回収時の成功報酬が加わります。

債務残高がない、完済している場合は、着手金は無料ですが、成功報酬金として、和解・勝訴判決獲得時の報酬と過払金を回収した時の報酬が加わります。