この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
- Q債務整理するとどうなる?
- A
債務整理すると、借金返済の負担を減らす(またはゼロにする)ことができます。ただし、一定のデメリットや制限も存在します。どの程度借金返済の負担を減らせるのか、どのような制限を受けるのかは、任意整理・自己破産・個人再生のどの手続を選ぶのかによって違いがあります。
このページでは、債務整理するとどうなるのかについて、Q&A形式で説明します。
| 比較項目 | 任意整理 | 自己破産 | 個人再生 |
|---|---|---|---|
| 借金の負担の軽減 | 毎月の返済額を減額 利息のカット | 借金全額を帳消し 返済はゼロ | 借金総額を大幅減額 毎月の返済額も減額 |
| ブラックリストの期間 | 完済から5年間 | 免責許可から5年間 または、破産手続開始から7年間 | 完済から5年間 または、再生手続開始から7年間 |
| 財産の処分 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 仕事への影響 | なし | あり(一定の公的資格が制限される) | なし |
| 家族への影響 | なし | なし | なし |
| 官報への掲載 | なし | あり | あり |

債務整理とは何か?
- Q債務整理とは何か?
- A
債務整理とは、借金返済の問題を法的に解決する方法の総称です。具体的な方法としては、主として、任意整理・自己破産・個人再生の3つがあります。
借金などの債務が膨れ上がって多重債務になってしまった場合、これを解決するための法的手段のことをまとめて「債務整理」と呼んでいます。
この債務整理には、主として「自己破産」「個人再生(個人民事再生)」「任意整理」の3つの方法があります。
債務整理にはどのような方法がある?
- Q債務整理にはどのような方法がある?
- A
債務整理には、主として、任意整理・自己破産・個人再生の3つの方法があります。また、状況に応じて、過払い金返還請求・消滅時効の援用・相続放棄などの制度を利用して債務整理する場合もあります。
債務整理には、主として「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3つの方法があります。
この他にも、過払い金返還請求・消滅時効の援用・相続放棄などを使って債務整理を行う場合もあります。詳しくは、下記リンク先ページも参照してください。
おまとめローンや借り換えとの違いは?
- Q債務整理とおまとめローン・借り換えとの違いとは?
- A
借り換え・おまとめローンの場合、毎月の返済額や金利は下がるものの、根本的に借金返済の問題を解決できるわけではありません。他方、債務整理の場合は、借金の減額や免除により根本的な解決が可能です。
借り換えやおまとめローンは借金を借金で返す方法であるのに対して、債務整理は、交渉や裁判所の手続を使って借金の減額や免除を目指す方法です。
借り換えとは、新たに借り入れたお金で従前の借金を返済する方法です。複数の借金を1つの新たな借入れ先で借り換えし、返済先を1社にまとめるのがおまとめローンです。
借り換えやおまとめローンは、借金で借金を返す方法であるため、毎月の返済額や利息の金利は下がるかもしれませんが、借金の総額は増えます。一時的な対処であるため、抜本的な解決にはなりません。
他方、債務整理の場合は、毎月の返済額だけでなく借金総額の減額・免除が可能であり、完済までの道のりが明確です。
借金生活の抜本的な解決を目指すのであれば、債務整理を選んだ方がよいでしょう。
どのようなメリットがあるのか?
- Q債務整理にはどのようなメリットがある?
- A
債務整理には、借金の負担を軽減でき、貸金業者や債権回収会社からの取立て・督促をストップさせられるメリットがあります。また、選ぶ手続によってさらに違うメリットもあります。
任意整理・自己破産・個人再生に共通するメリットには、以下のものがあります。
- 借金返済の負担を軽減できる
- 貸金業者や債権回収会社からの取立てがストップする
言うまでもなく、債務整理の一番のメリットは借金返済の負担を軽減できることです。
- 任意整理:毎月の返済額を軽減
- 個人再生:借金総額・毎月の返済額をともに大幅に軽減
- 自己破産:借金全額をすべて帳消し
また、弁護士が債務整理を始める旨の通知(受任通知)を送ると、債権者(特に貸金業者や債権回収会社)からの取立てがストップします。
これら共通のメリットのほか、それぞれの方法にはまた違ったメリットもあります。
借金・債務はどうなるのか?
- Q債務整理すると借金などの債務はどうなる?
- A
債務整理すると、毎月の返済額を減らしたり、借金の総額を減らす(または帳消しにする)ことができます。どの程度減免できるかは、任意整理・自己破産・個人再生のどれを選択するのかによって異なります。
債務整理すると、借金・債務の毎月の返済額や総額を減らす(または帳消しにする)ことができます。具体的には、以下のとおりです。
- 任意整理
借金を長期分割払い(一般的には3年〜5年)にすることにより、毎月の返済額を軽減 - 個人再生
借金総額を大幅に軽減(概ね5分の1〜10分の1まで減額可能)した上で、長期分割払い(3年〜5年)にすることにより、毎月の返済額も軽減 - 自己破産
借金全額をすべて帳消し(返済はゼロになる)
滞納税金や国民健康保険料・国民年金保険料も債務整理できる?
- Q債務整理すると、滞納している税金・国民健康保険料・国民年金保険料も債務整理できる?
- A
いいえ。滞納税金や国民年金保険料・国民健康保険料などは、債務整理できません。
自己破産や個人再生をしても、税金・国民健康保険料・国民年金保険料は減免されません。任意整理も、税金などは対象外です。
そのため、税金等の滞納や支払いが厳しい場合には、税務署や市区町村役場・年金事務所などの関係機関に相談し、分納や有余の措置をとる必要があります。
奨学金も債務整理できる?
- Q奨学金も債務整理できる?
- A
はい。奨学金も債務整理で減免できます。ただし、保証人・連帯保証人がいる場合には、その保証人等が貸主から請求を受けます。
奨学金も、任意整理・自己破産・個人再生することは可能です。
とは言え、奨学金はそもそも返済期間が長く利息も小さいので、任意整理する意味はあまりないでしょう。選ぶとすれば自己破産か個人再生です。
ただし、親族が保証人や連帯保証人になっている場合に奨学金を債務整理すると、その保証人などに請求(分割ではなく一括請求)される可能性があります。
保証人などへ請求されるのを避けるには、任意整理で奨学金だけを対象から外す以外にないでしょう。
住宅ローンも債務整理できる?
- Q住宅ローンも債務整理できる?
- A
はい。住宅ローンも、債務整理(自己破産や個人再生)することは可能です。ただし、住宅ローンで購入した住宅は、ローン会社によって競売にかけられて売却処分されます。
住宅ローンを自己破産や個人再生の対象にすることは可能です(任意整理はそもそも意味がない上、住宅ローン会社が応じないケースが多いです。)。
ただし、住宅ローンを債務整理の対象にすると、住宅はローン会社によって競売にかけられ売却処分されます(自己破産の場合は、破産管財人によって任意売却処分されることもあります。)。
住宅を失いたくない場合は、以下の方法をとる必要があります。
自動車ローンも債務整理できる?
- Q自動車ローンも債務整理できる?
- A
はい。自動車ローンも債務整理(自己破産・個人再生)できます。ただし、所有権留保が付いている場合は、ローン会社によって自動車を引き揚げられます。
自動車ローンを自己破産や個人再生の対象にすることは可能です(任意整理はそもそも意味がない上、自動車ローン会社が応じないケースが多いです。)。
ただし、所有権留保(車検証の所有者名義がローン会社や販売会社のままになっている場合)、自動車ローンを債務整理の対象にすると、自動車はローン会社によって引き揚げられます。
自動車を失いたくない場合は、以下の方法をとる必要があります。
- 任意整理を選んで、自動車ローンだけ対象から外す
- 個人再生を選んで、別除権協定を利用し、自動車ローンだけ対象から外す(ただし、認められるケースはかなり少ない)
- 親族などの援助で自動車ローンを完済してもらう
ショッピングローンも債務整理できる?
- Qショッピングローンも債務整理できる?
- A
はい。ショッピングローンも債務整理できます。ただし、ローンで購入した商品がローン会社によって引き揚げられる場合があります。
自動車以外のショッピングローン(商品物販ローン)を自己破産や個人再生の対象にすることは可能です(任意整理はそもそも意味がないケースが多いです。)。
ただし、商品によっては、物販ローンを債務整理の対象にすると、ローン会社に商品を引き揚げられることがあります(価値の低いものや引き揚げコストが大きいものは、引き揚げないことも多いです。)。
ローンで購入した商品を失いたくない場合は、以下の方法をとる必要があります。
- 任意整理を選んで、自動車ローンだけ対象から外す
- 個人再生を選んで、別除権協定を利用し、物販ローンだけ対象から外す(ただし、認められるケースはかなり少ない)
- 親族などの援助で物販ローンを完済してもらう
返済をストップできる?
- Q債務整理すると借金の返済をストップできる?
- A
はい。弁護士に依頼して債務整理を行う場合、返済はすべてストップします。
弁護士に依頼して債務整理をする場合、任意整理で和解が成立・個人再生で再生計画が認可されるまで返済をストップさせるのが通常です。
返済をストップすることにより、借金の総額を確定させるためです。また、不公平な返済を防ぐ意味もあります。
なお、弁護士が債務整理を開始することを知らせる通知(受任通知・介入通知)を送付すると債権者からの直接の取立てもストップするので、返済を止めても取立てを受ける心配はありません。
支払いが再開されるのは、任意整理であれば和解が成立した後、個人再生であれば再生計画が認可された後です(自己破産の場合は免責が許可されれば返済はなくなります。)。
債権者からの取立てはどうなるのか?
- Q債務整理すると、債権者からの取立て・督促はどうなる?
- A
弁護士が受任通知を送ると、債権者からの電話・訪問・郵便などによる直接の取立てはストップします(貸金業者や債権回収会社からの取立ては法律に基づいて必ず止まります。)。
債務整理を弁護士に依頼すると、依頼後すぐに、弁護士等が、債務整理を開始することを知らせる通知(受任通知・介入通知)を各債権者に送付します。
この受任通知を送付すると、債権者からの電話・訪問・FAX・手紙などによる直接の取立てはストップします。以降の連絡窓口はすべて弁護士になります。
特に、消費者金融(サラ金)やクレジットカード会社(信販会社)などの貸金業者や債権回収会社(サービサー)は、法律で取立て禁止とされているため、確実に取立てが止まります。
債権者からの訴訟提起や給料差し押さえも止められる?
- Q債務整理すると、債権者からの訴訟提起や給料差押えなどの裁判も止められる?
- A
いいえ。受任通知を送っただけでは訴訟や差押えなどの裁判手続まで止めることはできません。ただし、数か月は裁判するのを待ってくれるのが通常です。
弁護士が送る受任通知には、直接の取立てを停止させる効果はあるものの、訴訟や強制執行などの裁判を利用することまで停止させる効果はありません。
そのため、受任通知後に、債権者から貸金返還等の裁判(訴訟など)や給料の差押えの裁判を起こされることはあります。
ただし、債務整理を始めた途端に訴えてくるような業者はほとんどいません。一定期間は裁判をすることを待ってくれるのが通常です。
とは言え、いつまでも待ってくれるわけではありません。できる限り早く債務整理の手続を進めるのが、裁判を避けるための一番の方法です。
すでに提起されている訴訟はどうなるのか?
- Q債務整理すると、すでに債権者から提起されている訴訟はどうなる?
- A
すでに提起されている訴訟を止めるには、自己破産・個人再生の裁判手続を開始してもらう必要があります。任意整理の場合は、訴訟の手続で相手方と和解することになるでしょう。
すでに訴訟を提起されていたとしても、債務整理することは可能です。
ただし、すでに提起されている訴訟を止めるには、裁判所に自己破産を申し立て、裁判手続を開始してもらうほかありません(個人再生の場合は、強制的に止めることはできないものの、裁判手続が始まると、訴訟を取り下げてくれるのが通常です。)。
任意整理の場合は、判決が下される前に、訴訟の場で和解に持ち込む必要があります。
訴訟提起される前に債務整理を始める方が、判決をとられて強制執行されるなどのリスクを小さくできます。
すでに始まっている給料の差押えはどうなるのか?
- Q債務整理すると、すでに始まっている給料の差押えはどうなる?
- A
すでに始まっている給料差押えを止めるには、自己破産・個人再生の裁判手続を開始してもらう必要があります。任意整理の場合は、相手方と和解して給料差押えを取り下げてもらうほかありません。
すでに給料差押えが始まっている場合、自己破産または個人再生の裁判手続を裁判所に開始してもらう以外に止める方法がありません。
給料差押えされていると、任意整理では止められない上、和解することも難しくなります。
給料差押えされるまで事態を放置せず、早めに債務整理に取り掛かりましょう。
払い過ぎたお金(過払い金)が戻ってくる?
- Q債務整理すると払い過ぎたお金(過払い金)が戻ってくる?
- A
はい。債務整理によって過払い金が返ってくるケースがあります。ただし、常に返ってくるわけではなく、2010年(平成22年)頃よりも前から消費者金融などと取引を続けていた場合に限られます。
債務整理をすると、過去に払い過ぎたお金(過払い金)を消費者金融やクレジットカード会社などから取り返せることがあります。
ただし、過払い金が発生するのは、2010年(平成22年)頃よりも前から、利息制限法に違反する金利(利率)で貸し借りの取引を継続していた場合に限られます。
そのため、現在では、過払い金が発生するケースはかなり少ないでしょう。
どのようなデメリットがあるのか?
- Q債務整理のデメリットとは?
- A
任意整理・自己破産・個人再生には、それぞれ異なるデメリットがありますが、共通するデメリットとして、ブラックリストへの登録があります。
いわゆるブラックリストの登録とは、信用情報機関が保有する個人信用情報に、返済能力を疑わせる事故情報が掲載されることです。債務整理をすると、事故情報が信用情報に記載されます。
金融機関はこの信用情報をチェックしてお金を貸し出すかどうかを判断するため、事故情報が掲載しれている人について審査を通さないでしょう。
そのため、債務整理すると、新たな借入れ、ローンを組むこと、クレジットカードの利用は非常に難しくなります。
ただし、一生ブラックリストに登録されるわけではありません。一定期間が経過すると、事故情報は削除されます。具体的には、以下の期間が経過すると事故情報は削除です。
- 任意整理:完済から5年
- 自己破産:免責許可から5年(または破産手続開始から7年)
- 個人再生:完済から5年(または再生手続開始から7年)
新規の借金ができなくなる?
- Q債務整理すると新規で借入れすることができなくなる?
- A
はい。債務整理すると信用情報に事故情報が掲載されるため、新規で借入れをすることは非常に難しくなります。
債務整理すると、個人信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が掲載されます。
金融機関は、信用情報を確認して貸付けをするか否かを審査するため、事故情報が掲載されていると審査を通さないでしょう。
そのため、債務整理すると、事故情報が消えるまで、新たに借入れをすることは非常に難しくなります。
- 任意整理:完済から5年
- 自己破産:免責許可から5年(または破産手続開始から7年)
- 個人再生:完済から5年(または再生手続開始から7年)
新規で自動車ローンや住宅ローンなどを組めなくなる?
- Q債務整理すると新規で自動車ローンや住宅ローンなどを組めなくなる?
- A
はい。債務整理すると信用情報に事故情報が掲載されるため、新規で自動車ローンや住宅ローンを組むことは非常に難しくなります。
債務整理すると、個人信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が掲載されます。
金融機関は、信用情報を確認して貸付けをするか否かを審査するため、事故情報が掲載されていると審査を通さないでしょう。
そのため、債務整理すると、事故情報が消えるまで、新たに自動車ローンや住宅ローンなどの各種ローンを組むことは非常に難しくなります。
- 任意整理:完済から5年
- 自己破産:免責許可から5年(または破産手続開始から7年)
- 個人再生:完済から5年(または再生手続開始から7年)
クレジットカードが使えなくなる?
- Q債務整理するとクレジットカードが使えなくなる?
- A
はい。債務整理すると信用情報に事故情報が掲載されるため、既存のクレジットカードはすべて使えなくなり、新規でクレジットカードを作成することも非常に難しくなります。
債務整理の対象になったクレジットカードは、カード会社によって強制解約されます。
また、債務整理すると、個人信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が掲載されます。金融機関は、クレジットカード利用者の信用情報を定期的に確認しているため、債務整理の対象にしなかったカードもいずれ使えなくなるでしょう。
そのため、債務整理すると、保有しているクレジットカードはすべて使えなくなります。
同様に、事故情報が消えるまで、新たにクレジットカードを作成することも非常に難しくなります。
- 任意整理:完済から5年
- 自己破産:免責許可から5年(または破産手続開始から7年)
- 個人再生:完済から5年(または再生手続開始から7年)
クレジットカード払いにしていたものはどうなる?
- Q債務整理すると、クレジットカード払いにしていたものはどうなる?
- A
債務整理するとクレジットカードが使えなくなるため、カード払いも止まります。必要なものは、あらかじめ支払方法を変更しておく必要があります。
前記のとおり、債務整理すると、債務整理の対象にしたか否かにかかわらず、クレジットカードは使えなくなります。そのため、クレジットカード払いも止まります。
必要なものは、支払方法をクレジットカード払いから預金口座からの引き落としや振込用紙払いなどに変更しておきましょう。
例えば、以下のようなものがクレジットカード払いになっていないか確認してみてください。
- 電気・ガス・水道などの公共料金
- 携帯電話・スマートフォン・インターネット料金などの通信費
- 生命保険・自動車保険などの保険料
家・部屋を借りることができなくなるのか?
- Q債務整理すると家・部屋を借りれなくなる?
- A
いいえ。債務整理をしたからといって、新たに家を借りれなくなることはありません。ただし、信販会社系列の賃貸保証会社がつけられている場合は、審査に通りにくくなる可能性はあります。
基本的に、債務整理をしたからといって、家・部屋を借りれなくなるわけではありません。
ただし、部屋を借りる際につけられる保証会社が信販会社系列の場合、信用情報を確認するため、賃貸の審査に通らず部屋を借りれないケースがあります。
債務整理すると信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が掲載されるため、これを確認した保証会社に返済能力がないと判断されるからです。
債務整理後に新たに家・部屋を借りる際は、信販会社系ではない保証会社にしてもらうか、通常の親族保証人などに変えてもらうことが必要となるケースもあります。
任意整理にはどのようなデメリットがあるのか?
- Q任意整理にはどのようなデメリットがある?
- A
任意整理は、裁判手続でないため利用条件が厳しくなく柔軟な対応が可能となる反面、一定のデメリットも存在します。
任意整理は、裁判手続でないため利用条件が厳しくなく柔軟な対応が可能となる反面、一定のデメリットも存在します。具体的には、以下のようなデメリットがあります。
- ブラックリスト(事故情報)完済から5年間程度登録されて、新規の借入れ・ローンを組むこと・クレジットカードの利用が難しくなること
- 借金の元本を減額することは難しい
- 返済額が高額になる場合があること
- 強制力がないため,任意整理困難な貸金業者などがいると失敗に終わる可能性があること
自己破産や個人再生に比べると、デメリットは少ないですが、それほど大きな効果が見込めないのも事実です。デメリットが少ないからと言って、無理な任意整理は禁物です。
自己破産のデメリットとは?
- Q自己破産にはどのようなデメリットがある?
- A
自己破産は借金・債務を帳消しにできる強力な効力・メリットがある反面、いくつかのデメリットが存在します。
自己破産は借金・債務を帳消しにできる強力な効力・メリットがある反面、一定のデメリットも存在します。具体的には、以下のようなデメリットがあります。
- ブラックリスト(信用情報の事故情報)に5~7年間程度登録されて、新規の借入れ・ローンを組むこと・クレジットカードの利用が難しくなること
- 生活必需品等を除く財産を処分しなければならないこと
- 自己破産をしたことが官報に公告されること
- 破産手続中は公的な資格を使った仕事ができなくなること
- 破産手続中は住居を自由に移転できなくなること
- 破産手続中は郵便物が破産管財人によって調査されること
- 免責不許可になった場合には、自己破産したことが市町村役場に通知されること
ただし、自己破産のデメリットには誤解されている部分も少なくありません。正確な情報を把握しておく必要があります。
個人再生のデメリットとは?
- Q個人再生にはどのようなデメリットがある?
- A
個人再生は、財産を処分せずに借金・債務を大幅に減額にできる強力な効力・メリットがある反面、一定のデメリットも存在します。
個人再生は、財産を処分せずに借金・債務を大幅に減額にできる強力な効力・メリットがある反面、一定のデメリットも存在します。具体的には、以下のようなデメリットがあります。
- ブラックリスト(信用情報の事故情報)に5~7年間程度登録されて、新規の借入れ・ローンを組むこと・クレジットカードの利用が難しくなること
- 個人再生をしたことが官報に公告されること
- 利用のための要件が厳格であること
- 手続きが複雑なうえに自ら進めていかなければならないこと
これらのデメリットがあることを踏まえて、個人再生を選択するかどうかを決める必要があるでしょう。
官報に掲載されてしまうのか?
- Q債務整理すると官報に掲載される?
- A
任意整理の場合は官報に掲載されることはありませんが、自己破産と個人再生の場合には、氏名・住所が官報に掲載されます。
官報とは、国の機関誌です。自己破産や個人再生の場合、関係者に手続への参加機会を与えるため、官報で公に告知(公告)されます。
他方、任意整理の場合は、官報に公告されることはありません。
なお、官報は誰でも見ることができるとは言え、定期的に確認している人は、金融機関・警備会社・保険会社などに限られます。官報から債務整理していることを家族や周囲の人に知られる可能性は小さいでしょう。


保証人・連帯保証人にはどのような影響を生じるのか?
- Q債務整理すると保証人・連帯保証人にはどのような影響を生じる?
- A
保証人・連帯保証人がついている借金を債務整理すると、その保証人や連帯保証人に、残額を一括で代わりに支払うよう請求されることがあります。
保証人や連帯保証人の付いている借金を債務整理すると、貸主は、保証人や連帯保証人に債務整理した本人に代わって支払うよう請求します。
保証人や連帯保証人への請求を避けるには、任意整理を選んで、保証人などがついている借金だけ対象から外す以外にありません。
場合によっては、保証人や連帯保証人も一緒に債務整理することも検討しなければならないケースもあるでしょう。
本籍地の役所に債務整理したことが通知されてしまうのか?
- Q債務整理すると、本籍地の役所に通知される?
- A
いいえ。債務整理をしたからと言って、本籍地の役所に債務整理をしたことが通知されてしまうことはありません。
債務整理をしたからと言って、本籍地の役所に債務整理をしたことが通知されてしまうことはありません。自己破産や個人再生でも同じです。
なお、例外的に、自己破産をして免責が不許可になってしまった場合には、本籍地の役所に自己破産をしたことが通知されてしまうことがあります。(最高裁民三第000113号平成16年11月30日最高裁判所事務総局民事局長通達)。
とは言え、自己破産で免責不許可になるのは、よほどの場合だけです。したがって、それほど心配することはないでしょう。
任意整理や個人再生では、一切通知されません。
選挙権もなくなってしまうのか?
- Q債務整理すると選挙権もなくなる?
- A
いいえ。債務整理しても選挙権はなくなりません。
債務整理をしたからといって、選挙権がなくなるようなことはありません。自己破産の場合でも同様です。
債務整理に失敗するのはどのような場合?
- Q債務整理に失敗するのはどのような場合?
- A
自己破産や個人再生で失敗するのは、法律で定められている条件(要件)を満たしていない場合です。任意整理の失敗は、収入が足りないか、または交渉が上手くいかなかった場合です。
任意整理の場合、返済可能な収入がなければ失敗します。仮に債権者と和解できても、収入が少ないと、途中で返済に行き詰まって失敗するケースも多いです。無理に任意整理するのはやめておいた方がよいでしょう。
自己破産や個人再生は裁判手続であるため、法律で定める要件を満たしていなければ失敗します。
自己破産や個人再生の要件は、下記リンク先ページを参照してください。
持っている財産はどうなるのか?
- Q債務整理すると持っている財産はどうなる?
- A
ローンの残っている財産は、ローン会社により処分される場合があります。ローンの残っていない財産は、任意整理や個人再生では財産を強制的に処分されることはありませんが、自己破産では、生活に必要最低限のものを除いて、裁判所により処分されます。
自動車ローンや住宅ローンなどの物販ローンを債務整理すると、ローン会社によって、商品が引き揚げられたり、競売にかけられたりします。
ローンが残っていない財産の場合は、以下のとおりです。
補足:自己破産しても処分されない財産
なお、自己破産しても処分しなくてよい自由財産には、以下のものがあります。
- 破産手続開始後に取得した新得財産(破産法34条1項)
- 差押禁止財産(破産法34条3項2号)
- 99万円以下の現金(破産法34条3項1号)
- 裁判所によって自由財産の拡張が認められた財産(破産法34条3項4号)
- 破産管財人によって破産財団から放棄された財産(破産法78条2項12号)
また、各地の裁判所ごとに、上記の他にも自由財産として扱ってもらえるものがあります。例えば、東京地方裁判所では、以下の財産も自由財産として扱われています。
- 残高(複数ある場合は合計額)が20万円以下の預貯金
- 見込額(数口ある場合は合計額)が20万円以下の生命保険解約返戻金
- 処分見込額が20万円以下の自動車
- 居住用家屋の敷金債権
- 電話加入権
- 支給見込額の8分の1相当額が20万円以下の退職金債権
- 支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7相当額
- 家財道具
どのような財産が自由財産として扱われるのかについては、裁判所によって運用が異なる場合があります。あらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。
持っている預金口座は使えなくなる?
- Q債務整理すると、持っている預金口座は使えなくなる?
- A
銀行や信用金庫などからの借金を債務整理すると、その銀行や信用金庫などの預金口座は一時的に凍結されて使えなくなります。ただし、一定期間が経過すれば再び使えるようになります。
債務整理の対象にした銀行や信用金庫などの預金口座は、一時的に凍結されて使えなくなります。ただし、債権回収会社に債権譲渡されたり、債務整理手続が完了したりすれば、再び使えるようになります。
もっとも、凍結されている間は、入金は可能なものの出金できません。預金口座に残高があると、自動的に借金の返済に充てられます(相殺)。そのため、債務整理をする前に、あらかじめ以下の対処をしておく必要があります。
- 給料や年金などの振込先を、借金のない金融機関の預金口座に変更する
- 家賃や光熱費・通信費などの支払方法を、借金のない金融機関の預金口座からの引き落としや振込用紙払いなどに変更する
持っている預金口座を解約されてしまうのか?
- Q債務整理すると、持っている預金口座を解約される?
- A
任意整理や個人再生では、銀行預金を解約されることはありません。自己破産の場合も、特別な事情がなければ、銀行預金を解約されることは少ないでしょう。
任意整理や個人再生では、預金口座を解約されることはありません。債務整理で銀行や信用金庫などの預金口座を解約される可能性があるのは、自己破産だけです。
もっとも、自己破産の場合も、預金の合計額が20万円以下であれば、口座解約されることはないでしょう。なお、裁判所によって基準が異なる可能性があるので、念のため、弁護士に相談して確認した置いた方がよいでしょう。
預金口座・通帳を作れなくなるのか
- Q債務整理すると預金口座を開設できなくなる?
- A
いいえ。債務整理しても、新たに預金口座を開設して通帳を作ることは可能です。
債務整理したからと言って、預金口座を開設できなくなることはありません。債務整理しても、新たに預金口座を開設して通帳を作ることは可能です。自己破産でも同様です。
所有している持ち家や敷地はどうなるのか?
- Q債務整理すると、所有している持ち家や土地はどうなる?
- A
任意整理や個人再生であれば、持ち家や敷地を失わずに債務整理することが可能ですが、自己破産の場合は持ち家や敷地を失うことになります。
任意整理や個人再生では財産を処分しなくてよいので、持ち家や敷地が強制的に処分されることはありません。
住宅ローンが残っている場合でも、任意整理や住宅資金特別条項を使った個人再生で住宅ローンだけ整理の対象から外せば、持ち家・敷地を失わずに済みます。
他方、自己破産の場合、住宅ローンのない住宅は裁判所が選任した破産管財人によって売却処分され、住宅ローンの残っている住宅はローン会社に競売にかけられるので、持ち家や敷地を残すことはできません。
| 債務整理の種類 | 住宅ローンが残っていない持ち家・敷地 | 住宅ローンが残っている持ち家・敷地 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 処分されない | 住宅ローンを対象から外せば処分されない |
| 個人再生 | 処分されない | 住宅ローンを対象から外せば処分されない |
| 自己破産 | 処分される | 処分される |
賃借している借家・アパート・マンションから追い出される?
- Q債務整理すると、借りているアパートやマンションから追い出される?
- A
いいえ。家賃を支払っている限り、債務整理しても、借りている借家・アパート・マンションから追い出されることは原則としてありません。
債務整理しても、ちゃんと家賃を払っていれば、今住んでいる借家・アパート・マンションから追い出される心配はありません。
ただし、家賃を数か月滞納している場合には、賃貸人(大家・オーナー)によって賃貸借契約を解約されて、退去を求められることがあります。
所有している自動車はどうなるのか?
- Q債務整理すると、所有している自動車はどうなる?
- A
任意整理・自己破産・個人再生のいずれでも自動車を残せるケースがあります。
自動車ローンの残っていない自動車の場合、任意整理や個人再生であれば、自動車を維持できます。自己破産でも、査定価格が20万円以下であれば、処分せずに済む場合が多いです(裁判所によって異なります。)。
自動車ローンの残っている自動車の場合、ローンを債務整理すると、自動車はローン会社に引き揚げられますが、以下の方法で自動車を残せるケースがあります。
- 任意整理で、自動車ローンを対象から外す
- 個人再生で、別除権協定を利用して、自動車ローンだけ対象から外す(ただし、認められるケースは少ない)
- 家族・親族に援助で自動車ローンを完済してもらった上で個人再生または自己破産する


加入中の生命保険や学資保険などは解約される?
- Q債務整理すると、加入中の生命保険や学資保険などは解約される?
- A
任意整理や個人再生の場合、加入している生命保険などが解約されることはありません。自己破産の場合も、解約返戻金見込額が20万円以下であれば、解約されないことが多いです。
任意整理や個人再生の場合は、加入している生命保険や学資保険などの各種保険が解約されることはありません。
自己破産の場合も、解約したら返ってくるお金(解約返戻金)の見込み額が20万円以下であれば、解約されずに済むことが多いです(裁判所によって異なります。)。
給料を取り上げられる?
- Q債務整理すると給料を取り上げられる?
- A
いいえ。債務整理しても給料を取り上げられることはありません。自己破産でも同様です。
債務整理をしても、給料に影響はありません。
任意整理や個人再生はもちろん、自己破産の場合でも、給料が裁判所の選任した破産管財人によって差し押さえられるようなことはありません。
退職金をもらえなくなる?
- Q債務整理すると退職金をもらえなくなる?
- A
いいえ。債務整理をしても退職金はもらえます。ただし、自己破産や個人再生の場合は、退職金見込み額によって減額率に影響したり、裁判所に納める引継予納金の額が増えるケースがあります。
任意整理をしても、退職金には何の影響も生じません。
個人再生の場合、退職金自体に影響はないものの、退職金の見込み額が、借金をどのくらい減額できるかに影響を及ぼすことがあります。退職金見込み額が大きいと、個人再生してもあまり減額できないケースがあります。
自己破産の場合も、退職金がもらえなくなるようなことはありません。ただし、退職金見込み額の8分の1の金額を裁判所に引継予納金として納めなければならない場合があります。
公的な年金や確定拠出年金はどうなるのか?
- Q債務整理すると公的な年金や確定拠出年金はどうなる?
- A
債務整理をしても、公的年金や確定拠出年金には何も影響しません。自己破産しても処分されません。
債務整理をしても、国民年金や厚生年金などの公的年金や、確定拠出企業年金・確定給付型企業年金・厚生年基金・国民年金基金などには影響ありません。自己破産でも同様です。
債務整理をした後も通常どおり受給できますし、処分されることもありません。
携帯電話・スマートフォンを解約されるのか?
- Q債務整理すると、携帯電話やスマートフォンを解約される?
- A
携帯電話・スマートフォンの本体代金の分割払いが残っているかどうかによって、解約されるか否かの結論に違いが生じる可能性があります。
本体代金の分割払いが残っていない場合は、任意整理・個人再生・自己破産のどれを選んでも携帯電話やスマートフォンはそのまま使い続けられます。
一方、本体代金の分割払いが残っている場合は、その支払いを債権者として扱うべきかどうかによって話が違ってきます。
債権者としなければいけないとすると、自己破産や個人再生の場合は、携帯電話・スマートフォンの契約が解約されて使えなくなる可能性があります。任意整理の場合は、本体代金を外せばよいだけです。
分割代金が残っている場合は、自己破産や個人再生をするなら、あらかじめ一括払いで買える格安SIMなどに変えておくのが無難です。
家族にはどのような影響を生じるのか?
- Q債務整理すると家族にどのような影響がある?
- A
債務整理をしたことによって影響を受けるのは債務者本人だけです。家族に直接の影響は生じません。
債務整理の影響が生じるのは、債務整理をした債務者本人です。家族に直接的な影響は生じません。信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載されるのも、本人だけです。
また、家族の結婚・就職・進学などに影響することもないでしょう。
ただし、以下の場合には、間接的に影響を及ぼすことがあります。
| ケース | 家族への影響 |
|---|---|
| 家族が借金の保証人や連帯保証人になっている場合 | 家族が貸主から代わりの支払いを請求される |
| 家族からの借金だけ返済した場合 | 自己破産の場合、裁判所が選任した破産管財人からお金の返還を請求される |
| 家族に財産の名義を変更していた場合 | 自己破産の場合、裁判所が選任した破産管財人から財産の返還を請求される |
| 債務整理(特に自己破産)したことによって財産を失った場合 | 家族も財産を使えなくなる |
| クレジットカードに付帯する家族カードを使っていた場合 | 家族カードも使えなくなる |
家族が借金を肩代わりしなければいけない?
- Q債務整理すると家族が借金を肩代わりしなければいけない?
- A
いいえ。債務整理しても家族が借金を肩代わりする必要はありません。ただし、家族が借金の保証人・連帯保証人になっている場合は、肩代わりする必要があります。
債務整理をしても、家族が借金を肩代わりする必要はありません。
ただし、家族が借金の保証人・連帯保証人になっている場合は、家族が債務整理した人に代わって借金の支払いをしなければならなくなります。
連帯保証人等になっている家族に迷惑をかけたくない場合は、任意整理を選択して、保証が付いている借金だけ外すほかないでしょう。
家族の進学・就職・結婚に悪影響がある?
- Q債務整理すると、家族の進学・就職・結婚などに悪影響がある?
- A
いいえ。債務整理しても、家族の進学・就職・結婚などには影響がないと考えておいて問題ないでしょう。
債務整理をしても、官報公告や信用情報への事故情報の掲載などはすべて債務整理した本人だけに生じます。家族が官報公告や事故情報掲載されることはありません。
また、戸籍や住民票などに債務整理したことが記載されることもありません。
そのため、債務整理しても、家族の進学・就職・結婚には法的な影響はないと考えておいて差し支えないでしょう。
ただし、子供の進学で奨学金を組む際、債務整理をした人は保証人・連帯保証人になることができないことがあります。その場合は、他の親族にお願いするか、保証会社による機関保証に変更するなどの対応が必要になります。
家族に知られてしまうのか?
- Q債務整理したことは家族に知られる?
- A
債務整理したことを家族に知られる可能性は大きくありません。とは言え、必ず知られずに済むとは限りません。
債務整理をしたら必ず家族や周囲の人に知られるわけではありません。知られずに終わる場合の方が多いでしょう。
ただし、絶対に知られないとは言えません。例えば、以下の場合は、家族や周囲の人に知られることになる可能性が高いです。
- 家族や周囲の人から借金している場合(※)
- 家族や周囲の人が保証人や連帯保証人になっている借金がある場合(※)
- 債権者から訴えられて、自宅に裁判所から訴状が届いた場合
- 債権者に財産や給料を差し押さえられた場合
- 債務整理する前後に、家族や周囲の人に財産を移した場合(自己破産や個人再生)
- 家族や周囲の人が、官報を確認する仕事などをしている場合(自己破産や個人再生)
※:任意整理を選んで、対象から外せば知られることを回避できます。
生活再建を図るためには、家族の協力が必要です。したがって、隠すのではなく、事前に債務整理をすることを伝え、協力を仰ぐ方が望ましいでしょう。
就けなくなる職業・仕事があるのか?
- Q債務整理すると就けなくなる職業・仕事がある?
- A
任意整理や個人再生では就職・職業には影響しませんが、自己破産の場合、免責が許可されるまで、一定の資格を使った仕事ができなくなります。
任意整理や個人再生の場合には、職業・資格の制限がないので、就けなくなる職業や仕事はありません。
他方、自己破産の場合、裁判所の手続が開始されると、一定の公的資格(例えば、警備員、保険外交員、各種の士業など)が使えなくなります(資格制限)。そのため、公的資格を使う仕事や職業に就けなくなります。
ただし、一生制限されるわけではなく、裁判所で免責が許可されると制限は解除され、再び資格を使う仕事や職業に就けるようになります。
会社の取締役になることができなくなるのか?
- Q債務整理すると会社の取締役になれなくなる?
- A
いいえ。債務整理しても、取締役や社長になることは可能です。
債務整理したからと言って、会社の取締役に就任できなくなることはありません。
ただし、自己破産で裁判所の手続が開始されると、会社との委任関係が終了するため、すでに取締役であった場合は解任になります。もっとも、いったん解任になった後、株主総会で選任されれば、再度取締役になれます。
勤務先の会社などに知られてしまうのか?
- Q債務整理したことは勤務先の会社などに知られる?
- A
債務整理をしても、特別な事情のない限り、勤務先に知られるケースは少ないです。
債務整理をしたら必ず勤務先の会社に知られるわけではありません。知られずに終わる場合の方が多いでしょう。
ただし、絶対に知られないとは言えません。例えば、以下の場合は、勤務先の会社に知られることになる可能性が高いです。
- 勤務先から借金している場合(※)
- 勤務先が保証人や連帯保証人になっている借金がある場合(※)
- 債権者に給料を差し押さえられた場合
- 勤務先が、官報を確認する仕事などをしている場合(自己破産や個人再生)
※ 任意整理を選んで、対象から外せば知られることを回避できます。
債務整理したことを理由に勤務先を解雇されるのか?
- Q債務整理したことを理由に勤務先を解雇される?
- A
いいえ。債務整理したことだけを理由に従業員を解雇することはできません。
事業主は、債務整理したことだけを理由に従業員を解雇することができません。そのため、仮に勤務先に債務整理したことを知られたからと言って、解雇される心配はありません。
債務整理後の生活はどうなるのか?
- Q債務整理した後の生活はどうなる?
- A
債務整理した後の生活がどうなるかは、どの手続を選ぶかによって違います。とは言え、借金や取立てに苦しむ生活から解放されることは確かです。
任意整理・自己破産・個人再生に共通する変化としては、以下のものがあります。
- 借金返済の負担が軽減される(またはなくなる)
- 信用情報に事故情報(ブラックリスト)が掲載されている期間は、新たな借り入れ、ローンを組むこと、クレジットカードの利用が難しくなる
| 債務整理の種類 | 借金返済の軽減 | ブラックリストの期間 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 毎月の返済額が軽減 (3~5年の分割払い) | 完済から5年間 |
| 自己破産 | 返済はゼロ | 裁判所の免責許可から5年間 または 破産手続の開始から7年間 |
| 個人再生 | 借金の総額・毎月の返済額ともに軽減 (3~5年の分割払い) | 完済から5年間 または 再生手続の開始から7年間 |
また、自己破産の場合は財産を処分しなければならないケースがあります。特に持ち家を処分した場合には転居しなければならないので、生活に大きな変化が生じます。
引っ越しをすることができなくなるのか?
- Q債務整理した後は引っ越しできなくなる?
- A
いいえ。債務整理しても引っ越しはできます。
債務整理をしても、引っ越しできなくなることはありません。
なお、自己破産の裁判手続中は転居するのに裁判所の許可が必要ですが、手続が終われば自由に引っ越しできます。
出張や旅行をすることができなくなるのか?
- Q債務整理した後は出張や旅行できなくなる?
- A
いいえ。債務整理しても自由に出張・旅行はできます。
債務整理をしても、出張や旅行ができなくなることはありません。
なお、自己破産の裁判手続中は長期の出張や旅行をするのに裁判所の許可が必要ですが、手続が終われば自由にできます。
生活保護の受給が止められてしまう?
- Q債務整理すると生活保護の受給が止められる?
- A
いいえ。債務整理しても生活保護の受給は止められません。
債務整理しても、生活保護には何も影響がありません。受給を受けられなかったり、止められたりすることもありません。自己破産でも同じです。
ただし、生活保護の給付で返済をすることは望ましくないため、生活保護受給中の場合に選択すべき債務整理手続は、やはり自己破産でしょう。
生活保護を受けることができなくなるのか?
- Q債務整理すると生活保護を受けられなくなる?
- A
いいえ。債務整理しても生活保護は受けられます。
債務整理しても、生活保護には何も影響がありません。債務整理した後でも、生活保護を受けることは可能です。自己破産でも同じです。
個人事業・自営業は廃業しなければならないのか?
- Q債務整理したら、個人事業・自営業は廃業しなければならない?
- A
いいえ。債務整理したからと言って、個人事業・自営業を廃業しなければならないわけではありません。ただし、事実上事業を継続できなくなるケースはあります。
債務整理したからといって、必ず個人事業・自営業を廃業しなければならないわけではありません。
ただし、実際問題として、債務整理した後に個人事業を続けられるかどうかは、事業の内容や取引状況などによって左右されます。
例えば、以下の点が個人事業に影響を及ぼすことが多いです。
- 一定期間は、新たな融資を受けられない
- 取引先の支払いを債務整理したため、取引先を失った
- 事業に必要な資産(機械や原材料・在庫品など)を処分された(またはローン会社に引き揚げられた)
- (特に自己破産)事業所や倉庫などの賃貸借契約を解約した
これらの事情が発生したため、事実上事業を続けられなくなり廃業に至るケースはあり得ます。
もう一度債務整理することができなくなるのか?
- Q1回債務整理したら、もう一度債務整理することはできなくなる?
- A
いいえ。一度債務整理したとしても、再度債務整理することは不可能ではありません。ただし、一定の制限があります。また、1回目よりも手続が厳しくなる可能性があります。
1回債務整理したからと言って、再度債務整理することが不可能なわけではありません。2回目の債務整理も可能です。
ただし、以下の制限には注意が必要です。
| 自己破産で免責許可決定が確定してから7年を経過していない | ・再度の自己破産では、はじめから免責不許可事由があるものとして扱われる ・個人再生の給与所得者等再生を利用できない |
| 個人再生の給与所得者等再生で再生計画認可決定を受けて返済を開始してから7年を経過していない | ・再度の自己破産では、はじめから免責不許可事由があるものとして扱われる ・個人再生の給与所得者等再生を利用できない |
また、上記の制限がない場合でも、2回目の債務整理は、条件や調査などが厳しくなると考えておいた方がよいでしょう。
手続ごとのよくある質問・Q&A
自己破産や個人再生についてのよくある質問については、以下のページも参照してください。


この記事は、法トリ(元弁護士)が書いています。
この記事が参考になれば幸いです。
弁護士の探し方
「個人再生をしたいけど、どの弁護士に頼めばいいのか分からない」
という人は多いのではないでしょうか。
現在では、多くの法律事務所が個人再生を含む債務整理を取り扱っています。そのため、インターネットで探せば、個人再生を取り扱っている弁護士はいくらでも見つかります。
しかし、インターネットの情報だけでは、分からないことも多いでしょう。やはり、実際に一度相談をしてみて、自分に合う弁護士なのかどうかを見極めるのが一番確実です。
債務整理の相談はほとんどの法律事務所で「無料相談」です。むしろ、有料の事務所の方が珍しいくらいでしょう。複数の事務所に相談したとしても、相談料はかかりません。
そこで、面倒かもしれませんが、何件か相談をしてみましょう。そして、相談した複数の弁護士を比較・検討して、より自分に合う弁護士を選択するのが、後悔のない選び方ではないでしょうか。
ちなみに、個人再生の場合、事務所の大小はほとんど関係ありません。事務所が大きいか小さいかではなく、どの弁護士が担当してくれるのかが重要です。
- 相談無料(無料回数制限なし)
- 全国対応・休日対応・メール相談可
- 所在地:東京都台東区
- 相談無料(無料回数制限なし)
- 全国対応・依頼後の出張可
- 所在地:東京都墨田区
- 相談無料
- 24時間対応・秘密厳守・匿名相談可能・メールフォーム・LINE相談可能
- 所在地:東京都千代田区
参考書籍
本サイトでも債務整理について解説していますが、より深く知りたい方のために、参考書籍を紹介します。
クレジット・サラ金の任意整理実務Q&A
編著:柄澤昌樹ほか 出版:青林書院
任意整理の実務書。任意整理だけでなく、債務整理全般について解説されています。若干古いため、アップデートは必要ですが、細かいところも拾えます。
破産実務Q&A220問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
破産実務を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。一般の方でも、本書があれば、破産実務のだいたいの問題や自分の場合どうなるのかを知ることができます。
個人再生の実務Q&A120問
編集:全国倒産処理弁護士ネットワーク 出版:きんざい
個人再生を取り扱う弁護士などだけでなく、裁判所でも使われている実務書。本書があれば、個人再生実務のだいたいの問題を知ることができるのではないでしょうか。



