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遺産分割の3つの手続とは?協議・調停・審判の違いや全体の流れを解説

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。

Q
遺産分割にはどのような手続がある?
A

遺産分割は、共同相続人間での協議(遺産分割協議)が基本ですが、上手くいかない場合は裁判所の手続で遺産分割します。裁判所の手続には「遺産分割調停」と「遺産分割審判」があります。

このページでは、遺産分割の手続について詳しく説明します。

このページで説明していること
  • 遺産分割協議とは何か、メリット・デメリット
  • 遺産分割調停とは何か、メリット・デメリット
  • 遺産分割審判とは何か、メリット・デメリット
  • 遺産分割手続の全体の流れ
  • 遺産分割の手続で決めること

遺産分割とは

相続人が複数人いる場合(共同相続)、遺産(相続財産)は、共同相続人全員で共有または準共有することになるのが原則です(遺産共有)。この遺産共有状態を解消するには、遺産分割しなければなりません。

遺産分割とは、共同相続人の具体的相続分を決めて、それぞれの相続財産の帰属を確定させる手続です民法906条)。

遺産分割の3つの手続

遺産分割の手続には、以下の3つがあります

遺産分割の手続
  • 遺産分割協議
    共同相続人全員が、裁判外で話し合って遺産分割する手続
  • 遺産分割調停
    家庭裁判所の裁判官・調停委員が間に入って、共同相続人全員で話し合う手続
  • 遺産分割審判
    共同相続人の主張・立証や裁判官による審問の結果をもとに、裁判所が遺産分割の内容を決定(審判)する手続

順序としては、まず遺産分割協議を行います。上手くいかなかった場合は、次に調停を申し立て、それでも整わなかった場合に審判が行われます。

遺産分割の協議

民法 第907条

  • 第1項 共同相続人は、次条第1項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第2項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

引用元:e-Gov法令検索

まず最初に行う手続は、遺産分割協議です。

遺産分割協議とは、共同相続人全員が裁判外で話し合って遺産分割を決める手続です(民法907条1項)。協議で遺産分割することを協議分割と呼んでいます。

遺産分割協議のメリット・デメリット

遺産分割協議は、最も簡便で穏便な方法です。そのため、遺産分割の大半は、協議で決められています。ただし、当事者だけの話し合いならではのデメリットも存在します。

具体的には、遺産分割協議には、以下のようなメリット・デメリットがあります

遺産分割協議のメリット遺産分割協議のデメリット
・最も穏便に遺産分割できる
・裁判手続でないため、手間や費用を抑えられる
・当事者同士だけの話し合いであるため、感情的になりやすい

遺産分割協議がまとまった場合

遺産分割協議で話がまとまった場合、後で言って言わないの紛争が蒸し返されないように、必ず書面(遺産分割協議書)を作成しておきましょう

遺産分割協議書の作成方式に決まりはありません。ただし、内容に解釈の余地があると、トラブルが生じる可能性もあります。弁護士などに依頼して作成してもらうのをお勧めします。

また、可能であれば、公正証書として作成してもらうのが、より確実です。

遺産分割の調停

民法 第907条

  • 第2項 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。

引用元:e-Gov法令検索

遺産分割協議が上手くいかなかった場合、家庭裁判所に遺産分割の手続きを申し立てられます。この遺産分割の裁判手続には、「遺産分割調停」と「遺産分割審判」があります(民法907条2項)。

遺産分割調停は、家庭裁判所に申し立てて、裁判官や調停委員に間に入ってもらい、共同相続人間で話し合う手続です。調停で遺産分割することを調停分割といいます。

調停と審判どちらが先?

遺産分割には必ず調停から先に行わなければならないとするルール(調停前置主義)は適用されないため、調停せずに審判をいきなり申し立てることも可能です。

しかし、仮に審判を先に申し立てても、裁判所によって調停に移される(調停に付される)のが普通です。特別な事情のない限り、協議が整わなかった場合は、遺産分割調停から申立てをしましょう。

遺産分割調停のメリット・デメリット

遺産分割調停は話し合いですが、家庭裁判所の裁判官や調停委員が関与するため、協議にはないメリットがあります。

他方、協議と違って裁判所の手続であるため、デメリットも存在します。

遺産分割調停のメリット遺産分割調停のデメリット
・裁判官や調停委員が間に入ることで、法的な問題点や争点が明確になる
・裁判官や調停委員が間に入ることで、当事者だけで話し合うより冷静に話し合える
・裁判所の費用がかかる(ただし、それほど高額ではない)
・概ね月に1回の開催であるため、事案によっては協議より時間がかかる場合がある

遺産分割調停がまとまった場合

遺産分割調停で共同相続人間での話し合いがまとまると、家庭裁判所で話し合いの結果をまとめた調停調書を作成してくれます

この調停調書は、債務名義になります。債務名義とは、強制執行手続を行うために必要となる公文書のことです。

そのため、調書で定めた約束の違反があった場合、違反された相続人は、訴訟などを経ずにすぐに強制執行することができます。

遺産分割の審判

遺産分割審判は、共同相続人各自の主張や立証、裁判官による審問の結果をもとに、裁判所が遺産分割の内容を決定(審判)する手続です。

話し合いでまとまらなかった場合、最終的に審判で決着をつけることになります。審判で分割することを審判分割といいます。

遺産分割調停が不成立になると、自動的に審判に移行します。

遺産分割審判のメリット・デメリット

遺産分割審判は、話し合いがつかない場合の最後の手続です。裁判所が決めるため、ある意味では最も公平な手続です。

しかし、あくまで法律に基づいて決められるため、当事者の意思に沿って決められるとは限りません。

遺産分割審判のメリット遺産分割審判のデメリット
・法律に基づいた内容が決められる
・遺産分割に決着がつく
・当事者の意向が反映されない場合がある
・主張・立証に専門的な知識が必要になる

遺産分割審判の確定と不服申立て

遺産分割審判に不服がある共同相続人は、遺産分割審判書が共同相続人全員に届いてから2週間以内であれば、高等裁判所に不服申立て(即時抗告)できます

この期間内に誰からも不服申立てされなければ、遺産分割審判は確定します。期間内に不服申立てされた場合、高等裁判所で審判の是非を争うことになります。

遺産分割の手続の流れ

遺産分割を進める場合、一般的には以下のような流れで進められます

タイムラインのタイトル
  • ステップ1
    遺産分割前の事前調査

    まずは、共同相続人が誰か、どのような遺産があるのか、遺言はあるのかなどを調査します。

  • ステップ2
    遺産分割協議

    調査が終わったら、共同相続人全員に連絡し、遺産分割の話し合いを行います。話がまとまった場合は、遺産分割協議書を作成して、共同相続人全員で取り交わします。

  • ステップ3
    遺産分割調停

    遺産分割協議が上手くいかなった場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停では、家庭裁判所の裁判官・調停委員が話し合いを調整してくれます。

  • ステップ4
    遺産分割審判

    調停が不成立になると、自動的に遺産分割審判に移行します。審判では、共同相続に各自の主張・立証などをもとに、裁判所が遺産分割の内容を決定します。

  • ステップ5
    遺産分割審判に対する不服申立て

    遺産分割審判に不服が申し立てられると、高等裁判所で遺産分割審判を取り消すか、不服申し立てを排斥するかが判断されます。なお、高等裁判所の決定にも不服申立ては可能です。

ステップ1:遺産分割前の事前調査

相続が開始されたら、まずは、誰が相続人になるのか、どのような遺産があるのか、遺言はあるのかなどの調査を始めましょう。

相続人の調査

遺産分割は、共同相続人全員で行います。1人でも欠けていると、無効です。そのため、漏れなく相続人を調べておく必要があります

相続人を調べるには、亡くなった人(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍を取り寄せる必要があります。

戸籍が途中で変わっている場合は、それぞれの市区町村役場から取り寄せる必要があります。

なお、相続の手続をするたびに戸籍をいちいち取り寄せていると大変な手間になります。最初に戸籍を取り寄せたときに、法務局で法定相続情報一覧図を作成しておくことをお勧めします。

相続財産(遺産)の調査

どのような相続財産(遺産)があるのかも調べておく必要があります

遺品や郵便物をよく確認しましょう。特に、被相続人の通帳や預金取引履歴には、多くの情報が残っている可能性が高いので、詳細にチェックした方がよいです。

遺言の確認

遺言で遺産分割方法相続分などが指定されている場合、遺言に従って遺産分割をしなければいけません。そのため、遺産分割する前に、遺言を確認しておく必要があります

遺品の中に遺言が見当たらない場合でも、実はどこか別の場所に保管していたり、第三者や弁護士に預けていたりする可能性もあります。

自筆証書遺言であれば法務局に保管していたり、公正証書遺言であれば公証役場に保管されていたりするケースもあります。

遺産分割した後に遺言が見つかると、手続をやり直さなければならないこともあるので、心当たりをよく探してみましょう。

ステップ2:遺産分割協議

遺言・相続人・相続財産を調査したら、共同相続人全員に連絡をして、話し合い(遺産分割協議)を開始します。遺言で包括遺贈されている場合は受贈者にも参加してもらう必要があります。

遺産分割協議の進め方

遺産分割協議の方法に特別な決まりはありません。共同相続人・包括受遺者全員で話し合えるならば、どのような方法でもかまいません。

相続財産の情報を共有して、各自希望を述べて調整していくことになります。

遺産分割協議書の取り交わし

遺産分割協議で話し合いがまとまった場合は、後日に言った言わないで紛争が再燃しないように、話し合いの内容をまとめた書面(遺産分割協議書)を作成しておきましょう

遺産分割協議書の書き方も決まりはありません。とは言え、解釈の余地があるような書き方だとトラブルの原因になりかねません。

遺産分割協議書の書き方に不安がある場合は、弁護士に作成してもらうことをお勧めします。または、公正証書にしておくのも良いでしょう。

遺産分割協議書は共同相続人全員分作成して、全部に全員が署名・押印し、各自1通ずつ保管するのが通常です。

ステップ3:遺産分割調停

遺産分割協議が上手くいかなかった場合は、裁判手続を使うことになります。具体的には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます

遺産分割調停の申立て

遺産分割調停の申し立て先は、相手方(自分以外の共同相続人)の住所地を管轄する家庭裁判所です。なお、共同相続人が合意すれば、自分たちで選んだ家庭裁判所に申し立てることも可能です。

遺産分割調停を申し立てると、家庭裁判所から共同相続人に指定した期日に出頭するよう呼び出しの書面が送られます。

調停期日での話し合い

家庭裁判所が指定した期日に、裁判所内で話し合いが行われます。遺産分割調停では、裁判官や裁判所が選任した調停委員が話し合いを進行します

調停の期日は、概ね月1回行われます。1回で話がつくことは少なく、数回は話し合いの期日が設けられるのが通常です。

調停調書の作成

遺産分割調停で話し合いがまとまると、裁判所によって、話し合いの内容をまとめた調停調書を作成してくれます

前記のとおり、この調停調書は債務名義となります。遺産分割で決めた内容に違反がある場合は、訴訟などを経ずに強制執行が可能です。

ステップ4:遺産分割審判への移行

遺産分割調停でも話し合いが上手くいかなかった場合、手続は自動的に審判に移行します。あらためて遺産分割審判を申し立てる必要はありません。

遺産分割審判に移行した場合も、それまで調停をしていたのと同じ裁判所で手続が行われます。

審判期日における主張・立証・審問

遺産分割審判では、共同相続人の主張・立証に基づいて、裁判所が遺産分割の内容を決定します

そのため、遺産分割審判では、共同相続人各自が主張とそれを裏付ける証拠を提出して立証をしなければなりません。また、裁判官が共同相続人に質問する審問も行われます。

遺産分割審判の告知

共同相続人の主張・立証が出尽くしたところで、その主張・立証や審問の結果をもとに、裁判所が遺産分割の内容を決定(審判)します

この遺産分割の審判書は、共同相続人全員に送付されます。

誰からも不服が申し立てられずに、遺産分割審判書が共同相続人全員に届いてから2週間経過すると、遺産分割審判は確定します。

ステップ5:遺産分割審判に対する不服申立て

共同相続人は、遺産分割審判書が届いてから2週間以内であれば、高等裁判所に不服を申し立てること(即時抗告)ができます

共同相続人から審判に不服が申し立てられると、高等裁判所で審理が行われます。この審理では、共同相続人各自がそれぞれ主張・立証します。

この主張・立証をもとに、高等裁判所が不服申立てを認めて審判を取り消すか、不服申立てを棄却するかの決定をくだします。

高等裁判所の決定に対しても、最高裁判所に不服を申し立てること(特別抗告)は可能です。

ただし、最高裁判所への特別抗告は、基本的に門前払いです。特別抗告が受理されるのは、憲法違反や極めて重大な判断が必要な場合に限られます。

遺産分割の手続で決めること

遺産分割の手続では、誰が、どの遺産を、どの程度の割合で取得するのか(具体的相続分)を決めなければいけません

遺産分割の対象を決める

遺産分割の対象になるのは、「遺産分割時に存在している遺産共有になる相続財産」です。

ただし、共同相続人全員の合意があれば、本来なら対象にならない財産や借金を遺産分割の対象に含めることも可能です。

例えば、遺産分割する前に共同相続人のひとりが処分してしまった遺産は、遺産分割の対象になりませんが、合意によって遺産分割の対象に含めることができます。

遺産の評価額や基準時を決める

遺産分割をする場合は、遺産の評価額も重要です。遺産の評価方法やどの時点の評価額を基準とするのかも、共同相続人全員の合意で決める必要があります

不動産や株式など価額に変動のある遺産がある場合は、評価方法や評価の基準時で揉めることも多いので、よく話し合って決めなければいけません。

遺産分割の評価は、遺産分割時を基準時とするのが通常ですが、共同相続人全員の合意で別の時点を基準時とすることも可能です。

具体的相続分を決める

相続分とは、共同相続人の相続財産全体に対する取り分の割合です。遺産分割では、誰がどの程度の割合で遺産を受け継ぐのか、具体的相続分を確定させなければいけません

相続分を指定する遺言がある場合は、遺言に従います。相続分の指定がない場合は、民法で定められた法定相続分を基本として決めることになります。

法定相続分は、同順位の相続人は人数に応じて按分です。配偶者と血族相続人がともに相続人である場合は、以下のとおりです。

共同相続人の構成法定相続分
配偶者と子がいる場合配偶者が2分の1
子が2分の1
配偶者と直系尊属がいる場合配偶者が3分の2
直系尊属が3分の1
配偶者と兄弟姉妹がいる場合配偶者が4分の3
兄弟姉妹が4分の1

ただし、遺産分割協議や調停の場合は、共同相続人全員が合意すれば、遺言による指定相続分や法定相続分とは異なる相続分にすることも可能です。

なお、遺産分割審判の場合は、指定相続分か、指定がない場合は法定相続分に従って、具体的相続分が決定されるのが通常です。

遺産分割の方法を決める

遺産分割では、それぞれの遺産の分割方法(遺産の分け方)も決める必要があります。遺産分割の方法には、以下の4つがあります。

遺産分割の方法(遺産の分け方)
  • 現物分割
    遺産の現物をそのまま分ける方法。最も基本的な分け方
  • 代償分割
    共同相続人の一部が遺産を取得する代わりに、他の共同相続人に代償金を支払って調整する方法
  • 換価分割
    遺産を換価して、換えたお金を分ける方法
  • 共有分割
    あえて遺産を共有のままにしておく方法。例外的な手段

遺言で遺産分割方法が指定されている場合は、その指定に従って遺産分割することになります

ただし、遺産分割協議や調停の場合は、共同相続人全員が合意すれば、遺言による指定とは異なる方法で分割することも可能です。

なお、遺産分割審判の場合は、遺言の指定に従って、遺産分割方法が決定されるのが通常です。

遺産分割した後の手続

遺産分割が完了した後は、共同相続人各自が遺産分割で取得した財産について相続手続を進めることになります

例えば、預金であれば、被相続人名義の預金を解約して払い戻しの手続を行います。また、不動産であれば、名義変更をするため登記をしなければいけません。

遺産分割の手続に関するよくある質問

ここでは、遺産分割の手続に関するよくある質問をQ&A形式で説明します。

いつまでに遺産分割しなければいけない?

Q
遺産分割はいつまでにしなければいけないの?
A

遺産分割には特別に期限はありません。とは言え、いつまでも放置していると不利益を被ることがあるため、早めに取り掛かる方がよいでしょう。

遺産分割には期限が決められていません。極端に言えば、相続が開始してから10年、20年経っていても遺産分割することは可能です(むしろ、しなければいけません。)。

しかし、いつまでも遺産分割せずに放置していると、以下のような不利益を受けます。

遺産分割を放置した場合のデメリット
  • 個々の相続財産が時効や法定の期限によって失われる可能性がある
  • 相続開始から3年以内に不動産の相続登記をしないと罰則を受ける
  • 相続開始から10年経過すると、特別受益や寄与分を主張できなくなる
  • 数次相続が発生して相続関係は著しく複雑になる

遺産分割しなければいけない相続財産がある場合は、できる限りすみやかに手続を進めることをお勧めします

遺産分割手続にはどのような書類が必要?

Q
遺産分割手続では、どのような書類が必要?
A

遺産分割手続では、亡くなった人(被相続人)や相続人であることを証明するための書類(戸籍など)のほか、相続財産に関する書類も必要となるのが一般的です。

遺産分割協議では必須の書類はありませんが、話し合いをするために相続人や相続財産に関する書類を用意するのが通常です。遺産分割調停や審判では、裁判所に提出しなければならない書類があります。

例えば、以下のような書類が必要となることがあります。

書類の種類必要書類
被相続人に関する書類・被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての一連の戸籍
・亡くなった時の住所地の住民票除票または戸籍の附表
共同相続人に関する書類・相続人の戸籍
・相続人の住民票
遺言がある場合・遺言書
遺産に預金がある場合・通帳・取引履歴
・相続開始時の預金残高証明書
・過去の取引明細書
遺産に不動産がある場合・不動産登記事項証明書
・固定資産評価証明書
・不動産の査定書や鑑定書
遺産に株式がある場合・取引残高報告書
遺産に自動車がある場合・自動車検査証(車検証)
・自動車の査定書
遺産に借金がある場合・借金の金銭消費貸借契約書
・債権者からの請求書など

法務局で法定相続情報一覧図を作成しておけば、戸籍集めは1回で済みます。法定相続情報一覧図は、裁判所の手続や実際の名義変更手続などでも使える場合が多いです。

遺産分割の手続の費用は?

Q
遺産分割の手続には、いくらくらいの費用がかかる?
A

遺産分割協議には書類集めの費用や交通費程度ですが、遺産分割調停や審判の場合は、裁判所に支払う費用も必要です。ただし、裁判所費用はそれほど高額ではありません。弁護士に依頼する場合には、弁護士費用が必要になります。

遺産分割協議は裁判外での話し合いです。そのため、戸籍などの必要書類を集めるための費用、話し合いの場に行くための交通費がかかることはありますが、特別な費用はありません。

他方、遺産分割調停や審判の場合は、以下の裁判所費用が必要です。

費用項目金額
裁判手数料(収入印紙代)1,200円
予納郵券(郵便切手代)3000円~1万円ほど
※裁判所によって異なります。

このように遺産分割の手続それ自体には、それほどの費用はかかりません

ただし、遺産分割協議書を公証人に作成してもらう場合や、弁護士に依頼する場合には、別途公証人や弁護士の費用が必要となります。これらが高額になる場合があります。

この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
この記事が参考になれば幸いです。

民法と資格試験

民法は、私法の基本法です。我々の生活に最も身近な法律です。

そのため、例えば、司法試験(本試験)、司法試験予備試験、司法書士試験、行政書士試験、宅建試験、マンション管理士試験・・・など、実に多くの資格試験の試験科目になっています。

これら法律系資格の合格を目指すなら、民法を攻略することは必須条件です。

とは言え、民法は範囲も膨大です。メリハリを付けないと、いくら時間があっても合格にはたどり着けません。効率的に試験対策をするには、予備校や通信講座などを利用するのもひとつの方法でしょう。

STUDYing(スタディング)
・司法試験・予備試験も対応
・スマホ・PC・タブレットで学べるオンライン講座
・有料受講者数20万人以上・低価格を実現

参考書籍

本サイトでも民法について解説していますが、より深く知りたい方や資格試験勉強中の方のために、民法の参考書籍を紹介します。

逐条解説 改正相続法
著者:堂薗幹一郎など 出版:商事法務
民法改正に対応した逐条解説書。相続を扱う実務家向けですが、持っていると何かと便利です。立法担当者や現役裁判官による著書であるため、内容に信頼性があります。

資格試験向けの参考書籍としては、以下のものがあります。

民法(全)(第3版補訂版)
著者:潮見佳男 出版:有斐閣
1冊で民法総則から家族法まで収録されています。基本書というより入門書に近いでしょう。民法全体を把握するのにはちょうど良い本です。

民法VI 親族・相続 (LEGAL QUEST)第8版
著者:前田陽一ほか  出版:有斐閣
家族法全体の概説書。条文・判例から書かれているので、学習の早い段階から利用できます。情報量もあるので、資格試験の基本書として十分でしょう。

親族・相続(伊藤真試験対策講座12)第4版
著者:伊藤真 出版:弘文堂
いわゆる予備校本。予備校本だけあって、実際の出題傾向に沿って内容が絞られており、分かりやすくまとまっています。民法は範囲が膨大なので、学習のスタートは、予備校本から始めてもよいのではないでしょうか。

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