この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

賃貸借契約を解除できる場合には、合意解除、約定解除、法定解除があります。合意解除の場合には、解除をする前に催告をする必要はありません。
法定解除の場合、無断賃借権譲渡・無断転貸による解除、民法607条、610条、611条に基づく解除の場合には催告は不要ですが、債務不履行解除の場合には催告解除が原則です。約定解除の場合も、催告解除が原則です。
ただし、債務不履行解除の場合であっても、民法542条に定める場合には無催告解除が可能です。また、信頼関係を著しく破壊する場合には、民法542条に定める場合以外でも無催告解除が可能なことがあります。
約定において無催告解除特約が定められている場合、「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」があるときには、無催告解除が可能です。
賃貸借契約の解除における催告の要否
「催告」とは、相手方に対して一定の行為を求める意思の通知です。
契約の解除をする前に、相手方に対して一定の期間を定めてその期間内に債務の履行などをするよう求め、その期間内に債務の履行などが行われなければ契約を解除する旨を通知するのが、契約の解除における催告です。
契約の解除は当事者にとって重大な問題です。容易にできるものではありません。そのため、最後のチャンスを与えることが必要であることから、催告を必要としているのです。
賃貸借契約においても、この事前の催告が必要となる場合があります。もっとも、すべての解除に事前の催告が必要となるわけではありません。
賃貸借契約を解除できる場合としては、法律の規定に基づく場合(法定解除)、賃貸人と賃借人の合意に基づく場合(合意解除)、当事者間で定めた約定に基づく場合(約定解除)があります。
契約解除の種類によって、催告を必要とする場合(催告解除)と催告を必要としない場合(無催告解除)があります。
合意解除の場合
合意解除の場合は、当事者双方が契約を解除することに合意している以上、是正の機会を与える必要がありません。
そのため、合意解除の場合は、無催告で賃貸借契約を解除できます。
法定解除の場合
賃貸借契約の法定解除には、以下のものがあります。
- 賃借人の意思に反する保存行為により賃借人が賃借をした目的を達することができなくなる場合の賃借人による解除(民法607条)
- 耕作・牧畜を目的とする土地賃貸借において、賃借人の収益が不可抗力によって2年以上引き続いて賃料より少ない場合の賃借人による解除(民法610条)
- 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用・収益をできなくなり、残存部分のみでは賃借をした目的を達することができない場合の賃借人による解除(民法611条2項)
- 賃借人が賃貸人の承諾なしに賃借権譲渡・転貸した場合の賃貸人による解除(民法612条2項)
- その他当事者に債務不履行があった場合の解除(民法541条、民法542条)
このうち民法607条、610条、611条の賃借人による解除や無断賃借権譲渡・無断転貸による解除には、事前の催告は求められていません。したがって、これらの解除の場合には、無催告で解除できます。
他方、債務不履行に基づく解除は、原則として事前の催告が必要です(民法541条)。
ただし、民法改正(2020年4月1日施行)によって、債務不履行に基づく解除でも、無催告解除できる場合が規定されました(民法542条)。この民法542条に定められている場合には、無催告解除できます。
また、信頼関係破壊の法理(理論)により、信頼関係の破壊が著しい場合には、民法542条に該当しない債務不履行解除であっても、無催告解除できることがあります。
約定解除の場合
約定解除の場合は、当事者間で定めた約定によります。約定では、無催告解除条項(無催告解除特約)を定めておくこともできます。この無催告特約で定める解除事由に該当する場合、無催告解除が可能です。
ただし、約定で無催告解除特約を定めたとしても、解除事由が法定解除において催告を要する場合(民法541条の場合)に該当するときは、無催告解除が認められない可能性があります。
逆に、約定で無催告解除特約を定めていない場合でも、民法542条に該当するケースであれば、無催告解除は認められます。
債務不履行による解除において無催告解除できる場合
前記のとおり、債務不履行による解除は、原則として事前の催告が必要です(民法541条)。ただし、民法542条で定める場合には、無催告解除できます。
また、本来であれば事前の催告を必要とする場合であっても、信頼関係の破壊が著しい場合には、無催告解除が許されることもあります。
民法542条により無催告解除できる場合
民法 第542条
- 第1項 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- 第1号 債務の全部の履行が不能であるとき。
- 第2号 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
- 第3号 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
- 第4号 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
- 第5号 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
- 第2項 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。
- 第1号 債務の一部の履行が不能であるとき。
- 第2号 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
民法改正により、無催告解除できる場合も明文化されました。具体的には,以下の場合に無催告で債務不履行解除ができます(民法542条1項)。
- 債務の全部の履行が不能であるとき
- 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき
- 債務の一部の履行が不能である場合または債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき
- 契約の性質または当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき
- 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき
上記の場合には、賃貸借契約を催告なしで解除することが可能です。
例えば、賃借人が、一切家賃を支払うつもりがないことを明らかにしている場合などが考えられます。
著しい信頼関係の破壊がある場合
賃貸借契約のような継続的契約は、高度な当事者間の信頼関係を基礎としています。そのため、信頼関係の破壊があると言えない場合には、契約解除できないとされています。この考え方を信頼関係破壊の理論(法理)といいます。
もっとも、継続的契約は高度の信頼関係に基づいていると考えるのであれば、信頼関係が破壊されていない場合には解除が制限されると考えるだけでなく、信頼関係が著しく破壊されている場合にはもはや契約を維持する必要がないので、解除を積極的に認めるべきと考えることもできます。
そのため、信頼関係破壊の法理は、解除を制限する方向だけではなく、解除を拡大する方向に働き、本来であれば催告解除が必要となる場合でも、信頼関係の破壊が著しい場合には無催告解除が認められることがあります。
以下では、どのような場合に著しい信頼関係の破壊があるといえるのかを考えるために参考となる判例を紹介します。
最二小判昭和27年4月25日(用法遵守義務・善管注意義務違反・無催告解除肯定)
最二小判昭和27年4月25日は、以下のとおり判示して、本来であれば事前の催告が必要であるはずのところ、著しい信頼関係の破壊があったとして、無催告解除を認めました。
本件において原判決の確定するところによれば、被上告人は上告人に対し昭和10年9月25日本件家屋を畳建具等造作一式附属のまゝ期間の定めなく賃貸したのであるが、上告人は昭和13年頃出征し、一時帰還したこともあるが終戦後まで不在勝ちでその間本件家屋には上告人の妻及び男子三人が居住していたが、妻は職業を得て他に勤務し昼間は殆んど在宅せず、留守中を男子三人が室内で野球をする等放縦な行動を為すがまゝに放置し、その結果建具類を破壊したり、又これ等妻子は燃料に窮すれば何時しか建具類さえも燃料代りに焼却して顧みず、便所が使用不能となればそのまゝ放置して、裏口マンホールで用便し、近所から非難の声を浴びたり、室内も碌々掃除せず塵芥の推積するにまかせて不潔極りなく、昭和16年秋たまたま上告人が帰還した時なども、上告人宅が不潔の故を以て隣家に一泊を乞うたこともあり、現に被上告人の原審で主張したごとき格子戸、障子、硝子戸、襖等の建具類(第一審判決事実摘示の項参照)は、全部なくなつており、外壁数ヶ所は破損し、水洗便所は使用不能の状態にある。そして、これ等はすべて、上告人の家族等が多年に亘つて、本件家屋を乱暴に使用した結果によるものであるというのである。(上告人主張の不可抗力の抗弁は原審は排斥している、)かつ、被上告人は上告人に対し、昭和22年6月20日、14日の期間を定めて、右破損箇所の修覆を請求したけれども、上告人がこれに応じなかつたことも、また、原判決の確定するところである。
とすれば、如上上告人の所為は、家屋の賃借人としての義務に違反すること甚しく(賃借人は善良な管理者の注意を以て賃借物を保管する義務あること、賃借人は契約の本旨又は目的物の性質に因つて定まつた用方に従つて目的物の使用をしなければならないことは民法の規定するところである)その契約関係の継続を著しく困難ならしめる不信行為であるといわなければならない。従つて、被上告人は、民法541条の催告を須いず直ちに賃貸借を解除する権利を有するものであることは前段説明のとおりであるから、本件解除を是認した原判決は、結局正当である。論旨は、被上告人がした催告期間の当、不当を争うに帰著するものであるからその理由のないことは明らかである。
引用元:裁判所サイト
最三小判昭和35年6月28日(賃料不払い・催告必要)
最三小判昭和35年6月28日は、無催告解除を認めなかった事例です。この判例は、11か月分の賃料滞納があった場合でも、賃貸借契約を解除するには催告を要するとしています。
原判決(その引用する第一審判決)は、上告人らは昭和30年12月分以降被上告人が本件家屋賃貸借解除の意思表示をした昭和31年11月14日迄本件賃料(1ケ月金2,000円、毎月末日払の約)を支払わなかつたこと、なお、上告人らは昭和29年10月分当時から本件賃料の支払を遅滞したことがあり、昭和30年2月分からは特にそれが著しかつた事実を認定し、かかる場合は賃貸借解除の前提としての催告は必ずしも必要としないと解すべきであるから、被上告人のした本件家屋賃貸借解除の意思表示は催告を要せずして有効であると判示しているのである。
しかし、右原判決確定のごとき事実関係の下においても、民法541条により賃貸借契約を解除するには、他に特段の事情の存しない限り、なお、同条所定の催告を必要とするものと解するのが相当である。
引用元:裁判所サイト
上記のとおり、この事案では、11か月分の賃料滞納だけでなく、それ以前にも賃料滞納があったにもかかわらず、催告を要するとしています。
たとえ賃料滞納が長期に及ぶ場合であっても、賃料不払いの場合は、原則として催告を行い、最後のチャンスを与えることが必要であることを示唆しています。
最一小判昭和42年3月30日(賃料不払い・無催告解除肯定)
最一小判昭和42年3月30日は、前記最三小判昭和35年6月28日とは逆に、長期間の賃料滞納がある場合には無催告解除できると判示しています。
長期にわたる賃料の不払はそれ自体賃貸借契約の継続を困難ならしめる背信行為にあたるとし、被上告人が催告をすることなく本件訴状送達をもつてした賃貸借契約解除の意思表示は適法有効であるとした原審の判断は正当としで是認できる。
引用元:裁判所サイト
最二小判昭和49年4月26日(賃料不払い・無催告解除肯定)
最二小判昭和49年4月26日は、9年10か月に及ぶ賃料滞納があった場合に、無催告解除できるとした事案です。
原審は、本件不動産の賃借人である上告人Aが、その被承継人である母Dの生前を含めて、昭和28年4月以降本件訴状送達に至るまで約9年10カ月の長期間、賃料を支払わなかつた事実を確定しているほか、この間、上告人Aが本件不動産が自己の所有であると主張して本件賃貸借関係そのものの存在さえも否定し続けてきた等の事実を確定しているのであり、このような事情のもとにおいては、賃貸人たる被上告人が催告を要せずして本件賃貸借契約を解除することができるとした原審の判断も、また、正当であり、その認定判断の過程に所論の違法はなく、論旨引用の判決は、いずれも本件と事案を異にし、適切ではない。
引用元:裁判所サイト
この判例と前記の最三小判昭和35年6月28日や最一小判昭和42年3月30日を併せて考えると、賃料滞納による解除の場合は、基本的に催告が必要であり、1年程度の滞納では無催告解除を認めるほどの著しい信頼関係破壊とまではいえないと考えることができるでしょう。
約定解除において無催告解除できる場合
前記のとおり、法律の定める債務でなくても、当事者間で定めた約定に違反した場合は、債務不履行に基づいて契約を解除することが可能です。
ただし、約定に無催告解除条項がなければ、無催告で解約することはできないのが原則です。
もっとも、この約定違反の場合にも、信頼関係破壊の理論の適用があります。そのため、信頼関係破壊が著しい場合には、無催告解除特約がない場合でも、無催告解除できることがあります。
最一小判昭和50年2月20日(約定違反・無催告解除肯定)
最一小判昭和50年2月20日は、以下のとおり判示して、本来であれば事前の催告が必要であるはずのところ、著しい信頼関係の破壊があったとして、無催告解除を認めました。
2 ただ、賃借人の右特約違反が解除理由となるのは、それが賃料債務のような賃借人固有の債務の債務不履行となるからではなく、特約に違反することによつて賃貸借契約の基礎となる賃貸人、賃借人間の信頼関係が破壊されるからであると考えられる。そうすると、賃貸人が右特約違反を理由に賃貸借契約を解除できるのは、貸借人が特約に違反し、そのため、右信頼関係が破壊されるにいたつたときに限ると解すべきであり、その解除にあたつてはすでに信頼関係が破壊されているので、催告を要しないというべきである(当法廷昭和39年(オ)第1450号、同41年4月21日判決・民集20巻4号720頁、同45年(オ)第942号、同47年11月16日判決民集26巻9号1603頁参照)。
3 これを本件についてみるに、前述のとおり、上告人はシヨツピングセンター内で、他の賃借人に迷惑をかける商売方法をとつて他の賃借人と争い、そのため、賃貸人である被上告人が他の賃借人から苦情を言われて困却し、被上告人代表者がそのことにつき上告人に注意しても、上告人はかえつて右代表者に対して、暴言を吐き、あるいは他の者とともに暴行を加える有様であつて、それは、共同店舗賃借人に要請される最少限度のルールや商業道徳を無視するものであり、シヨツピングセンターの正常な運営を阻害し、賃貸人に著しい損害を加えるにいたるものである。したがつて、上告人の右のような行為は単に前記特約に違反するのみではなく、そのため本件賃貸借契約についての被上告人と上告人との間の信頼関係は破壊されるにいたつたといわなければならない。
4 そうすると、上告人の前記のような行為を理由に本件賃貸借契約の無催告解除を認めた原審の認定判断は正当として是認すべきであり、論旨は採用することができない。
引用元:裁判所サイト
この判例は、約定違反を理由に契約解除するためには、「貸借人が特約に違反し、そのため、右信頼関係が破壊されるにいたつたときに限る」としつつ、「その解除にあたつてはすでに信頼関係が破壊されているので、催告を要しない」と判示しています。
特約違反が信頼関係破壊に至ったことが、解除そのものの要件であると同時に、無催告解除の要件にもなるということです。
無催告解除特約がある場合
前記のとおり、当事者間の約定で、解除事由がある場合に無催告で解除できるとする無催告解除条項(無催告解除特約)を定めることができます。実務では、賃貸借契約に際して、この無催告解除特約が付されるのが一般的です。
特約も契約の一部です。これに当事者双方が合意している以上,前記の民法542条1項に該当しない場合でも,催告なしで解除できるようにも思えます。
もっとも,賃貸借契約は当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契約ですから,容易に解除できるとすると,継続的な契約関係を望んでいた当事者の合理的意思に反するおそれがあります。
また、無催告で当然に解除ができるとすると,相手方に履行の機会を与えないまま解除できることになってしまい,継続的契約における当事者の合理的意思に反します。
そのため、無催告解除特約がある場合であっても、信頼関係破壊の理論が適用され、信頼関係を著しく破壊する場合でなければ無催告解除はできないと解されています。
最一小判昭和43年11月21日(賃料不払い・無催告解除肯定)
無催告解除特約がある場合の無催告解除を認めた事例として、最一小判昭和43年11月21日があります。
この判例では、1か月分でも賃料滞納があれば契約を無催告で解除できるとする特約がある場合に、賃借人が3か月分の賃料を滞納した事案において、以下のとおり判示して、特約に基づく無催告解除を認めています。
家屋の賃貸借契約において、一般に、賃借人が賃料を1箇月分でも滞納したときは催告を要せず契約を解除することができる旨を定めた特約条項は、賃貸借契約が当事者間の信頼関係を基礎とする継続的債権関係であることにかんがみれば、賃料が約定の期日に支払われず、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合には、無催告で解除権を行使することが許される旨を定めた約定であると解するのが相当である。
したがつて、原判示の特約条項は、右説示のごとき趣旨において無催告解除を認めたものと解すべきであり、この限度においてその効力を肯定すべきものである。そして、原審の確定する事実によれば、上告人は、昭和38年11月分から同39年3月分までの約定の賃料を支払わないというのであるから、他に特段の事情の認められない本件においては、右特約に基づき無催告で解除権を行使することも不合理であるとは認められない。それゆえ、前記特約の存在及びその効力を肯認し、その前提に立つて、昭和39年3月14日、前記特約に基づき上告人に対しなされた本件契約解除の意思表示の効力を認めた原審の判断は正当であり、原判決に所論のごとき違法はなく、論旨は理由がない。
引用元:裁判所サイト
上記判例は、無催告解除特約がある場合でも、それだけで当然に無催告解除できるわけではなく,「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合」でなければならないとしています。
この「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」は、催告の要否に対する信頼関係破壊の理論の適用の一態様といえるでしょう。
ただし、この「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」は、信頼関係破壊そのものではなく、そこまでに至らない程度のもの(履行遅滞がはなはだしい場合など)まで含むと解釈されています。
したがって,民法542条1項に該当しない場合でも,無催告解除特約があるときは,「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」があれば,無催告で賃貸借契約を解除することは可能となります。
この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
この記事が参考になれば幸いです。
民法と資格試験
民法は、私法の基本法です。我々の生活に最も身近な法律です。
そのため、例えば、司法試験(本試験)、司法試験予備試験、司法書士試験、行政書士試験、宅建試験、マンション管理士試験・・・など、実に多くの資格試験の試験科目になっています。
これら法律系資格の合格を目指すなら、民法を攻略することは必須条件です。
とは言え、民法は範囲も膨大です。メリハリを付けないと、いくら時間があっても合格にはたどり着けません。効率的に試験対策をするには、予備校や通信講座などを利用するのもひとつの方法でしょう。
STUDYing(スタディング)
・司法試験・予備試験も対応
・スマホ・PC・タブレットで学べるオンライン講座
・有料受講者数20万人以上・低価格を実現
参考書籍
本サイトでも民法について解説していますが、より深く知りたい方や資格試験勉強中の方のために、民法の参考書籍を紹介します。
新訂債権各論中巻一(民法講義Ⅴ2)
著者:我妻榮 出版:岩波書店
民法の神様が書いた古典的名著。古い本なので、実務や受験にすぐ使えるわけではありませんが、民法を勉強するのであれば、いつかは必ず読んでおいた方がよい本です。ちなみに、我妻先生の著書として、入門書である「民法案内11(契約各論上)」や「ダットサン民法2 債権法(第4版)」などもありますが、いずれも良著です。
我妻・有泉コンメンタール民法(第8版)
著書:我妻榮ほか 出版:日本評論社
財産法についての逐条解説書。現在も改訂されています。家族法がないのが残念ですが、1冊で財産法全体についてかなりカバーできます。辞書代わりに持っていると便利です。
契約法(新版)
著者:中田裕康 出版:有斐閣
契約法の概説書です。債権法の改正にも対応しています。説明は分かりやすく、情報量も十分ですので、基本書として使えます。
司法試験・予備試験など資格試験向けの参考書籍としては、以下のものがあります。
民法(全)(第3版補訂版)
著者:潮見佳男 出版:有斐閣
1冊で民法総則から家族法まで収録されています。基本書というより入門書に近いでしょう。民法全体を把握するのにはちょうど良い本です。
基本講義 債権各論Ⅰ(契約法・事務管理・不当利得)第4版補訂版
著者:潮見佳男ほか 出版:新世社
債権各論全般に関する概説書。どちらかと言えば初学者向けなので、読みやすい。情報量が多いわけではないので、他でカバーする必要はあるかもしれません。
債権各論(第4版)伊藤真試験対策講座4
著者:伊藤塾 出版:弘文堂
いわゆる予備校本。予備校本だけあって、実際の出題傾向に沿って内容が絞られており、分かりやすくまとまっています。民法は範囲が膨大なので、学習のスタートは、予備校本から始めてもよいのではないでしょうか。


