取引の分断とは、いったん完済した後に再度借入れをした場合、完済した取引で発生した過払い金を新たな借入れに充当できるのかという問題です。

取引の分断(中断)に関する記事一覧
- 過払い金返還請求における取引の分断(中断)の問題とは?
- 同一の基本契約がある取引の分断において過払い金充当合意を認めた最高裁判所第一小法廷平成19年6月7日判決(平成18年(受)第1887号)とは?
- 同一の基本契約がない取引の分断において過払い金充当合意を認めた最高裁判所第一小法廷平成19年7月19日判決とは?
- 同一の基本契約がない取引の分断において過払い金充当合意の判断基準を示した最高裁判所第二小法廷平成20年1月18日判決とは?
- 自動契約更新条項と過払金充当合意に関する最高裁判所第一小法廷平成23年7月14日判決とは?
その他債務整理に関する記事は、以下のリンク先を参照してください。
取引の分断(中断)に関する概要
取引の分断とは、いったん完済した後に再度借入れをした場合、完済した取引で発生した過払い金を新たな借入れに充当して、分断前の取引と分断後の取引を1個の一連取引として引き直し計算できるのかという問題です。
分断前の取引と分断後の取引を1個の一連取引として計算することを一連計算(一連充当計算)と呼んでいます。一連計算した方が過払い金の金額が大きくなるのが通常です。
取引の分断(取引分断型)には、分断前の取引と分断後の取引が同一の基本契約に基づく場合(基本契約取引分断型)と同一の基本契約がない場合(非基本契約取引分断型)があります。
基本契約取引分断型について、過払金充当合意が認められる場合には、一連計算が可能であるとした最高裁判例として、最一小判平成19年6月7日があります。
また、最一小判平成19年7月19日は、非基本契約取引分断型についても、過払金充当合意が認められる場合には、一連計算が可能であると判示しています。
この過払金充当合意は、分断した取引が事実上1個の貸付取引であると評価できる場合に認められます。
事実上1個の貸付取引であると評価できるかどうかについての判断基準を示した最高裁判例として、最二小判平成20年1月18日があります。
自動契約継続条項がある場合でも、最二小判平成20年1月18日の示した判断基準を用いて取引の一連性を判断すべきであるとした最高裁判例として、最一小判平成23年7月14日があります。
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- 相談無料(無料回数制限なし)
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参考書籍
本サイトでも過払い金返還請求について解説していますが、より深く知りたい方のために参考書籍を紹介します。
Q&A過払金返還請求の手引 サラ金からの簡易・迅速な回収をめざして(第5版)
編集:名古屋消費者信用問題研究会 出版:民事法研究会
過払金返還請求の教科書のような本。やや古いので判例や論点のアップデートは必要ですが、過払金返還請求を知るためには、よい本です。
過払金返還請求・全論点網羅(2017)
監修:名古屋消費者信用問題研究会 出版:民事法研究会
タイトルどおり、過払金返還請求に関するほとんどの論点を網羅している実務の解説書。ただし、最新の判例などのアップデートは必要です。
実務裁判例 過払金返還請求訴訟
著者:輿石武裕 出版:日本加除出版
簡易裁判所裁判官による過払金返還請求の裁判例解説書。最高裁判例だけでなく下級審裁判例も多く掲載。ただし、こちらも古い本なのでアップデートが必要です。
要件事実マニュアル第4巻(第7版) 消費者保護・過払金・行政・労働
編集:岡口基一 出版:ぎょうせい
岡口元裁判官による実務家に人気の要件事実の解説書。第4巻には、過払金返還請求の要件事実についても解説されています。
